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A.B.C-Zの戸塚祥太、約4年ぶりアルバムで“新たな青春の始まり” グループと自身の見据える未来を語る

 A.B.C-Zが、約4年ぶりのアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』を8月21日に発売した。本作を「名盤」にして「新たな青春の始まり」と自信を滲ませる戸塚祥太に、A.B.C-Zと自らの見据える未来について聞いた。

アルバム全体がスタイリッシュになっても成立する、それがすごく自信に繋がった

──約4年ぶりとなるアルバムですがいかがですか?

戸塚祥太 ファンの皆さんには、本当にお待たせしましたという気持ちですが、個人的にこのアルバムを世に出せることがすごくうれしいです。そして名盤と断言してもいいくらい、ボリュームがあって、どの楽曲も際立ってカッコいい。僕たちのアルバムにはフックというか、どこかに「?」要素を入れなきゃいけないのかなと思っていたんですよ。だけどこれだけスタイリッシュにやりきっても成立する、それがすごく自信に繋がりました。

──たしかに先行シングル「君じゃなきゃだめなんだ」から、新体制のA.B.C-Zへの期待は高まっていました。スケール感のある哀愁メロディーに華麗なダンスフォーメーションと、昨今、世界的に注目されている昭和歌謡テイストが盛り込まれた楽曲に、本気を感じた人は多かったのではないでしょうか。

戸塚祥太 その雰囲気は「君の隣で目覚めたい」でも味わってもらえると思います。メロディーは王道だけど、トラックは今時でハイブリッド歌謡というんですかね。それこそ時代は変わるけれど、こういうメロディーは日本人の心にずっとあり続けると思うし、自分たちの先輩方が脈々と紡いできたそのメロディーに、このタイミングで改めてしっかり取り組ませてもらったことは、大きな意義がありました。

──タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか。

戸塚祥太 “for〜”で誰かに届けたいという意思を込めつつ、ドットやハイフンの配置にA.B.C-Zぽさが表現できていると思います。あとスペルは違うけれど、“フォー=4”にかけたところもあるかも。個人的には、ストレートに想いを伝えているセンテンスのサブタイトルが気に入っています。収録曲も全体的に言葉の力が詰まった楽曲が多いです。──約4年ぶりとなるアルバムですがいかがですか?

8月末からのツアーは約1ヵ月と短い、個人的には延長戦したいくらい

──戸塚さんが特に言葉の力を感じた楽曲は?

戸塚祥太 「宇宙旅行」は、歌っていて自分自身がすごく励まされるんですよ。ライブを意識した楽曲ですが、<まだ見ぬ景色を君に見せてあげる>という歌詞に、自分たちは“景色”を見せる側なんだ、見せてもらう側じゃないんだと、改めて気付かされました。

──「宇宙旅行」はファンキーなディスコナンバーで、ライブ映えもしそうですね。

戸塚祥太 皆がノリノリになっている光景が浮かびます。自分たちがその次元まで連れていってあげなきゃいけないですね。励まされるという意味では、「じゃないほう讃歌」は多くの人に届けたいメッセージが詰まった楽曲で、<自分のマイクだけは譲らない><突き進むしかない>という歌詞は、今の自分の思いとシンクロしてグッと来ます。

──サブタイトルに“踊りたい”と銘打っているように、全体を通してパフォーマンスが楽しみな楽曲が多い印象です。

戸塚祥太 そうなんです。スローなバラードは1曲も入ってなく、テンポの強弱はあれど、この1枚でライブが成立するくらい体を動かしていられるアルバムになりました。なかでも「宇宙旅行」からの「拝啓 今日を共に生きる貴方へ」、「ダレモガナイモノネダリ」の並びは、個人的に胸熱です。

──アップテンポかつドラマティックな展開の「拝啓 今日を共に生きる貴方へ」に、ジャジーでシアトリカルな「ダレモガナイモノネダリ」と、まさにA.B.C-Zの真骨頂ですね。

戸塚祥太 ライブもできたらこの流れでやりたいくらいです。最高のアルバムができて、ツアーが約1ヵ月というのも短いなと。個人的には延長戦したいくらいです。

メンバーが充実して幸せだったら、それが一番

──新体制後、初のアルバムですが、A.B.C-Zの現在地をどう見ていますか?

