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【コミックシーモア】『きみの継ぐ香りは』ドラマ化にマンガ作者・小川まるにの思いは? あらすじ・ストーリー・結末も語る!
PROFILE 原作者 小川まるに
2020年にデビュー。初の連載作品『花嫁未満エスケープ』は2022年に実写ドラマ化された。連載二作品目の『きみの継ぐ香りは』は2023年より連載開始。こちらも実写ドラマ化され、2024年11月から放送開始。現代の女性の悩みに寄り添った作品に共感の声多数。
この記事をざっくりまとめると…
・ドラマ『きみの継ぐ香りは』を原作者はどう見た?
・ドラマ制作側との思いの共有、ラブストーリーであり家族の物語
・頭でっかちに多様性を考えるのではなく、大切な人に幸せになってほしい
・ドラマ『きみの継ぐ香りは』を原作者はどう見た?
・ドラマ制作側との思いの共有、ラブストーリーであり家族の物語
・頭でっかちに多様性を考えるのではなく、大切な人に幸せになってほしい
<目次>
●『きみの継ぐ香りは』とは?
●韓国ドラマの影響も? 商業コミックの「こういう題材はあまり読まれない」を覆す
●ドラマ制作側とも意見が合致、「生きづらさを抱えている人に寄り添いたい」
●応えられない好意…「嫌なやつ」と思われても「実は多くの方が共感できるキャラクター」
●「多様性」を頭でっかちで考えるのではなく、大切な人の幸せを願う“当たり前”のこと
●『きみの継ぐ香りは』とは?
●韓国ドラマの影響も? 商業コミックの「こういう題材はあまり読まれない」を覆す
●ドラマ制作側とも意見が合致、「生きづらさを抱えている人に寄り添いたい」
●応えられない好意…「嫌なやつ」と思われても「実は多くの方が共感できるキャラクター」
●「多様性」を頭でっかちで考えるのではなく、大切な人の幸せを願う“当たり前”のこと
■『きみの継ぐ香りは』とは?
「大好きなモネが自分の知らない男と結婚した」人生最悪の日を迎えた広瀬桜(20)は、そんな日に最高の宝物を授かった――。15年後、宝物である息子・トオキは高校生になり、親子2人で普通だけど幸せな日々を過ごしていた。ある日、トオキが連れてきた彼女・叶は、桜の大好きだったモネとそっくりな女の子で、しかも二人の思い出の金木犀の香りをまとっていて…!? 親子の穏やかな日々が少しずつ変わっていく――。桜からトオキへ、2世代にわたって継がれる恋の行方は…!?『花嫁未満エスケープ』の小川まるにが紡ぐ、どこにでもある“普通”の幸せを願う親子の物語。
「大好きなモネが自分の知らない男と結婚した」人生最悪の日を迎えた広瀬桜(20)は、そんな日に最高の宝物を授かった――。15年後、宝物である息子・トオキは高校生になり、親子2人で普通だけど幸せな日々を過ごしていた。ある日、トオキが連れてきた彼女・叶は、桜の大好きだったモネとそっくりな女の子で、しかも二人の思い出の金木犀の香りをまとっていて…!? 親子の穏やかな日々が少しずつ変わっていく――。桜からトオキへ、2世代にわたって継がれる恋の行方は…!?『花嫁未満エスケープ』の小川まるにが紡ぐ、どこにでもある“普通”の幸せを願う親子の物語。
韓国ドラマの影響も? 商業コミックの「こういう題材はあまり読まれない」を覆す
小川まるに 少し前に見学させていただいた撮影現場の雰囲気がとても良くて、素敵なドラマになりそうだなと思っていましたが、想像以上に素晴らしかったですね。映像が本当に優しくてあたたかくて、私が原作で大切にしてきたことをきちんと汲み取ってくださったことをうれしく思いました。
──主人公の桜を演じる星野真里さん、その初恋の相手である萌音を演じる加藤ローサさんについてはいかがでしたか?
