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2016-03-01

14年目を迎えるTOURSミュージカル『赤毛のアン』
「2万人の鼓動」を感じるミュージカルの魅力に迫る

14年目を迎えるTOURSミュージカル『赤毛のアン』 「2万人の鼓動」を感じるミュージカルの魅力に迫る

ルーシー・モード・モンゴメリによる児童文学の名作『赤毛のアン』を題材に、2003年より行われているミュージカル『2万人の鼓動 TOURS ミュージカル「赤毛のアン」』が今年も開催される。主人公のアン・シャーリー役に抜擢されたのは、上白石萌歌。昨年のアン役の上白石萌音の実妹で、第7回『東宝シンデレラオーディション』でグランプリに輝いた、今後の活躍が期待される16歳だ。ORICON STYLEでは、そんなTOURSミュージカル『赤毛のアン』と、主演・上白石萌歌の魅力に迫っていく。
アン・シャーリー役 上白石萌歌インタビュー

 昨年の上白石萌音からバトンを受け、2016年の『赤毛のアン』でアン・シャーリーを演じる上白石萌歌にインタビュー。アンとの共通点から、姉・萌音とのアンにまつわるエピソード、意気込みまで、様々な話を聞いた。

アンに決まったって聞いた時はドッキリだと思いました(笑)
上白石萌歌

──お姉さんの上白石萌音さんがアンを演じた、昨年のミュージカルはご覧になりましたか?
上白石萌歌 はい、もちろんです! 公演は2回観たんですけど、その前から(姉・萌音が)お家でミュージカルナンバーを歌ってたり、お風呂の中や寝る前にもセリフ読みをしてたりと、努力していた姿を見ていたので、本番は本当に感動しましたね。でも途中からは純粋にミュージカルとして楽しんで見てて、ミュージカルではアンの11歳から描かれるので、お姉ちゃんなのに妹みたいに可愛いなって思ってました(笑)。

──当時はまだ今年のアン役には決まってなかったと思いますが、決まった時はどんな心境でしたか?
上白石 最初はうれしいとか驚くとか以前に信じられなくて、ドッキリだと思ったんですよ。ちょうどテストが終わった日にマネージャーさんから電話がかかってきたんですけど、私、テストが終わったら友だちとオムライス屋さんにいくのが恒例なんです。自分へのご褒美みたいな感じで(笑)。それでオムライスも食べて大満足で、友だちと別れて家に帰ろうって歩いてた時に電話がかかってきたので、「あの電話は現実だったのかな」みたいな気持ちでそのまま家に帰りました。

──ご家族に報告した時の反応は?
上白石 帰ったら母しかいなかったんですけど、まず「お母さん、ちょっと座って」と、椅子に座ってもらいました。腰を抜かしたらいけないので(笑)。で、「びっくりしないでね。私、今度アンをやることになったみたい」って言ったら、やっぱり最初はびっくりして言葉を失ってました。姉には電話で報告して、その時、あまり大きな声を出せないところにいたらしいんですけど、やっぱり「えーっ!!」みたいに声が出ちゃってて(笑)。そんな感じで驚きながらも、じわじわ実感が湧いてきて、姉妹でアンをやれることを家族みんなで喜び合いました。特に姉は「アドバイスはいくらでもするから、何でも聞いて」とどっしり構えてくれてて、とても頼もしいです。

──『赤毛のアン』の本は読んだことがありましたか?
上白石 今ちょうど読んでるところなんです。高校の「朝読書」の時間とか、電車に乗っている時とかに少しずつ。海外の小説ってあんまり読んだことなかったんですけど、自然や風景の描写が細やかで、それとこれは『赤毛のアン』の特徴なのか、比喩がとても多いんですね。言葉の一つひとつがとてもきれいなので、すーっと内容が入ってきます。

──特に好きな場面はありますか?
上白石 リンゴの花の中にミツバチが住んでるのを見つけたアンが「お花の中に暮らせるなら、生まれ変わったらミツバチになりたい」って言うシーンが好きです。ところがその次の日に、カモメが空を飛んでいるのを見て、「カモメになりたい」って言い出して(笑)。目に入るもの全てに感動するアンがとても可愛いなって思いましたね。

アンとの共通点は、空想好きなところ
上白石萌歌

──自分とアンとの共通点はありますか?
上白石 空想が好きなところが共通点だと思います。小さい頃は毎晩、寝る時にお布団を空飛ぶじゅうたんに見立てて、このまま空を飛んだら夜景が見えてきれいだろうな、みたいなことを想像しながら眠りについてたんです。あとこれを言うとちょっと引かれちゃうんですけど……小6くらいの頃、トイレの中で妖精さんとお話するのが自分の中で流行ってたんです。

