
JR高輪ゲートウェイ駅に“100年先の心豊かなくらしのための実験場”として、人、街、地球に優しいサステナブルなまちづくりを進めていく場所として新たなランドマーク「TAKANAWA GATEWAY CITY」が誕生。コンセプトを始め、遊び、食、お土産など、魅力あふれる街「TAKANAWA GATEWAY CITY」について、レポーターの福田愛依とともに紹介する。 “100年先”を見据え「“新たな文化”を生み出したい」、未来への夢と希望を感じる場所に
TAKANAWA GATEWAY CITYが誕生した場所は、かつて寝台列車などが留められていた車両基地だった。時代の変化により、寝台列車の減少や上野東京ラインの開業で、ここに留め置く列車の本数が減少したことで車両基地を縮小することができ、新たに生み出した土地で、「環境」「モビリティ」「ヘルスケア」をテーマに「100年先の心豊かなくらしのための実験場」を目指した新たなまちづくりをスタートした。 
(左から)レポーターの福田愛依、JR東日本マーケティング本部まちづくり部門マネージャー 出川智之さん
「国内外100社以上のスタートアップと東京大学、シンガポール国立大学などのアカデミアが集まり、環境、モビリティ、ヘルスケアの新たなサービスやソリューションを生み出していきます。ビジネス創造施設である『Link Scholars’ Hub』を拠点に研究や実証実験を行い、新たなサービス、アイデアを形にしていく取り組みを行っていきます。
また2026年春には、MoN Takanawa: The Museum of Narrativesという複合文化施設も誕生。ここを100年先に心豊かにくらしていくための文化のあり方を創造する実験場と位置付け、日本古来の伝統文化と世界最新鋭のアーティストとの掛け合わせによって“新たな文化”を生み出していこうと考えています」(JR東日本マーケティング本部まちづくり部門マネージャー 出川智之さん) 
TAKANAWA GATEWAY CITY内を走る「自動走行モビリティ」は最大3人まで乗ることができる
100年先の未来では「人とロボットとの共創」は当たり前になっていることが予想される。その未来を想起させる場所として同所は動き始めている。 「都市の情報集約をしたプラットフォームにアーバンOSというものがあります。街の人流解析データ、鉄道情報やスイカデータなどを全てアーバンOSに蓄積し、ロボットのオペレーションやコントロールに活用するなど、人とロボットが無理なく同居していくことを考えています。TAKANAWA GATEWAY CITY内では、すでに警備ロボット、清掃ロボット、デリバリーロボットなどが稼働しています。これらのロボットたちがアーバンOSを通じて有機的につながり、効率的にオペレーションされる世界観を描いています」(出川さん) 
エマニュエル・ムホー氏のゲート型アートワーク100 colors no.53「100色の道」
そんなTAKANAWA GATEWAY CITYに降り立つと、まず目に飛び込んでくるのがフランス人建築家でアーティストのエマニュエル・ムホー氏のゲート型アートワーク100 colors no.53「100色の道」だ。
「100色使ったアートワーク『100 colors』シリーズが有名ですが、それと我々が提唱する“100年先”を掛け合わせ、このアートワークができました。”100年先の心豊かなくらし”といっても、イメージしづらいものがあります。2025年から2124年までの年号が書かれた100色の鮮やかなゲートを通過することで、視覚的にも体感的にも100年先を感じてもらいたいと思い設置しました」(出川さん) 遊びと学びが共存…これまでの歴史と未来を一度に体験できる場所でもある
老若男女問わず楽しめる遊びと学びの場も多くある。まずは、2026年春のグランドオープンから100年後を見ることができる「TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター」。巨大スクリーンで見られる圧巻の映像と、それを彩る羊文学の新曲「未来地図2025」が没入感を一層引き立ててくれる。 
「TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター」
「100年後の街をイメージした映像は、山手線に乗っていた少年が、TAKANAWA GATEWAY CITYの100年後にタイムスリップし、“この街の未来は捨てたもんじゃない”“僕もチャレンジしてみよう”とモチベーションを上げていくストーリー。『ここはいろいろなソリューションを生み出す街なんだよ』という裏メッセージが込められています。約5メートルあるアーク型のスクリーンで、映像と音楽が楽しめます」(出川さん) 
TAKANAWA GATEWAY CITYの現在から100年後の未来の様子が描かれている「TAKANAWA GATEWAY CITY 未来体験シアター」
いち早く体験した福田愛依は、「男の子がタイムスリップしていくシーンでは、自分もその世界に引き込まれるような圧倒的な没入感と臨場感を体験できます。こんな未来が来るのか!? とワクワクしました」と興奮気味に語った。 
AR体験プログラム「TAKANAWA LINK SCAPE」
続く、AR体験プログラム「TAKANAWA LINK SCAPE」では、150年前に日本で初めて鉄道が開業した高輪築堤を蒸気機関車が走っていく様子などが体験できる。鉄道がもたらしたくらしの変化を、過去から現代、未来にわたって学ぶことができ、音声とナビゲーションは予備校講師・タレントとして活躍する林修氏が担当している。 「実際に150年前に列車が走っていた場所で、当時と現在を一緒に体感できます。また未来のモビリティをAIの自動生成で作り出し、スクリーンに投影して楽しむこともできます」(出川さん)
「現実世界にいながらARを使って当時と同じ場所で歴史や文化をリアル体験できるのは、今までになく新鮮でした。日本の歴史や文化に関するクイズもあり、海外の方にも楽しんでもらえそうですね」(福田)
また、アートと音楽を体感できるナイトミュージアムバー&クラブ「ZERO-SITE Takanawa Gateway」には、光と音が融合する日本初のキネティック・アートの常設スペースもある。 
ナイトミュージアムバー&クラブ「ZERO-SITE Takanawa Gateway」

