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FRUITS ZIPPERの“NEW KAWAII”が渋谷の街に飛び出した!これってどういう仕組みなの?

FRUITS ZIPPERの“NEW KAWAII”が、渋谷の街に飛び出した!これってどういう仕組みなの?

 渋谷スクランブル交差点を象徴する大型ビジョン。
 そこへ、いつも以上にスマホをかざしている人たちの姿が見られる。

 画面を見ると、FRUITS ZIPPER「NEW KAWAII」の映像に合わせて歌詞やフルーツが渋谷の街に飛び出していた。これは一体、どういう仕組みになっているのだろうか。

渋谷で実現した新たなイマーシブ体験

「Q'S EYE」の映像にスマホをかざすとビジョンから歌詞やフルーツなどが飛び出す

「Q'S EYE」の映像にスマホをかざすとビジョンから歌詞やフルーツなどが飛び出す

 これは、11月11日(月)から17日(日)までの期間限定で行われているFRUITS ZIPPERによる空間体験型プロモーション「渋谷アップデート大作戦!! 飛び出すMVもNEW KAWAIIと思います!!」だ。

 渋谷の「Q'S EYE」や「渋谷駅前ビジョン」などの屋外大型ビジョンに映し出されたFRUITS ZIPPERの映像を、専用のARフィルターで撮影するとビジョンから歌詞やフルーツなどが飛び出す。ファンにも街行く人々にも驚きと楽しさを与えるプロモーション。

■プロモーション概要
タイトル:「渋谷アップデート大作戦!! 飛び出すMVもNEW KAWAIIと思います!!」
実施期間:2024年11月11日(月)〜11月17日(日)
実施場所:Q'S EYE、渋谷駅前ビジョン、TOQビジョン(東急電鉄所属車両)、田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ(田園都市線渋谷駅・B2F)

■「渋谷アップデート大作戦!!」特設サイト
https://fz-shibuya-update-daisakusen.com/
※詳細はこちらをご確認ください。

多くの人が大型ビジョンにスマートフォンをかざして楽しんでいた

多くの人が大型ビジョンにスマートフォンをかざして楽しんでいた

 「すごい!かわいい!」「音に合わせて文字が出てきた!」と映像と連動して文字やグラフィックが画面から飛び出してくる新感覚体験。渋谷に訪れた多くの人たちが楽しんでいる。

渋谷駅前ビジョン」でも体験!

渋谷駅前ビジョン」でも体験!

 実際にスマホをかざし体験している人に声をかけてみると

「今日は鎮西寿々歌さん(FRUITS ZIPPERメンバー)の生誕祭なので、会社を休んで愛知から東京に来ました。ちょうどそのタイミングで今回の取組みをやることも知っていたので、このあと駅地下とかにも行って全箇所体験してきます。推しが飛び出すっていうのも嬉しいですし、渋谷でやるっていうのも、FRUITS ZIPPERのイメージに合っていていいですよね」(20代・男性)と話してくれた。

東急東横線内「TOQビジョン」でも楽しめた

東急東横線内「TOQビジョン」でも楽しめた

 この日はプロモーション初日ということもあり、FRUITS ZIPPERの熱心なファンが多く見られ、同じく会社を休んで京都から来た30代男性も
「今日はこのあと鎮西さんの生誕祭で豊洲に行く予定なんですが、『渋谷アップデート大作戦!!』も東京に来た目的のひとつでした。あまり見ないプロモーションで新鮮だし、できれば大阪でもやってほしいですね」と、熱を帯びて語る。

駅地下「田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ」には、地方から体験しに来ていたファンも多数

駅地下「田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ」には、地方から体験しに来ていたファンも多数

 屋外にある「Q'S EYE」や「渋谷駅前ビジョン」はもちろん、駅地下の「田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ」や、東急東横線内の「TOQビジョン」でもスマホを構え、いまかいまかと待つ人、そしてその光景を見て足を止める人……「渋谷アップデート大作戦!!」のスタートダッシュは見事に成功したと言っていいのではないだろうか。

