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ファイルーズあい&諏訪部順一&武内駿輔『スター・ウォーズ:アコライト』インタビュー
本作は、「スター・ウォーズ」シリーズを通して最大の悪役であり、「ファントム・メナス(見えざる脅威)」だったダース・シディアス(シスの暗黒卿/パルパティーン)を皇帝とする銀河帝国が誕生する約100年前が舞台。正義の守護者ジェダイが銀河に多く存在し、戦争もなく平和に包まれていたはずの銀河で、ある日、一人のジェダイが殺害されたことから始まる物語。真相を追うために動きだしたジェダイ・マスターのソルはかつて自分の弟子(パダワン)であったオーシャと再会することで、密かに動きだしていた“巨大な闇”の存在が明らかになっていく。
メイ/オーシャ(アマンドラ・ステンバーグ/日本版声優:ファイルーズあい)
ソル(イ・ジョンジェ/日本版声優:諏訪部順一)
ヨード・ファンダー(チャーリー・バーネット/日本版声優:武内駿輔)
初心者でも「スター・ウォーズ」の世界観に夢中になれる作品
諏訪部さて、どうでしょうか?それはご覧になってのお楽しみで(笑)。『スター・ウォーズ:アコライト』は、現時点において、実写作品の中では最も古い時代が舞台なので、「スター・ウォーズ」ビギナーの方にぜひオススメしたいシリーズです。
――ファイルーズあいさんがまさに「スター・ウォーズ」初心者だったんですよね。
ファイルーズ東京ディズニーランドのアトラクションに乗ったことがあって、ずっと気になっていたんですけど…。
諏訪部「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・コンティニュー」は、「スター・ウォーズ」シリーズを観ていなくても楽しめますが、作品世界を知っていれば、より盛り上がれるアトラクションですよ。
ファイルーズすでにたくさん作品があって、どこから手をつけていいかわからなかったんですよね。
――劇場公開作品は全11作品。さらに、オリジナルドラマシリーズやアニメーションシリーズなど、45年以上の歴史の中で多くの作品がありますからね。
武内劇場公開作品は、エピソード4・5・6の後にエピソード1・2・3が公開されたので、公開順に見るか、時系列順に見るか、といった情報が先に入ってくると、戸惑ってしまうかもしれないですよね。
諏訪部「ジェダイ」や「シス」がどういったものなのかなど、『アコライト』を見ると「スター・ウォーズ」の雰囲気がなんとなく理解できるのではないかと。その予習知識を持って既存の映画をご覧になると、作品の世界に入りやすいと思います。そしてズブズブと沼にハマっていくことでしょう。魅力的な登場人物もたくさん登場しますしね。推しが必ず見つかると思いますよ!
武内『アコライト』ではライトセーバーを使ったバトルとか、「スター・ウォーズ」らしさの一端が一気に楽しめる側面があるので、改めて「スター・ウォーズ」の世界に触れ直したいという気持ちになりますね。
――「スター・ウォーズ」世界に足を踏み入れて、いかがでしたか?
ファイルーズおふたりがおっしゃったように、初心者でも世界観に夢中になれる作品ですし、「スター・ウォーズ」を追い続けていたコアなファンの人もびっくりするような、絶対に満足いただける作品になっていると思います。
ダークサイドに陥らないように…それぞれの対策は?
諏訪部何を言ってもネタバレになりそうなので、自分からは何も言えないですね(苦笑)
ファイルーズそうなんですよ。正義と悪って、見方によっては正反対になり得るんだな、って思いました。メイとオーシャも単純な陰と陽ではない、ということだけはお伝えしたいです。
諏訪部誠実で、ジェダイとしての能力も高いソルは、周囲の人たちから尊敬と信頼を得ている人物です。けれど劇中、何とも言えない複雑な表情を見せるんですよね。その理由が、ストーリーが進むにつれ明らかになっていきます。イ・ジョンジェさんが丁寧に繊細に演じられたソルに合わせ、自分も心情を表現していきました。先々どういう展開になるかは、最初から伺って吹替収録に臨んだので、気持ちの作りに齟齬はありません(笑)
武内ネタバレになっちゃうかもしれないんですけど、ヨードはシンプルに演じられるキャラクターでした。ジェダイとしての誇りをもった真面目で勤勉なジェダイ騎士(ナイト)です。若さゆえに自分の意見を押し通そうとして、マスター・ソルになだめられることもあったりする学生らしいキャラクターでもあります。同じくソルのパダワンで、一緒に事件を追うジェキ(演:ダフネ・キーン/日本版声優:M・A・O)とは優等生同士ゆえの見えない壁、ちょっとした方向性の違いがあって、2人の人間関係はすごく現実的だと思いました。そんな2人のやりとりは時にコメディっぽくも映る。演じていて楽しいキャラクターでした。
諏訪部序盤はオーシャとソルを中心に話が進んでいきますが、そこから先はどうなるのか…… まぁ、すべては見てのお楽しみということで(笑)。
ファイルーズマスターが鍵を握っていると思うんですよね。マスターをマスターたらしめるものはなんなのか、マスターとはどんな存在なのか。メイが行動を起こした理由にも深くかかわっているソルの過去に注目してもらいたいです。
諏訪部これまでのシリーズでも、登場人物たちの心の葛藤が様々描かれてきましたが、『アコライト』でもその中心にしっかりと人間ドラマがあります。まぁ、強いて言うならば、既存作品のオマージュがあちこちにちりばめられていますので、それに気づいた方はぜひニヤニヤしていただきたいですね。あと、ライトセーバーの描写も見逃せないポイントがあると思いますよ。
武内戦闘シーンも実践的で、「スター・ウォーズ」の世界観がより現実的になっていると感じました。“血で血を洗う戦い”のような生々しさもあるのでお楽しみいただければうれしいです。
武内ジェダイ・マスター的な手本とすべき方たちですね。仕事をしていく中で、迷ったり、一人よがりになってしまったりすることもある中で、その時の自分にとっては耳の痛い話もちゃんとしてくれたり、こういう考え方もあるよ、こうすることもできるよ、とアドバイスをくれたりする方が身近にいてくださるので、ダークサイドに陥りそうになっても引き戻してもらっているように思います。いざとなったら助けを求められる師匠、先輩、友達、仕事仲間といった存在は大事だと思います。諏訪部さんもそのおひとりです。
ファイルーズ私はペットですね。もし私が心折れて仕事をやめてしまったら、ペットを養っていけなくなる。この子たちを守れるのは私しかいない、という責任感が私を強くしてくれます。今回のアフレコで言うと、バジルというキャラクターがいるんですけど(第4話に初登場)、それがもうかわいくて、バジルが画面に映ると「きゃわいい〜」って癒されるんですね。メイやオーシャが苦境に立たされると、こちらも苦しくなってくるのですが、バジルを見るとほほが緩んで、アフレコ頑張ろう、って励まされていました。
諏訪部日々多くのみなさんから頂戴する、自分の仕事についてのご感想や応援のお手紙、メッセージにはエネルギーをもらっています。あと、旨いメシと旨い酒ですね。それでしっかりリフレッシュできます。責任感を持って仕事と向き合い、ずっとライトサイドで頑張っていきたいと思います!