プロ車いすテニスプレーヤーの国枝慎吾選手（38）が22日、自身のツイッターを更新し、同日付で現役引退を発表した。「最高の車いすテニス人生でした」と万感の思いを伝え、直筆サインには「オレは最強だ！」と添えた。

　この日、ツイッターに書面を投稿し「2023年1月22日付で引退することになりました」と報告。「夢が叶った東京パラリンピック後から引退についてはずっと考えており、昨年念願のウィンブルドンタイトルを獲得してからは、ツアーで戦うエネルギーが残り僅かである事を感じる日々でした」と明かし、「昨年10回目の年間王者となった事で、もう十分やりきったという感情が高まり、決意した次第です」と説明した。

　また、「2006年に初めて世界一位になってから17年。最後まで一位のままでの引退は、カッコつけすぎと言われるかもしれませんが、許してください（笑）」と、王者の風格をみせた。

　「ツアーを周りはじめてから20年が経ちました」と振り返り、その間、車いすテニスがグランドスラムに採用され、賞金も上がるなど、環境の変化を実感。世界の第一線でプレーしてきた立場から「国際テニス連盟が車いすテニスも管轄していることで、どのパラリンピック競技よりも、健常者と障がい者の垣根が低いスポーツだったと思います」としながら、「まだまだ今後も更に発展していく事を願っています」と期待を込めた。

　2009年プロ転向後を支えてたスポンサーをはじめ、妻やスタッフ、ライバル、そしてファンに「長い間本当に有難うございました」と感謝。2月7日に記者会見を予定しているとし、「私の気持ちを詳しくお伝えしたいと考えています」とつづった。

　国枝は1984年2月21日生まれ、東京都出身。9歳の頃、脊髄腫瘍を発病し車いす生活となった。その後、車いすテニスと出会い、世界トップ選手に。シングルスで年間グランドスラムを5回達成し、ダブルスでもキャリアグランドスラムを成し遂げた。パラリンピックではアテネ大会から東京大会まで5大会連続出場、4つの金、2つの銅メダルを獲得した。