ナイトミュージアムバー&クラブ「ZERO-SITE Takanawa Gateway」

※特別に許可を得てDJブースで撮影させてもらいました
「ドイツから輸入したキネティック・アートを日本初公開しています。3階フロアの天井には27メートルのLEDパネルが仕込んであり、ファッションショーなど様々なイベントに活用できます。金、土曜のナイトクラブ営業でも多様な演出が楽しめ、2階フロアはボイドアコースティックスという世界中のDJに愛されているサウンドシステムを導入。3階はDanley Sound Labsを導入し、大音量で流しても隣で会話できるほどの周波数になっています。ぜひ体感してもらいたいです」(出川さん) そして、THE LINKPILLAR 1 SOUTH 地下2階のConvention Center LINKPILLAR HALL A・Bでは、『新幹線変形ロボ シンカリオン』シリーズの10周年を記念したスペシャルトークイベント『SHINKALION 10th Anniversary Special Talk ~『シンカリオン』とアニメの未来~』を5月4日に開催。第1部では、テレビアニメ第1期『新幹線変形ロボ シンカリオン』から佐倉綾音、第2期『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』から津田美波、第3期『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』から石橋陽彩が登壇し、初のクロストークを実施。第2部では、『シンカリオン』シリーズを支えてきたスタッフによるトークセッションが行われる。さらに前日3日には、1日限定で劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X』の無料上映会も行われる。
⇒「SHINKALION 10th Anniversary Special Talk ~『シンカリオン』とアニメの未来~」の詳細を見る!(外部サイト) 駅ナカの芝生空間「Eki Park」では飲食も可能…嗜好を凝らした料理やスウィーツも豊富
JR高輪ゲートウェイ駅で「CAFE」「SALON」「FACTORY」の3店舗を展開する「MAISON CLASSIC」。「FACTORY」の“見える工場”では硬さや味などさまざまなバリエーションのシュークリームが出来上がっていくプロセスが体験でき、駅構内を望める大きなテラスが特徴の「SALON」では食事やデザート、アルコールを楽しむことができる。 
見える工場「MAISON CLASSIC FACTORY」

