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「正直、期待してなかった…」期待を上回る完成度で韓ドラ沼民をトリコにした2024年の韓国ドラマ3選【ハングクTIMES Vol.181】

『ソンジェ背負って走れ』(C)CJ ENM Studios Co., Ltd.

ハングクTIMES
K-POP、ドラマ、映画などさまざまエンタメコンテンツが盛り上がり、まさに時代は“第4次韓国ブーム”。現地の最新トレンドや話題のドラマ・俳優、グルメ・ファッション・コスメなど…“今”気になる韓国情報をお届けします!
『涙の女王』や、『私の夫と結婚して』など、前評判の高かった期待作が大ヒットを記録した一方で、今年は、前評判や期待以上のクオリティーで「面白い!」と視聴者を魅了し、ヒットを記録する“うれしいサプライズ”も。本記事では、期待を上回る完成度で韓ドラ沼民をトリコにした2024年の韓国ドラマ『ソンジェ背負って走れ』、『白雪姫には死を 〜BLACK OUT』、『殺し屋たちの店』をご紹介します。

『ソンジェ背負って走れ』

【あらすじ】
過去に不慮の事故に遭い、人生の希望を失ったイム・ソル。偶然つながったラジオでバンド「ECLIPSE」のボーカル、リュ・ソンジェの言葉に救われ、ソルは彼の熱狂的なファンになる。2022年最後の日、コンサートで輝くソンジェを見るも、数時間後突然の彼の訃報に世間は騒然。悲しむソルは、運命に導かれるようにソンジェが生きている2008年にタイムスリップしていて…。

【見どころ】
上半期ラストにドラマオタを超絶夢中にさせた『ソンジェ背負って走れ』。軽めのラブコメと思って気軽に手をつけたら、歴代級の名作やないかい!といううれしすぎるサプライズで、小躍りしていたオタクがここにいます(笑)。こういうサプライズがあるから韓ドラオタはやめられんのですよね…。
視聴率だけを見るとそんなに高くはないんですが、ドラマの台本集は予約販売だけで、3日間で約2万部を売り上げてベストセラー。ポップアップストアは朝の5時から大行列という人気っぷり。SNSでの言及やYouTubeでの反応などをみても、視聴者のハマり度が半端なく深かった作品だったように思います。
本作は、ある日突然生涯を終えてしまった有名アーティストのリュ・ソンジェ(ビョン・ウソク)と、彼の死に絶望した熱狂的なファンのイム・ソル(キム・へユン)が、“推し”を生かすために時間をさかのぼって2008年に戻るタイムスリップファンタジーロマンス。
「またタイムスリップかよ…」とややげんなりしてしまう気持ちは痛いほど分かるんです。筆者も観る前はそう思ってました。ファンタジーが超絶苦手な筆者がまずハマった要因は、主人公を演じるキム・へユン&ピョン・ウソクの没入度高めな演技力!正直この2人の演技力あってこその『ソンジェ背負って走れ』だったと。
筆者は第1話冒頭、ソルが事故で生きる希望をなくして、ソンジェの言葉に救われるシーンでの、キム・へユンの演技が凄まじすぎて、フルマックスで感情移入させられ、一気に心掴まれてしまいました。
あとですね、「推しとの恋」とかもう設定が大優勝すぎませんか…?しかも「推しとの恋」に沸き散らかしていたら、その夢物語をいい意味で華麗に裏切ってくる物語の奥深さ。回を重ねるごとに深まる謎と、練りに練られた何層にも重なったストーリーに、「面白すぎるだろうよ…」と、3話くらいからもうどっぷり沼へ…。
サスペンスの謎は入ってくるわ、号泣展開は待ち受けているわ、まぶしい青春ドラマはあるわで、視聴者をトリコにする脚本に脱帽…!なのに小賢しいことはせず、各所でしっかり笑える“ラブコメ”に徹してるのも本当に良い!
そしてなんといっても、青春のアイコンはもうピョン・ウソクで異論なし!と言いたいほど、ウソク演じるソンジェが輝きを放ちすぎててまぶしいのですよ…。しかもまさかの歌声まで披露してくださっているという…(尊い)。
超絶激甘な瞳でソルを見つめて、「愛してる」、「かわいいな」といったパワーワードの連続に、秒で沼に引きずり込まれ、後半はあまりの破壊力にもうヒィヒィ息切れしておりました(笑)。これまで報われない役も多かったがゆえに、ずっと見たかった“恋するピョン・ウソク”の全てが詰め込まれていて、本当に監督に感謝申し上げたいです(笑)。ときめきを摂取したいなら、2024年マストで観るべき一作です。
▼配信情報
『ソンジェ背負って走れ』
U-NEXT独占配信中

『白雪姫には死を〜BLACK OUT』

【あらすじ】
19歳の2人の少女が残虐に殺害される。あちこちに血が飛び散り、血の海のようになった倉庫で息絶えた少女たちの遺体は見つからなかった。容疑者は彼女たちの友人の少年だが、泥酔していた彼は何も思い出せない。殺したという記憶もないが、殺していないという記憶もなかった。それから11年後、青年になった彼が出所する。全てを忘れて静かに暮らそうとする中、白骨遺体が見つかった。平和な村のどこかに真犯人の悪魔が隠れている…。本当の悪魔は一体、誰なのか?