小川まるに お2人に決まったと伺った時点で「ぴったり!」とうれしくなりました。桜のまっすぐで少し不器用なところだったり、萌音の誰もが恋してしまうような明るくて素敵な笑顔だったり。星野さんもどこかのインタビューで「(加藤について)萌音がコミックから飛び出してきたみたい」とおっしゃっていましたが、原作を読んでくださった方ならきっと同じような感想を持たれるんじゃないかなと思います。
──小川先生にとっては長編デビュー作に続く2作目の実写化です。先生のどんな作風がドラマ制作者に“刺さる”のだと自己分析されますか?
小川まるに 特にドラマ化を意識して描いているわけではないのですが、本作は韓国ドラマに背中を押されたところがありました。最近、韓国ドラマをはじめ、エンタメ業界では異性同士だけじゃない恋愛を描いた作品がとても増えています。もともと女性同士の恋愛ものを描きたいと思っていたのですが、少し前まで商業コミックの分野では、「こういう題材はあまり読まれない」として断られることも多かったんですが、時代が変わりつつあるのを感じていて。シーモアコミックスの
ドラマ制作側とも意見が合致、「生きづらさを抱えている人に寄り添いたい」
小川まるに それともう1つ、これは国内のドキュメンタリーなんですが、お互い子連れでパートナーになった女性同士のカップルのエピソードを見まして、お子さんたちがごく自然に“2人のママ”の関係を受け入れていることに感銘を受けたんです。これからの時代の家族のあり方というか、親のセクシャリティも含めて親子で会話できるような未来を想像できたのが、本作を描きたいと思ったきっかけでした。
──本作でも、桜の一人息子である高校生の透輝くんは、母親の性志向をごく自然に受け入れている。こうした価値観の世代がこれからの世界を作っていくんだなという希望が感じられました。
小川まるに 一方で、アラフォーの桜や萌音は自分のことなのに戸惑いもあって。自分のセクシャリティに悩んでいる方も、まだまだ多い世の中なのかなと思います。またセクシャリティだけじゃなく、生きていく上で自分はマイノリティ派だからと生きづらさを感じている方は世代関係なくいると思っていて…。ドラマ制作者さん側からは、「生きづらさを抱えている人に寄り添いながら、誰かを好きになることの素晴らしさが伝わるドラマにしたい」とおっしゃっていただきました。私も同じことを考えながら描いてきたので、きちんと意図を汲んでくださったことを本当にありがたく思っています。
──実写化にあたって、先生のほうからドラマ制作サイドに「ここは大切にしてほしい」とお話ししたことはありましたか?
小川まるに わりと早い段階で脚本を見せていただいて、原作を理解してくださっていることがわかったので、特にすり合わせする必要はなかったです。ドラマオリジナルの要素もありましたが、キャラクターについてしっかりと掘り下げてくださっていたので、そこはドラマでどう描いてくださるか楽しみにしています。しいて言えば、このお話はラブストーリーの要素もありつつ、家族の物語でもあるので、どちらかに比重が寄りすぎないようにとはお願いしました。
応えられない好意…「嫌なやつ」と思われても「実は多くの方が共感できるキャラクター」
小川まるに どちらも母親として子どもを宝物のように愛しんでいるという点では、おそらく多くの方に共感していただけるのかなと思います。ただ、初恋をずっと心の中で大切にしてきた桜に対して、その思いを受け止めなかった萌音を「嫌なやつ」と思ってしまった方も、もしかしたらいたかもしれません。だけど、友だちとしては好きだけど、恋愛対象としては見られない。そういう相手に好意を寄せられた時に、どう応えたらいいかという葛藤って、きっと多くの方が経験したことがあると思うんです。
──相手が異性同性に関係なく。
小川まるに はい。好意を否定するのはいけないことだとされがちですが、好意に応えられない側の苦しみもあるわけで。萌音にはそうした難しい感情をすべて背負わせてしまいました。「実は最も多くの方が共感できるキャラクターなのでは?」とも思っていたので、萌音についてはとても考えながら大切に描いてきました。演じるのも難しいキャラクターだと思いますが、ドラマ視聴者さんにも萌音の複雑で繊細な感情が伝わればいいなと思っています。