さまざまな種類のシュークリームが楽しめる「MAISON CLASSIC FACTORY」

「MAISON CLASSIC FACTORY」ではできたてをそのまま食べられるのも魅力
「嗜好を凝らした料理や自家製クラフトジンなどのお酒、高性能のサウンドシステムによる良質な音楽と合わせて、充実した時間を提供するだけでなく、週末にはテラスでDJイベントも開催しています。照明が駅の幕屋根に当たりとても綺麗で、アウトドアのフェスのような解放感が味わえるのも、この駅ならではの楽しみです」(出川さん) 
「MAISON CLASSIC SALON」

「MAISON CLASSIC SALON」

「MAISON CLASSIC CAFE」
「CAFE」では「駅の概念を再構築する」というコンセプトのもと、改札内唯一の「エキナカコーヒースタンド」として稼働し、自家焙煎のコーヒーやサンドイッチ、ジェラートなどを提供。乗り換え時のクイック利用でも活用できる。 
駅構内にある「MAISON CLASSIC CAFE」で購入したジェラートなど飲食も可能
そして、JR高輪ゲートウェイ駅構内で最大の魅力でもある芝生空間の「Eki Park」。天候を気にせず、遊んだり寝転がったりと自由に使え、公園のように楽しめる。芝生は可動式で、イベントの際にはステージと客席をわけるなど、シーンによって形を変えられるのも大きな特徴だ。また飲食も可能で、「MAISON CLASSIC CAFE」でテイクアウトしたコーヒーやスイーツを片手にゆっくりとくつろぐこともできる。 
JR高輪ゲートウェイ駅構内で最大の魅力でもある芝生空間の「Eki Park」
「駅中に買い物や飲食のできる施設はありましたが、皆様にゆったりと過ごしていただく半パブリックスペースは、今までなかったと思います。駅の新たな使い方、自由な過ごし方を提供する実験の1つとして、この芝生空間を設置しています」(出川さん) 
駅の待合所のように気軽に立ち寄れる「マチアイ」

地域の魅力を体験できるショップ

イートインスペースもある
このほか、イベントスペース「マチアイ」の初回イベント(5月6日まで)では、周辺地域のショップから厳選したコーヒー、パンやスイーツ、港区で醸造された日本酒やクラフトビールなどを販売し、地域の魅力を体験できるワークショップ、セミナーを実施している。 また駅だけでなく、THE LINKPILLAR 1 SOUTH2階(ニュウマン高輪)にオープンしたブルーボトルコーヒーは、オフィスエントランスとショップエリアが融合したスペースにあるファニチャーでコーヒーを楽しめる。オフィスワーカー以外の人も自由に使え、従来のオフィスとは異なる地域に根づいた場として新たな価値を創出している。 多種多様なお土産も…ニコライ バーグマンの新しい世界を体験できるストアも
改札を出て開放的な空間には、期間限定のフードトラックやマルシェがある。この「Gateway Park Market」では季節ごとに多彩なグルメから伝統工芸まで取り揃えられ、多種多様なお土産が買えるのも魅力の1つである。2週間ほどのサイクルで入れ替わり、ここでしか手に入らない商品もある。 
ニコライ・バーグマン氏が手掛ける、新しいライフスタイルストア
さらにTHE LINKPILLAR 1 NORTH2階(ニュウマン高輪)には、デンマーク出身のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏が手掛ける、新しいライフスタイルストアがオープン。フラワーボックスはもちろん、リビングやカフェアイテム(本人セレクトのフードやドリンクなど)まで取り揃え、彼の新しい世界を存分に体験できる。
「一輪からお花を買うことができるバンドルフラワーやフラワーワークショップによる体験価値も提供しています」(出川さん) 鉄道によって新たな時代を切り開いた場所である高輪。その歴史的な背景を受け継ぎつつ、新たな未来を刻む街として新しさと伝統が見事に調和したTAKANAWA GATEWAY CITY。この地でJR東日本が目指す未来とは――。
「常に新しいソリューションを生み出してはアップデートをしてスパイラル状に日本や世界を良くしていくきっかけとなる街でありたい。まさに国内外の新たな未来への“ゲートウェイ=発信基地”となる、そんな位置づけの街にしたいと思っています」(出川さん) 
夜間には、街を幻想的に演出する照明や噴水のプログラムも実施
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