津田健次郎が低音ボイス封印!? 少女漫画の“爽やか”ヒーローに、普段と真逆のアプローチでどう演じ切った?「正直、無茶だと思いました(笑)」
津田健次郎 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.
完璧男子・クズ・スパダリ…これまで演じたことのなかったキャラクターに挑戦
津田健次郎 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.
しかし『津田健次郎53歳、少女漫画のヒーローやるってよ。』では、高校生からチャラ男など、これまで津田が演じたことがなかったキャラクターに声を当てた。
「こうした企画にチャレンジさせてもらえたことはとてもありがたかったですね。でも正直僕は、あまり声質の幅が広いタイプではなかったので、無茶だなと思いました(笑)。高校生もいましたからね。あとは漫画原作ものや恋愛ものなども、ほぼやってこなかったので、なかなかレアな体験でした」
しかも今回の企画は30秒~40秒のPVのため、ストーリーラインがしっかりとあるものではなく、キャラクター重視のシチュエーションが続く。
「非常に難しかったです。これまでのアニメーションは、ドラマで見せていくものがほとんどですが、今回の企画は漫画作品とかキャラクターの面白さを瞬時に表現しなければいけない。その部分は面白さでもあり難しさでもありました」
自身の特徴である「圧」をなくす…“爽やか高校生”をどう演じた?
津田健次郎 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.
「過去の作品を観ていただけると分かると思いますが、基本僕が演じるのは濃いキャラクターが多い。爽やかじゃないじゃないですか、僕の声って(笑)。だからこそ演じるキャラクターに高校生がいると知ったときはびっくりしました。なかなかすごいことをやるんだな…と(笑)」
自分の特徴とは真逆と思えるような「爽やかな高校生」。どのように演じ切ったのだろうか――。
「一番は圧をなくすことですね。つまり普段僕がやっていることと真逆のアプローチ方法。線を細くすることを意識して…。間違ってもドスが効いてしまってはいけない。お腹の底からしゃべらないようにというのは意識しました。すごく楽しかった半面、あまり期待をしないで、そういう今までの僕とは違うチャレンジをツッコミながらも楽しんでいただければ(笑)」
「どれも面白かったのですが、『恋せよまやかし天使ども』の世界観は良かったですね。あとは、『沼すぎてもはや恋』は、僕があまりやったことないキャラクターですが、異常にシャイなのに口が悪いみたいな、ちょっと屈折している感じは、少しだけなじみがある感じでやりやすかったです」
【完璧男子:一刻】
恋せよまやかし天使ども
(画像提供:パルシィ)【推し:内海奏】
内海くんの恋のうた
(画像提供:パルシィ)【ツンデレ男子:狼谷柊斗】
沼すぎてもはや恋
(画像提供:パルシィ)
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【クズ男子:佐成航生】
いっそあなたがトドメを刺して
(画像提供:パルシィ) -
【天然優等生:北原】
たまらないのは恋なのか
(画像提供:パルシィ)
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【年上後輩男子:火賀大和】
二十と成獣
(画像提供:パルシィ) -
【スパダリ:橘郁斗】
おくれまして青春
(画像提供:パルシィ)
声と生身の人間、“演じ方”に違いを感じているのか?
津田健次郎 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.
「恋愛もの、しかもラブコメ…。元々舞台をよくやっていたころはコメディには挑戦していたのですが、まさか連続ドラマでやらせていただくとは思ってもいませんでした。本当に出演させていただけてありがたかったです。反響もすごく大きくて、いろいろなところで『ドラマ観ています』と言っていただきました。特にお子さんが楽しんでくれていたようで、それも嬉しかったです」
声優としても俳優としても、作品に引っ張りだこの津田。常に「呼んでいただけることが本当にありがたいです」と謙虚な姿勢を崩さないが、演じる上で声と生身の人間では違いを感じているのだろうか――。
「演じるという意味では、自分のなかで大きな違いは感じていないんです。役への道筋もそこまで変わらない。もちろん、台本の書かれ方が違うなどはありますが、そのキャラクターになるという意味では、根幹はあまり変わらないです。アニメ、実写というよりは、作品による違いですかね。日常的な作品とファンタジックなものでは、同じ声優でも演じ方は変わってくるので」
ジャンルを問わない“表現”への飽くなき探求心…津田健次郎のこれからとは
津田健次郎 撮影:草刈雅之(C)oricon ME inc.
「基本欲張りなんです(笑)。興味を持ったら体験してみたいと思ってしまう。そしてやるなら、がっつりやらないと気が済まない(笑)。もともとボーダーを引いてしまうのが好きじゃないんですよね。声優なんだから声の仕事しかダメとか、逆もありますよね。でもいまの時代、ボーダレスじゃないですが、やりたいと思ったらどんどんやればいいと思うんです。僕自身、運が良くていろいろなことに参加させてもらっていますが、これからもその姿勢は貫いていきたいです」
そうした表現の一つにラジオDJも入っている。津田は、昨年4月からTOKYO FMにて『津田健次郎 SPEA/KING』をスタートしたが、もうすぐ1年を迎える。
「楽しいです。自分の言葉でしゃべるというのはなかなかない機会ですからね。リスナーさんとの交流も、どこかアナログな感じで好きなんです。以前ラジオのスタッフさんから『ラジオはマスに向けたメディアであるけれど、とても個人的なメディアなんです』と聞いたのですが、まさにそうだなと。ずっと続けていけたらいいですね」
「今回の企画でなにか新しい扉が開くかもしれません」と語った津田。
「少女漫画で、胸キュンというジャンルをやる機会をいただけたことはとても感謝しています。これまで僕のことを知っていた方は、もしかしたら『爽やかもいけるじゃん!』と思っていただけたら嬉しいですし、初めて僕のことを知っていただく方には、イメージに合っているかどうかは別として、おおらかな気持ちで生ぬるく見守っていただけるとありがたいです」とコメント。
さらに津田は「この企画を通して、『この漫画面白そうだな』とか『こんな面白いキャラクターがいるんだ』と作品に触れるきっかけになってもらえたらいいなと思っています」とメッセージを送った。
(取材・文:磯部正和 撮影:草刈雅之)
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