俳優の鈴木亮平が映画『エゴイスト』で『第78回毎日映画コンクール』の男優主演賞を受賞し、14日に都内で行われた授賞式に出席した。
映画『エゴイスト』は、さまざまなテーマを愛と毒のある切り口で、数々のコラムを世に送り出してきた高山真氏の自伝的小説が原作。14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごし、今はハイブランドの服に身を包んで、気ままながらもどこか虚勢を張って生きているファッション誌の編集者、浩輔(鈴木亮平)。そんな浩輔が、シングルマザーである母(阿川佐和子)を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、物語は動き出す。
壇上で鈴木は「『エゴイスト』という映画はやりながら、いろんなことを思っていました。愛するということは、ある種あいまいなことだなと思いました。純粋な愛なのか、それともただのわがままなのか。自分が人を愛するのは、どっちなんだろうと、それがいつも混じり合っているものなのか。愛とはエゴの一部分なのか、逆にわがままが愛の一部分なのか。そんなことを考えながら演じていました」と振り返る。
そんな思いを抱えながら撮影された作品で「できあがったものを見て、もう少し愛することにわがままになっていいのかな、と。その自分のわがままが、誰かのためになったり、救ったりするこができれば、それを愛と呼んでいいのかな、と」と哲学的な思いを口にした。
男優助演賞は宮沢氷魚が受賞。「あの時間が、こんふうな場所のこんな時間につながるんだなっていうことが不思議な気持ちです。この映画は、もちろんたくさんの人に見てもらいたかったんですけれども、何よりゲイの当事者の方々に『こういう映画見たかったよね』って言ってもらえたらという思いで、割と僕はそこの一心で作ってたことがあるので」としみじみ。成立するのかの不安もあったが松永大司監督に引っ張ってもらったそう。「みんながみんなやるしかない、とにかくいいもの作るしかないっていうスタッフ、キャストのエネルギーみたいなものが作品につながったのかな」とじっくりと口にした。
そんな作品だけに「今後の人生後半の進んでいく道のヒントをちょっと与えてくれた作品になったかなと思いました」と感謝した。
また、宮沢は壇上のスピーチで鈴木との共演を熱望していた。鈴木は「ぜひ!横で聞いてましたけど『敵対する役とかやってみたい』って言っていたので、ぜひ僕もやりたいです。イスとイスで座って、すごい駆け引き、裏の裏を読みながら、上品な言葉なんだけれども、すごく暴力的なやり取りをしてるっていうような、そういう役とかやったら面白そうかなと思って聞いてました」と具体的なイメージを語っていた。
今回の賞のごほうびを問われると、1杯のビールとした。「これ(トロフィー)を目の前に置いて、 ビール1杯飲むぐらい。お祝いごとっていうのは、その日に喜んで次からまた頑張るっていう、そういうスタンスが僕は合ってます」とはにかんでいた。
同賞の対象は、2023年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)となる。
■『第78回毎日映画コンクール』受賞結果
日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)
日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)
男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』
女優主演賞:杉咲花『市子』
男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』
女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』
スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』
スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』
監督賞:石井裕也『月』
脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』
撮影賞:鎌刈洋一『月』
美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』
音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』
録音賞:志満順一『せかいのおきく』
アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)
大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督※崎=たつざき)
ドキュメンタリー映画賞:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版 美しい彼〜eternal〜』
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
田中絹代賞:薬師丸ひろ子
特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
★ORICON NEWS 動画視聴ページTOP
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
映画『エゴイスト』は、さまざまなテーマを愛と毒のある切り口で、数々のコラムを世に送り出してきた高山真氏の自伝的小説が原作。14歳で母を失い、田舎町でゲイである自分の姿を押し殺しながら思春期を過ごし、今はハイブランドの服に身を包んで、気ままながらもどこか虚勢を張って生きているファッション誌の編集者、浩輔(鈴木亮平)。そんな浩輔が、シングルマザーである母(阿川佐和子)を支えながら暮らすパーソナルトレーナーの龍太(宮沢氷魚)と出会い、物語は動き出す。