【見どころ】
2021年の百想芸術大賞で作品賞含む三冠を達成した名作『怪物』以来、個人的に正直コレ!というサスペンスに出会えていなかったんですが、ついにきました…!今年、久しぶりにサスペンスオタたちを熱狂させた『白雪姫には死を〜BLACK OUT』です。
本作は、ドイツでシリーズ累計350万部突破の傑作警察小説を原作に、お酒を飲み過ぎた後、突然2人の友人を殺した罪で殺人前科者になった若者が10年後、その日の真実を暴く過程を描き出す逆追跡スリラードラマ。
閉鎖的な村を背景に、隣人たちが殺人事件をめぐり、これまで隠してきた“醜い本性”が明らかになっていきます。小さい村での“犯人探し”、さらに村の住人誰もが怪しく見えてくる…というもうサスペンス好きにはたまらん展開で、序盤からトリコになってしまいます。ですがね、サスペンスオタほど痛感していることだと思うんですが、なんぼなんでも、一つの事件で14話も満たすなんてことはまぁ難しいわけです。
ですが本作は、重苦しいストーリーの中に一度スカッとする展開が挟まっていて、またラストに向かって衝撃の真実が明かされるという、“緊張感途切れさせねぇぜ?”的な構成になってるのが本当に見事でして。点と点がつながって線になっていく緻密な脚本に、ラストまで本当に無我夢中で駆け抜けてしまう。「賞賛に値する脚本」と、本国サスペンスオタクに絶賛されたのも納得です。
罪を犯した人間はもとより、身勝手な都合で隠蔽しようとする人間の恐ろしさに、はらわたが煮えくりかえるほど怒り狂ってしまうわけなんですが。高校時代の友人たち、近所の隣人たちの利己心と劣等感、裏切りなど、そのどれもが遠い話じゃなくって、どのコミュニティにも“あり得ない話”じゃないのがまた本作の恐ろしいところ。
重苦しい展開は続くけれど、結局は人の善意や後悔が事件の糸口になっていたり、どんなに裏切られても踏みにじられても、真実を求めて立ち上がる強さだったりと、人間が持つ“善”の部分が一筋の希望の光になっているのも心が救われます。ハラハラして怒り狂って、スカッとして、そしてラストにはジーンとしてしまうはず。
主演を務めるのは、『ミセン-未生-』に始まり『六龍が飛ぶ』、『ミスター・サンシャイン』など数々の名作に出演し、もう近年はドラマに出るだけで尊いピョン・ヨハン。『サムシクおじさん』に続き、本格サスペンスで主演とか、もうそれだけでワクワクが止まらなかったんですが、やはり序盤から重みあるさすがの演技力…!
それに加えて、これより理想的なキャスティングはないのでは?と思わされるほど、脇を固める助演の方々も神がかり的な演技を披露するので、ど迫力の演技合戦にすっかり魅せられてしまいます。来年の百想芸術大賞俳優部門は本作から何人かノミネートあるのでは?と思うほど、迫真の演技のオンパレードなので、これは見逃してはもったいない!
▼配信情報
『白雪姫には死を〜BLACK OUT』
U-NEXT、Hulu、FOD、ABEMAなどで配信中

『殺し屋たちの店』

【あらすじ】
唯一の保護者だった叔父の突然の死後、ジアンは叔父が残した怪しい店の存在を知ることになる。叔父は何者だったのか、そしてこの店の正体は何なのか。ジアンが立ち直る間もなく、店の倉庫を狙う謎の人々による襲撃が始まる。たった1人で残されたジアンは、果たして彼らを相手に生き残ることができるのか?

【見どころ】
2023年百想芸術大賞の最高賞である大賞を受賞し、業界内でも高評価を獲得した『ムービング』に続き、ドラマオタクたちの中で、「面白い!」と話題になっていたのがディズニープラスオリジナルドラマ『殺し屋たちの店』。まだ観てない方がいたら、全8話と短いので迷わず観ることをおすすめしたいです!今年イチのアクションモノといっても過言ではないほど、ほんとーーーに面白いので!
本作は、唯一の保護者だった叔父ジンマン(イ・ドンウク)が残した“危険な遺産”である、殺し屋御用達の兵器販売店を譲り受けた大学生の主人公・チョン・ジアン(キム・ヘジュン)が、謎の殺し屋たちから自らの命と店を守るため、サバイバルバトルを繰り広げる、スリリングなクライムスリラー。
序盤から血生臭いアクションが続くので、やや戸惑うかもなんですけど、本作は『ムービング』同様、構成が大勝利でして。物語の広がりと奥深さが尋常じゃないんです。なぜジアンが殺し屋たちから命を狙われているのか、叔父のジンマンは一体なぜ死んだのか、ストーリーが進むごとに深まる謎、謎、謎。
次第にジンマンのベールに包まれた過去と、宿敵の存在が明らかになっていくと、各所に散りばめられた伏線が徐々に回収され、細かな仕掛けに感嘆してしまうわけです。そして敵、味方すべての登場人物のキャラが立っている感じ、韓ドラっていうより、米ドラマ『ウォーキング・デッド』を彷彿とさせる感じで、ゾクゾクが止まらない!
誰が敵で誰が味方なのか、予想のつかない展開とバッキバキのアクション、まさかのどんでん返しと、みっっっちり無駄も隙もなく楽しめるのに、全8話なので頑張れば1日で完結するという手軽さも良い!
そしてなんといっても血まみれで闘うイ・ドンウクがかっこよすぎて沼オブ沼。たまにダルダルの服でソファで抜けてる姿も沼。なにしてても大人の色気しかなくて、ガチ恋必至です!!あまりの面白さに、体感“秒”で駆け抜けてしまう、2024年の傑作です。
▼配信情報
『殺し屋たちの店』
ディズニープラス スターで独占配信中
ライタープロフィール
Dramawriter Nana
韓国ドラマをこよなく愛するドラマライター。
WEB媒体を中心に、ラジオ、雑誌等で韓ドラ愛を叫ぶ記事執筆中。Twitterでは推しドラマ愛を暑苦しく配信中。
マニアックで隠れた名作なら任せて下さい。
Twitter:https://twitter.com/Nana_writer76

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