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野田愛実、YouTube総再生回数が8,000万再生を超える現代の“歌姫” 話題の“托卵”ドラマ主題歌に込めた想いと描く未来「聴いてくださる1人1人が主人公になれるような歌を」
「私だったらどんな曲でこのドラマに寄り添えるか…」主題歌への想い
野田愛実 驚きとともにうれしさでいっぱいでした。小さい頃からドラマが大好きで、『私だったらどんな曲でこのドラマに寄り添えるかな』という視点で観ることも多かったです。特に木曜劇場は夢中になって観ていたドラマがたくさんあるので、お話をいただけて本当に光栄でした。
──“托卵”をテーマにしたドラマに楽曲を提供する上で、どんなことを考えられましたか。
野田愛実 難しいテーマですよね。主人公・美羽のしたことは決して肯定できないですし、楽曲も綺麗事として描くのは違うなと考えました。それでも“たった1つの大切なもの”を守るために至った彼女の選択を、楽曲で抱きしめてあげたい…と思ったんです。悲劇のヒロインみたいに自己陶酔せず、誰かを傷つけるかもしれないことも覚悟を持って受け止める。そうした主人公の決断が楽曲でも伝わるように、言葉1つ1つに気をつけながら書きました。
──特に思い入れのあるフレーズは?
野田愛実 歌い出しの【何故 人は叶わなかった夢に執着してしまうの】という歌詞は、主人公だけでなく周りの人物たちにも当てはまるものですし、もっと言えば誰もが感じたことがある気持ちなのではないかなと思います。私も長い間、音楽活動をしてきた中で“もう諦めよう”と思ったことは何度もあって。それでも諦められなかったのは、やっぱり“執着”なのかなと思ったりもします。
──野田さんが守りたい「たった1つの大切なもの」、それはやはり音楽なのでしょうか。
野田愛実 よく『デビューまで時間がかかって苦労されましたね』と言われることもあるんですが、自分ではあまり大変だったとも感じていないんです。誰かを傷つけるかどうかは別にして、音楽とともに生きていくためにはなんだってできますし、そういう意味では私自身の決意を込めた歌にもなりましたね。
中学生で作詞作曲を開始、上京してからは下北沢のライブハウスで活動を
野田愛実 おじいちゃんが演歌が大好きで、私も2、3歳の頃には町のカラオケ大会みたいなステージで歌っていました。自分が歌うことで周りの人たちが喜んでくれるのが子どもながらにうれしくて、“歌う人になりたい”という気持ちはその頃に芽生えたのかなと思います。中学生頃からギターで作詞作曲するようになって、大学で上京してからは下北沢のライブハウスを中心に活動してきました。
──オリジナル曲は300曲以上あると伺いました。一方で数年前よりYouTubeでカバー曲に取り組み始めたのは、どんなきっかけだったのでしょうか。
野田愛実 コロナ禍でライブができなくなったことが大きかったですね。自分は何者なのかがわからなくなってしまって──。“そもそも私は何がしたかったんだろう?”と自分を見つめ直した時に、やっぱり“歌を歌いたい”というところに行き着いたのが投稿を始めたきっかけでした。
野田愛実 あの時はびっくりしましたね。indigo la Endさんの楽曲をカバーしたのをご覧になってくださったみたいで。indigo la Endさんの『邦画』にはコーラスで参加させていただくというご縁もできました。
──数多くのオリジナル曲がありながら、カバー曲で注目されたことについては、どんな心境でしたか?
野田愛実 最初は“聴いてもらいたい”という気持ちから、多くの方が知っている楽曲のカバーを始めたというのが正直なところです。ただカバーへの取り組みを通して、改めて“自分の声の特徴”を捉えることができたというか、すごく勉強になったんです。オリジナル曲には比較対象がないですから、自分の歌いやすさや癖だけで歌ってしまってもいいんですよね。だけどカバーをするなら原曲へのリスペクトは欠かせないですし、その上で自分の歌声も生かしたい。そうしたたくさんの試行錯誤が、シンガーとして大きな財産になったと感じています。
「私はごく普通の人間。聴いてくださる1人1人が主人公になれるような歌を歌っていけたら…」
野田愛実 新たな転機になったんじゃないかというくらい、鮮烈な経験になりましたね。けっこう広い会場だったこともあり、最初は“海外の方が私のライブに来てくれるんだろうか?”と不安でいっぱいだったんですが、ステージに上がった瞬間、ものすごい熱狂的な声援で迎えてくださって。バラードを歌っても『フー!』みたいな(笑)。あと驚いたのが、みなさんライブに集中してくださってはいるんですが、同時にスマホでどんどん撮ってリアルタイムでSNSに投稿されるんですよ。
──それは海外ならではのライブ文化かもしれないですね。
野田愛実 ライブ中のスマホ撮影にはいろんな意見があるとは思いますが、SNS投稿が勉強になったことも事実です。言葉がわからない分、この楽曲のこういうパフォーマンスが喜ばれているんだ、といったことが投稿される動画で鮮明にわかるんですよね。中国で学んだことを日本のライブでも生かしてみたところ、古くからのファンの方もすごく驚かれて。『指先まで神経が研ぎ澄まされるようになった』とおっしゃってくれた方もいました。
──もっと海外でライブをやりたいという気持ちは高まりましたか?
野田愛実 最近になって様々な国の方々と音楽でコミュニケーションを取れたら、という気持ちが芽生えてきました。ただ国内でもまだまだ立ってみたいステージはあって、いつか武道館でワンマンライブをするのが夢です。
──今後、さらなる活躍が期待されますが、野田さんご自身はどんなアーティストでありたいと願っていますか。
野田愛実 私はごく普通な人間なんです。アーティストさんには個性的な方が多いですし、昔はそれがコンプレックスだったんですが、最近はその“普通さ”も受け入れられるようになりました。多くの方が感じる喜びや痛み、悲しみを私も同じように感じていて。ただ、その感情を上手に表に出せない方もたくさんいると思うんですね。それを私が音楽で代弁することで、聴いてくださる1人1人が主人公になれるような歌を歌っていけたら──。そんなアーティストがいてもいいのかなと思っています。
(取材・文/児玉澄子)
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