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綾野剛、日本人初の中国映画に主演 中国語せりふでソン・ジアと「悲恋の物語」

 俳優の綾野剛(36)が、中国で人気の同名舞台を映画化した『破陣子』で主演を務めることが9日、わかった。日本の男性俳優が日中合作ではなく、中国製作の映画で主演を務めるのは、史上初の試みとなる。中国語のせりふにも挑戦し、3ヶ月の肉体作りで心身ともに準備を整え、あす10日よりクランクインする。

中国映画『破陣子』で主演を務める綾野剛(左)と監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏

中国映画『破陣子』で主演を務める綾野剛(左)と監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏

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 綾野の役どころは、壇ノ浦の戦い(1185年)で海に飛び込み、潮の流れに乗り南宋国境内の「白虎蕩」という村の海岸に辿り着いたところを地元村民に救助され、「平安(ピン・アン)」という名を与えられた日本の貴族の一人。やがて南宋の女性と恋に落ち、悲恋の物語が展開していく。全く新しい荒唐喜劇(滑稽不条理コメディー劇)の世界観のもと、時代劇という古代の題材を借りながら、今の現実社会の問題を露わにしていくという、中国映画ならではの壮大な物語を目指す。綾野と恋に落ちるヒロインを演じるのは、中国で人気の実力派女優の宋佳(ソン・ジア)。

 綾野は日本において数々の主演男優賞を受賞しており、その実力は中国でも認められている。これまで『新宿スワン』(園子温監督)、『そこのみにて光輝く』(呉美保監督)、『怒り』(李相日監督)など、幅広い役柄を演じてきたが、海外映画初進出にしていきなりの主演、伝記色あふれる古代貴族に扮するのは、大きな挑戦となる。

 中国でのデビュー作として本作を選んだ理由について、綾野は「脚本自体が素晴らしく取り扱うテーマが奥深いのはもちろん、登場人物の心の襞(ヒダ)が豊富かつ繊細で、また、演じる平安については、心の機微の揺れに惹かれた」と説明。今回の出演にあたり「人気の舞台劇から映画化した作品に出演するのは初めてです。ソン・ジアさんはじめ中国キャスト・スタッフの皆さんと共に、平安を生きる上で確かな化学反応を起こしたい。俳優は絶えず自分との挑戦、このような複雑な役を生きる事は、私の役者人生において豊かな時間になります」と意気込んでいる。

 以前から中国文化にも興味を持っていたそうで、「日本人として中国の映画で主演を担えるのは、大変光栄です。映画の中で自分自身の愛情や想いを表現し、大勢の方々にこの映画を通じて両国の文化を理解して頂きたいです。そして、良い映画作りを通して、日中文化交流に少しでも貢献できれば幸いです」文化的な意義も感じている。

 監督と脚本を務めるのは、本作舞台バージョンの脚本も担当した董天翼(ドン・ティエンイー)氏。綾野を主演に抜てきした理由として、「綾野剛さんの作品を見ると毎回人間が変わっているように見える。彼の演技は真実味があり変化に富んでいる、紛れもなく我々が求めていた役者でした」と明かしている。

 本作を手がけるのは、中国で知名度は高く、多数の優秀な作品を携え、高い評価と高い興行実績を残してきた舞台制作会社JOYWAY。同社創業者にして本作のチーフプロデューサーの孫恒海氏は、中国の演劇界における第一人者にして演劇界で高い影響力を持つ。昨今の中国映画界は活況を呈しており、昨年には日本の4倍に相当する約9580億円の市場規模となっている。そんな中国映画業界へ主演デビューする綾野の活躍には、大きな期待が寄せられている。

 『破陣子』は来年に中国全土で公開予定。

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  • 中国映画『破陣子』で主演を務める綾野剛(左)と監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏
  • 中国映画『破陣子』クランクインセレモニーに臨む綾野剛
  • 中国映画『破陣子』クランクインセレモニーに臨む綾野剛
  • 中国映画『破陣子』クランクインセレモニーに臨む綾野剛(右)と監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏
  • 中国映画『破陣子』クランクインセレモニーに臨む綾野剛(右)と監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏
  • 綾野剛主演の中国映画『破陣子』クランクインセレモニーの模様
  • 中国映画『破陣子』クランクインセレモニーに臨む(左から)監督件脚本家の董天翼(ドン・ティエンイー)氏、綾野剛、エグゼクティブプロデューサーの華熔氏

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