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May J.『私にとって歌がすべて!今作“ラブバラード”に込めた熱い想いとは!?』

オリジナル・バラードアルバム『Love Ballad』はオリジナルのラブソングを中心とした珠玉のバラード集。どんな世代にも響く“真実の愛”を多彩な曲と歌詞、そして歌声で表現した歌姫・May J.が、今作に込めた熱い想いを語ります!

今までのバラードとはまた違うものに挑戦したい!

  • May J.

    May J.

――6月にリリースされた『Summer Ballad Covers』がロングセラーを記録していますが。それに続くオリジナル・バラードアルバムということで、またファン層が広がりそうですね。
May J.『Summer Ballad Covers』では、「お父さんやおじいちゃんがMay J.のCDを聴いてる」って言ってくださる方もいて(笑)、本当にいろんな人に聴いてもらえたなっていう実感がありますね。それと同時にやっぱりMay J.のオリジナルのバラードを聴きたいっていうリクエストも増えて。私自身もカバーで学んだことを活かして、今までのバラードとはまた違うものに挑戦したいと思って『Love Ballad』を制作したんですよ。

――“今までのバラードとは違うもの”を具体的に言うと?
May J.まず日本語の歌詞をしっかり伝えること。例えば「ハナミズキ」は和製のメロディーだし、一青窈さんと私では歌唱法も違うので、最初は自分には難しいかなと思っていたんですね。でも実際にやってみたら意外と合うっていう発見がありましたし、「きみの唄」っていう曲では日本語が伝わる和な雰囲気にも挑戦しているんですよ。

――確かに「きみの唄」は今までのMay J.の曲にはなかったタイプのバラードで、歌詞の雰囲気も違います。
May J.自分で詞を書くとどうしても等身大のものになってしまうので、作詞はあえて作家さんにおまかせしました。今までは、同年代の女性に共感してもらえる曲が多かったのですが、今回はもっといろんな人が実感できる広い愛というか、誰もが入り込める世界観を表現したかったので。

――「泣いていいよ」なんかは男女関係なく癒される曲ですよね。
May J.これは女性が男性を包み込んであげるっていう、自分のなかでは新しいイメージの曲。やっぱり真実の愛を貫きたいなら、相手のベストな状態を見るだけじゃダメだと思うんですよ。苦しんでいたり泣いていたり不細工なところも全部ひっくるめて好きって思えるのが本当の愛だし、むしろそんな弱い部分こそ支えてあげたくなる。そういう女性ならではの気持ちを「泣いていいよ」では歌いたかったんですよね。

歌えなくなったらどうしよう……私にとって歌がすべて

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――「きみの唄」のミュージックビデオでは、May J.さんも“涙”を流していて、リアルな泣き顔を見せていますね。
May J.実は私、人前で泣いたことってないんですよ。だから泣くシーンを撮るって言われたときはできるかな?って心配で。でもカメラをずっと回してもらって自分が一番辛くなったときのことを考えたら、涙が自然に出てきて。周りに人がたくさんいたんだけど、全然気にならずに泣けました。溜めこんでいたものがバーッと出たみたいで気持ち良かったんですよ(笑)。

――ちなみに“一番辛くなったとき”って、どんなことを考えていたんですか?
May J.“歌えなくなったらどうしよう”って考えてました。実は最近、思うように歌えないことがあって。求められていること以上に応えなきゃいけないっていうプレッシャーを感じたり、追い込んでいる自分がいて声がつまっちゃうことがあるんです。もしこの状態が続いて歌えなくなったら本当に悲しい。私にとって歌がすべてだし、それがなければ自分ではいられない、そう考えたら涙がどんどん出てきちゃって。

――そのプレッシャーはもしかして、テレビ番組のカラオケ対決も関係しています?
May J.関係ないとは言えないですね。番組のおかげで5万人ぐらいのお客さんがいるような大きなイベントに参加させていただく機会が増えたんですけど、試されているなとか期待に応えないといけないなとか勝手に思い込んでしまうことがあって。気にしないで今までどおりに歌おうとするんだけど、そのプレッシャーに負けそうになる瞬間があるんです。でも番組があったからこそ、May J.の歌を聴きたいって言ってくださる方が増えたので、カバーは今後も歌っていきたい。そこは自分のなかで大切にしていきたいんですよね。

――今作にはBIGBANGのV.Iとコラボした、映画『猟奇的な彼女』の主題歌「I Believe」も収録されていて。カバーが聴きたいという人の要望にもしっかり応えた選曲になっていますよね。
May J.V.Iさんとは元々彼のソロアルバムで先にコラボさせていただいて、そこがきっかけで今回のカバーが実現したんですよ。しかもV.Iさんは本当にスイートな優しい声を持っているので、ラブバラードでぜひデュエットしたいなと。日本語の歌詞だけど、伝えようとする気持ちがガツンと伝わってきて一緒に歌っていても鳥肌(笑)。すごくいいバイブスをもらえました。

――レコーディングの合間はどんな雰囲気でした?
May J.気さくな方だし、テレビにも出られているので場の空気を作るのが本当にうまい。つねにエンターティナーって感じで、私だけじゃなく部屋にいる全員を巻き込んで楽しませようっていうサービス精神がすごいんですよ。日本語が上手で難しい言葉も勉強して使ったりして、日本が好きなんだなって感じましたね。

――この曲も含め今作ではカバー、オリジナルを超えて改めて“May J.のバラード”の奥深さや幅広さを感じたんですが。ご自身は制作してみて新たな発見はありましたか?
May J.そうですね、高いキーで歌い上げる壮大な曲から和製のメロディーで聴かせる曲、ファルセットを重ねて切なさを出したものまで、いろいろな表現ができたなと思います。多分、デビューした18歳の頃の私では、ここまで声の引き出しは出せなかった。そこを発見させてくれたのはこれまでの人生経験だったり、テレビ番組やカバーアルバムで培ってきたものだなと思います。なので今後も食わず嫌いをしないでいろんな曲に挑戦して、次のステップにしていきたいですね。

――がっつりバラードを歌った反動で、次はアップな曲を歌いたくなったりしません?
May J.アップももちろん自分だけど、今はしっとり歌い上げるのが好きですね。ただ来年ぐらいにはフルアルバムを出せたらと思っていて。そこではいろんな曲を入れられるんじゃないかな。
(文:若松正子)

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