戸塚祥太 僕自身はメンバーそれぞれが好きなことにまっすぐ取り組み、個の力を強めていくことを今は第一優先にしたいです。塚田くんの塚☆リカもそうだし、五関(晃一)さんはゲーム関連の仕事、橋本(良亮)くんはやっぱり歌が好きなんだなと、アルバムを作りながら改めて思いました。

──戸塚さんが個の力を強めるとしたらどんなことですか?

戸塚祥太 コンテンポラリーダンスに向き合えたらなと思うこともあります。イスラエルのオハッド・ナハリンという伝説的な振付師のカンパニー「バットシェバ舞踊団」の椅子を使ったダンスが好きで。いつかその領域に到達したいと思って、亀のスピードで取り組んではいます。いつかダンス留学もしてみたいけど、今はちょっと難しいかな。何よりメンバーが充実して幸せだったら、それが一番です。

──本作でもソロ曲「月に行くね、光の連続」で作詞作曲していますが、制作の背景を教えてください。

戸塚祥太 昨年12月21日に自分たちの1つの青春が終わったんですよね。その翌日から新しい青春が始まった。その時期に考えたりメモしたことが、歌詞に反映しています。月って距離があってパワーは必要だけど、人は確実にそこまで到達している。それくらいのことをこの4人でやり遂げたいという想いがあります。

社会が一歩でも良くなるために、自分たちの活動をもっと社会貢献に繋げたい

アルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』(通常版)

アルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』(通常版)

──幻想的なトラックに載せてフローとポエトリーリーディングが行き来する、こうしたアイデアはどこから?

戸塚祥太 かなりMOROHAさんの影響を受けていますね。言葉の力がある、あの感じをやってみたかったんです。イメージや言葉にしたいことが明確にあったので、生みの苦しみは特になかったです。自分の中から出てきた大きな塊を彫刻していくように、1曲が仕上がっていきました。

──過去にはA.B.C-Zの楽曲も手掛けていますが、今後さらにという気持ちはありますか?

戸塚祥太 作詞はともかく、作曲はしないと思います。僕の作る曲は、どうしてもその時の自分のトレンドが色濃く出てしまう。初期は確実にBUMP OF CHICKENの影響だったし、最近は洋楽ばかり聴いていて。ただ、そういうテイストをA.B.C-Zでやるのは、また違うと思うんです。グループとしてやるべきことがあって、その責任を負う意味でも、自分の趣味はソロ曲に収めるのがベストなのかなと思っています。

──今年11月には38歳になりますが、40代に向けて取り組みたいことはありますか?

戸塚祥太 自分たちの活動をもっと社会貢献に繋げたいです。表に出て活動するのは責任を伴うもので、自分たちの知らないところで誰かの人生に大きな影響を与えてしまうかもしれない。それを深く考えると怖くなることもあるけれど、ここまで来たらもう受け入れなきゃいけないんじゃないかと思うんです。社会が一歩でも良くなるために、子どもたちの未来が明るくなるために、これからはそういう意識をもっと強く持って活動していきたいですね。

(文/児玉澄子 写真/中村大樹)
(撮り下ろし写真 衣装/ブルゾン:4万9500円税込(meagratia/TEENY RANCH 電話:03-6812-9341)その他全てスタイリスト私物)
◆A.B.C-Z オフィシャルサイト(STARTO ENTERTAINMENT)(外部サイト)
◆A.B.C-Z オフィシャルサイト(ポニーキャニオン)(外部サイト)
◆アルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』詳細について(ポニーキャニオン)(外部サイト)
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