壇上で鈴木は「『エゴイスト』という映画はやりながら、いろんなことを思っていました。愛するということは、ある種あいまいなことだなと思いました。純粋な愛なのか、それともただのわがままなのか。自分が人を愛するのは、どっちなんだろうと、それがいつも混じり合っているものなのか。愛とはエゴの一部分なのか、逆にわがままが愛の一部分なのか。そんなことを考えながら演じていました」と振り返る。
そんな思いを抱えながら撮影された作品で「できあがったものを見て、もう少し愛することにわがままになっていいのかな、と。その自分のわがままが、誰かのためになったり、救ったりするこができれば、それを愛と呼んでいいのかな、と」と哲学的な思いを口にした。
男優助演賞は宮沢氷魚が受賞。「あの時間が、こんふうな場所のこんな時間につながるんだなっていうことが不思議な気持ちです。この映画は、もちろんたくさんの人に見てもらいたかったんですけれども、何よりゲイの当事者の方々に『こういう映画見たかったよね』って言ってもらえたらという思いで、割と僕はそこの一心で作ってたことがあるので」としみじみ。成立するのかの不安もあったが松永大司監督に引っ張ってもらったそう。「みんながみんなやるしかない、とにかくいいもの作るしかないっていうスタッフ、キャストのエネルギーみたいなものが作品につながったのかな」とじっくりと口にした。
そんな作品だけに「今後の人生後半の進んでいく道のヒントをちょっと与えてくれた作品になったかなと思いました」と感謝した。
また、宮沢は壇上のスピーチで鈴木との共演を熱望していた。鈴木は「ぜひ!横で聞いてましたけど『敵対する役とかやってみたい』って言っていたので、ぜひ僕もやりたいです。イスとイスで座って、すごい駆け引き、裏の裏を読みながら、上品な言葉なんだけれども、すごく暴力的なやり取りをしてるっていうような、そういう役とかやったら面白そうかなと思って聞いてました」と具体的なイメージを語っていた。
今回の賞のごほうびを問われると、1杯のビールとした。「これ(トロフィー)を目の前に置いて、 ビール1杯飲むぐらい。お祝いごとっていうのは、その日に喜んで次からまた頑張るっていう、そういうスタンスが僕は合ってます」とはにかんでいた。
同賞の対象は、2023年1月1日から12月31日までに国内で14日間以上、有料で劇場公開された作品(アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品)となる。
■『第78回毎日映画コンクール』受賞結果
日本映画大賞:『せかいのおきく』(阪本順治監督)
日本映画優秀賞:『ほかげ』(塚本晋也監督)
外国映画ベストワン賞:『TAR/ター』(トッド・フィールド監督)
男優主演賞:鈴木亮平『エゴイスト』
女優主演賞:杉咲花『市子』
男優助演賞:宮沢氷魚『エゴイスト』
女優助演賞:広瀬すず『キリエのうた』
スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ『さよなら ほやマン』
スポニチグランプリ新人賞(女性):サリngROCK『BAD LANDS バッド・ランズ』
監督賞:石井裕也『月』
脚本賞:阪本順治『せかいのおきく』
撮影賞:鎌刈洋一『月』
美術賞:上條安里『ゴジラ-1.0』
音楽賞:ジム・オルーク『658km、陽子の旅』
録音賞:志満順一『せかいのおきく』
アニメーション映画賞:『アリスとテレスのまぼろし工場』(岡田麿里監督)
大藤信郎賞:『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督※崎=たつざき)
ドキュメンタリー映画賞:『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』(寺田和弘監督)
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・日本映画部門:『劇場版 美しい彼〜eternal〜』
TSUTAYA DISCAS 映画ファン賞・外国映画部門:『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』
田中絹代賞:薬師丸ひろ子
特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)
★YouTube公式チャンネル「ORICON NEWS」
このニュースの流れをチェック
- 1. 【毎日映画コンクール】鈴木亮平『エゴイスト』で男優主演賞 男優助演賞は宮沢氷魚で「最高です!」
- 2. 【毎日映画コンクール】杉咲花が『市子』で女優主演賞「映画に関わったみなさんと喜びを分かち合いたい」
- 3. 【毎日映画コンクール】広瀬すず、透け感たっぷりドレスで魅了 『キリエのうた』で女優助演賞「自分の支えになる賞」
- 4. 【毎日映画コンクール】『君たちはどう生きるか』が大藤信郎賞 宮崎駿監督が7度目の栄冠
- 5. 【毎日映画コンクール】劇場版『美しい彼』が映画ファン賞 八木勇征、壇上で“ひらきよ”の絆 欠席の「萩原利久の気持ちも背負って」
- 6. 【毎日映画コンクール】八木勇征、劇場版『美しい彼』賞受賞で感謝 原作者・凪良ゆう氏や萩原利久との“ひらきよ”は「奇跡的な出会い」
- 7. 【毎日映画コンクール】鈴木亮平、男優主演賞のごほうびは1杯のビール「お祝いごとはその日に喜んで次からまた頑張る」
![](https://contents.oricon.co.jp/pc/img/_parts/icon/icon-comment_38.png)
2024/02/14