【動画】「渋谷アップデート大作戦!! 飛び出すMVもNEW KAWAIIと思います!!」の様子

Phygital(フィジタル)体験をより身近に 同プロジェクトの仕掛人たちへインタビュー

左より源河光大氏(東急)、礒谷一平氏(東急エージェンシー)、木村ミサ氏(アソビシステム)、柏原悠佑氏(HACK.IT)

左より源河光大氏(東急)、礒谷一平氏(東急エージェンシー)、木村ミサ氏(アソビシステム)、柏原悠佑氏(HACK.IT)

 街行く人々にインパクトを与えたこのARプロモーションはどのようにして誕生したのか。同プロジェクトを主導した東急エージェンシーの礒谷一平氏、一緒にプロジェクトを進めた東急株式会社の源河光大氏、HACK IT INC.のARクリエイター柏原悠佑氏、FRUITS ZIPPERプロデューサーの木村ミサ氏に話を聞いた。

 いまやリアルな世界とデジタルの世界は切り離せないものになってきた。あらゆるモノがデジタル化していくなか、注目されているキーワードが「Phygital(フィジタル)」だ。

 「Physical(フィジカル)」と「Digital(デジタル)」を掛け合わせた造語で、これまでは物理的にしか体験できなかった製品やサービスを、デジタルメディアやプラットフォームを通じてより豊かに体験することが可能になる。東急エージェンシーはそんなPhygital体験を、より社会に身近にする施策を打ち出したという。

礒谷一平氏(以下、礒谷)「現在弊社では、Business、Technology、Experience、Creativityの4つを軸にした『BTECプロジェクトというものを推進しています。これまでになかった半歩未来のアイデアをβ版(プロトタイプ)という形で世の中に発信していく。というものなのですが、今回その新たなプロトタイプとしてフォーカスしたのが「フィジカル」と「デジタル」をかけあわせた『Phygital(フィジタル)体験』です。

そんな『Phygital(フィジタル)体験』を具現化するBTECプロジェクトの新たな取り組みとして、弊社で管理・運用するTOKYU OOH(渋谷や東急線沿線を中心とした屋外・交通広告)にて、ビジョンに流れる映像と連動した演出がARで飛び出してくるOOHの空間体験型プロモーション『TOQ IMMERSIVE OOH』を企画し、実現に向けて東急株式会社さん、FRUITS ZIPPERさん、HACK IT INC.さんなど様々な方々にお声がけさせていただきました。」

東急エージェンシー・礒谷一平氏

東急エージェンシー・礒谷一平氏

 礒谷「これまではいわゆる「枠」に収まっていたOOH広告が、Phygitalによって、訴求範囲を枠内から「空間体験」へと拡張する。“見る”ではなく“体験する”新たなOOH展開を目指しました

 今回特に注力したポイントとしては、SNS上での2次拡散を促す仕組み作りです。
 飛び出す仕掛けをARで実装したのも、ARは対象物にカメラを向けることが体験のトリガーとなるので、自然な流れでスマートフォンのカメラをビジョンに向けてもらえるのではないかと思いました。(カメラを構えることが体験の入り口となることで、そのまま自然な流れで撮影してもらえるような仕組みを作りました。)

 またこれまでのAR体験の多くは、新規アプリのインストールを必要とするものやクリエイティブの自由度に制限のあるWEBブラウザでの展開が多かったのですが、今回はアプリの新規インストール無しでAR体験できるサービスの活用や、多くの方が日常的に利用しているSNSアプリのAR機能を活用し、気軽にAR体験出来るかつ、撮影から拡散までがシームレスに行える設計にしました。

 プロモーションの舞台に渋谷という場所を選んだのも、OOHを起点とした二次拡散を狙っていく中で、渋谷は「SNSでの拡散力」に長けた若者がとても多いエリアということもあり、今回の施策を実施するには最も適した場所だと考えました。」

 源河光大氏(以下、源河)「渋谷は東急としても一番重要視しているエリアです。人通りが多く、カルチャーが混然としていて、広告の観点から見ても、質・量ともに日本で有数の場所だと考えております。