──妖精さんがいるんですか。
上白石 1人になったときにだけ会える、手のひらくらいの大きさの妖精さんがいて、「今日、音楽の教科書忘れちゃった。どうしよう」とか相談すると、「先生にちゃんと言ったほうがいいよ」って答えてくれるんです。……自分で思い返してもちょっと怖いんですけど(笑)。今はそこまでではないですけど、いろいろ空想をするのは好きですね。

──アンもかなり空想癖があるから、近いかもしれないですね(笑)。
上白石 ただやっぱり違うところもあって、アンって思ったことをすぐ口にしちゃうタイプじゃないですか。それでクラスメートのギルバートと大げんかになったりもするけど、すごく素直に生きてるし、裏表がない子だなって思うんですよね。私自身は最近でこそ変わりましたけど、昔はあまり自分の気持ちをはっきり言えないタイプだったので、そんなアンがうらやましいし、尊敬もします。

──ところで今回、ミュージカルは初めてですよね。
上白石 お仕事ではしたことはないんですけど、実は小さい頃からずっとミュージカルを習ってたんです。「東宝シンデレラ」のオーディションに推薦してくれたのも、ミュージカルの先生で、今でもとても応援してくれてるんです。だからミュージカルに出るのは、私の夢の一つでもありました。ミュージカルって、何ヶ月も稽古をして、みんなで作り上げていくものだから、チームワークや絆が映像作品以上に強くなるんじゃないかなと思ってて。昔からそういう経験をしてみたいと思っていたので、本当に今回決まったのがうれしかったし、お稽古も楽しみです。

私だけのアンを演じたいと思っています

──舞台稽古が始まるのはまだ先だと想いますが、何か準備していることはありますか?
上白石 家に去年の台本があるのでそれを読んだり、あと歌は姉が毎日のように家で歌ってたので、ほとんど覚えています。もちろんそれを舞台で表現するわけだから、ちゃんとお稽古しなければいけないんですけど……。あと毎日ではないですけど、スタミナをつけるためにランニングをしてます。お父さんに皇居ランに連れてってもらったのが楽しくて、一人でも走りに行きました。aikoさんとかback numberさんとかの音楽を聴きながら走ってると、意外と止まらずに1周できちゃうんですよ。

──では、お姉さんにアドバイスをもらったり、逆に聞いたりしたことはありますか?
上白石 姉からは「全国8都市を回るから長いって思うかもしれないけど、本当にあっという間だよ」と言われましたね。だから1公演1公演大事にしてね、って。私から聞いたことは、「どこの地方の何が美味しかった?」って。初日の札幌から全国美味しいものばかりだったって言ってたので、それも本当に楽しみなんです(笑)。

――ダイアナ役のさくらまやさんが北海道出身なので、お姉さんは札幌でカニのさばき方を教えてもらったそうですよ。
上白石 本当ですか!? 私も教えてもらわなきゃ。まやちゃんとは先日、HPで使う画像の撮影で初めてお会いしたんですけど、初対面とは思えないフレンドリーさで、すごく安心しました。私がわりと人見知りしちゃうほうなので、最初からグッと距離感を縮めてくれたのが心強かったです。その日はずっと二人でしゃべってたし、まやちゃんと稽古はもちろん、全国を回るのが今からとても楽しみです。何より去年、客席から生の歌声を聴いて本当に鳥肌が立つほどだったので、もっと間近で聴いたらどんなにすごいんだろうって。たくさんのことを勉強させてもらいたいですね。

──どんなアンを演じたいと思いますか?
上白石 昨年観た方は、もしかしたら姉のアンと私と比べるところもあるとは思うんです。私自身も「お姉ちゃんはこう演じてたな」とか考えちゃうかもしれないし、たくさんの素晴らしい女優さんが演じてきた役だし……。だけど私は私だけのアンを演じたいと思ってます。活発でおしゃべりなだけじゃなくて、アンの感性の豊かさや優しさも表現できたらいいなと。初めてのミュージカルだけに私にとって大きな糧になると思うのと同時に、このミュージカルに関わるたくさんの、それこそ2万人にとって一生忘れられない作品にするために、全力で走っていきたいと思います。

(文/児玉澄子)

PROFILE 上白石 萌歌(かみしらいし もか)
2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞し、芸能界デビュー。ファッション雑誌『ピチレモン』の専属モデルを務めたほか、関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『幽かな彼女』、関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『銭の戦争』、フジテレビ系『フラジャイル』、映画『脳漿炸裂ガール』など、幅広く活動中。女優の上白石萌音は実姉。

2万人の鼓動 TOURSミュージカル「赤毛のアン」公式サイト