  そんな渋谷で今回のような大きな施策が動き出すとなると、会社としても手を挙げるべきですし、若年層にファンが多いFRUITS ZIPPERさんを起用するなら、やらない理由がないなと。スクランブル交差点の大きなビジョンから、スマートフォンを通してFRUITS ZIPPERさんが飛び出ることをイメージしたときは、かなりワクワクしました。」

東急株式会社・源河光大氏

東急株式会社・源河光大氏

 そもそも、なぜFRUITS ZIPPERに白羽の矢が立ったのか。もちろん、今年は日本武道館公演を成功させ、流行を掴んでいるグループというのも理由のひとつには挙げられるだろう。

礒谷「実は企画のラフ段階から『NEW KAWAII』の歌詞が映像に合わせてスクランブル交差点に飛び出す! という案を出していました。私が元々 FRUITS ZIPPERさんのファンだったというのもあるのですが……(笑)。

 普段の生活動線上でスマートフォンを取り出してOOHを撮影したくなるような対象は何かを考えたときに、ファンのSNSでの発話・熱量が高いFRUITS ZIPPERさんは施策との親和性がとても高いのではないかと思っていました。

 その為、社内で企画が決まった際は、真っ先にアソビシステムさんにご相談させていただきました…!」

木村ミサ氏(以下、木村)「嬉しいです。FRUITS ZIPPERも新しいモノ、コト自体好きで、ぜひやってみたいなって思ったのと、ファンが20代前半の方が多いっていうのもあって、渋谷という街とも相性が良く、拡散してくれると思いました。

 メンバーも今からどんな仕上がりになるか気になっている様子でした。」

FRUITS ZIPPERプロデューサー・木村ミサ氏

FRUITS ZIPPERプロデューサー・木村ミサ氏

新しい体験がもたらす未来

 その「仕上がり」について、コンテンツを動かす部分を担当したHACK IT INC.の柏原氏が語ってくれた。これまでにも、ナショナルクライアントからの依頼で数多くのAR制作を担ってきた、いわばARのスペシャリストだ。

柏原悠佑氏(以下、柏原)「OOH(※)と合わせることは弊社としても初めて取り組んだことで、まだ(取材時)検証段階の部分はいくつかあるんですけど、規模としては大きくチャレンジしがいのあるお話でした。

 今回、Googleの位置情報とGoogleマップの一部分を表す画像データから情報を読み取りプロモーションを実現させています。」※OOH…Out Of Homeの略。家庭以外の場所で展開する広告の総称

HACK IT INC.・柏原悠佑氏

HACK IT INC.・柏原悠佑氏

礒谷「最初のご相談時は実現・実装方法から模索している段階だったのですが、柏原さんのお力添えもあってスピード感早くここまで来ることができました。」

柏原「ARと一口に言ってもプラットフォームはいろいろあり、今回は多くの人に体験してもらうために、Adobeの『Aero(エアロ)』を採用しています。

 専用のアプリをダウンロードしなくても、1日だけアプリが使えるような状態になる仕組みで、スマートフォンがあれば手軽にARが体験できるようになっています。」
  • 実際に渋谷で流された映像にスマートフォンをかざしてAR体験

    実際に渋谷で流された映像にスマートフォンをかざしてAR体験

  • スマートフォンの方では「NEW KAWAII」の文字が飛び出しているのがわかる

    スマートフォンの方では「NEW KAWAII」の文字が飛び出しているのがわかる

礒谷「いわゆるユーザーがアプリをインストールせずに利用できる『AppClips』、『インスタントアプリ』というサービスでして、そのときだけAR機能が使えるようになる手軽さがあります。

 アプリを一回一回ダウンロードすることに抵抗があるユーザーにも、違和感なくスムーズに使っていただけるのではと思っています。」

企業タイアップ、アニメ……『TOQ IMMERSIVE OOH』の可能性は無限大

 ちなみに、今回の展開は渋谷を中心としたOOH計4箇所で行われた。渋谷スクランブル交差点から自然と目に入る「Q'S EYE・渋谷駅前ビジョン」、東急田園都市線ハチ公口改札口付近の「田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ」、東急線の車内ビジョン「TOQビジョン」だ。こうした場所の決定に至るまでは、さまざまな調整があったようだ。

源河「渋谷というエリアは、結構広告で何でもできるんでしょうって思われがちなんですけど、その逆で、とくにスクランブル交差点周辺については、利用者の安心・安全が第一になっているので、バランスを取りながら広告施策を行う事のハードルは意外と高いんです。

 ただ、先ほどもお話しましたが、それでも今回やるべき施策と思っていたので、関係各所とはしっかりとした話し合いを経て行うことができました。」

渋谷駅を中心に4箇所でARが飛び出す

渋谷駅を中心に4箇所でARが飛び出す

礒谷「実現に向けて、本当に色々と各所調整していただき…ありがたいです(笑)。

 ちなみにスクランブル交差点の『渋谷駅前ビジョン』や、電車内にある『TOQビジョン』、渋谷駅の中にある『田園都市線渋谷駅ビッグサイネージ』には細かいギミックがあって、通常だといずれも音が出ない媒体なのですが、今回のこれらを専用のARフィルターで撮影すると、『NEW KAWAII』の映像に合わせて楽曲も聴けるようになっています。」

 流れるコンテンツについては、「NEW KAWAII」のミュージックビデオに加えて、FRUITS ZIPPERによるオリジナルの告知映像があるということで、「わざわざ足を運んで渋谷に行くべき理由」が詰め込まれている。。

木村「“推し”がいる人がよくやるのは『メンバーの真似をする』こと。SNSに投稿された写真と同じ角度で撮影するとか、ファン心理としてすごい根強いのかなと考えていて。FRUITS ZIPPERのメンバーも投稿してくれると思うので、ファンの方もそれを真似して、ハッシュタグをつけたりして拡散させてほしいですね。

礒谷「FRUITS ZIPPERさんのファンの方々をはじめ、街中やSNSなどでこの施策を目にした多くの人に楽しんでもらえる、新たなカタチの体験型プロモーションになっていると思うので、是非渋谷での「NEW KAWAII体験」を撮影して、SNSから世界へ発信してもらえると嬉しいです!」

今後の展望を語ってくれた礒谷氏

 最後に、礒谷氏は今回実施したOOHの空間体験型プロモーションを、今後はさまざまなジャンルの広告展開に活用していきたいという展望を語ってくれた。

礒谷「今回、BTECプロジェクトの新たなプロトタイプとして開発した『TOQ IMMERSIVE OOH』を活用し、『渋谷アップデート大作戦!!』を実施させていただきました。

 今後としては、今回のプロモーションを実現する中で得た制作に関する様々な知見と、TOKYU OOHを管理・運用する弊社ならではのシームレスな進行力を武器に、アニメや映画、音楽などのエンタメコンテンツをはじめ、その他『TOQ IMMERSIVE OOH』や、『渋谷』の街と親和性の高い、多くの商品でのプロモーション展開を実施していければと考えています。」

今回の取り組みについてのリリース
https://www.tokyu-agc.co.jp/assets/img/page/news/2024/release20241105.pdf

FRUITZ ZIPPER 2ndシングル「NEW KAWAII」

  • FRUITS ZIPPER

FRUITS ZIPPER
アソビシステムのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」より2022年4月にデビューしたアイドルグループ。グループ名は、 「実を結ぶ」という意味を持つFRUITに、「元気を与える」という意味のZIPを組みあわせ、FRUITS ZIPPERと命名された。 「原宿から世界へ」をコンセプトに、多様なカルチャーの発信地、個性の集まるファッションの街“原宿”から「NEW KAWAII」 を発信している。 現在グループ初となる全国ホールツアー開催中、2025年2月にはグループ初となるファンクラブZeppツアー、6月3日(火) にはさいたまスーパーアリーナでの3周年記念公演を開催予定!

FRUITS ZIPPER 公式
https://fruitszipper.asobisystem.com/
2ndシングル「NEW KAWAII」
https://kawaiilab.lnk.to/NEWKAWAII
Sponsored by Tokyu Agency

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