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「ウイスキーのアルコール度数」はどのくらい?初心者でも楽しみやすい飲み方を紹介

ウイスキーに初挑戦したい時、結構気になるのがアルコール度数。アルコール度数によって飲みやすさや酔いの早さも変わってくるので、できるなら事前に知っておきたいところ。
しかも、ウイスキーは一般的にアルコール度数が高いイメージのあるお酒のため、実際のところどれくらいのアルコール度数なのかは飲む前に知っておきたい人も多いだろう。

そこで今回はウイスキーのアルコール度数について解説する。さらには、ほかのお酒とどれくらい度数が違うのか、どうやってウイスキーが造られているのかなどの豆知識もまとめているので、少しでも興味がある人はぜひチェックしてほしい。

ウイスキーなどのお酒の「アルコール度数」って何?

ウイスキーのアルコール度数を知る前に、そもそも「アルコール度数」とは何なのかを解説する。

酒税法では「アルコール分とは、温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいう」という旨が規定されており、それを言い換えれば「お酒に含まれるアルコールの割合」といえる。
たとえばボトルやメーカーHPなどの表記で40度(40%)とあれば、100ml中に40mlのアルコール分が含まれていると考えていれば間違いない。

「度」と「%」の違いとは?

一般市場に出回っているワインボトル・缶ビールなどにある表記を見てみると、アルコール度数は「度」「%」と表示されている。この表示に違いはあるのか?

実のところこの「度」「%」に違いはなく、どちらも「100ml中にアルコールが◯ml含まれている」ということを表している。なお、日本酒・焼酎などの和酒(日本製のお酒)は「度」という表示が多く、ビール・ワイン・ブランデーといった洋酒は「%」と記載することが多い。

スコットランドやアイルランドを起源とするウイスキーは洋酒の部類に含まれるため、市場に流通している多くのボトルラベルには「%」と表記されている。

【出典】酒税法 | e-Gov法令検索 第一章 総則 第三条 第3項(外部サイト)

ウイスキーのアルコール度数はどれくらい?

主なお酒のアルコール度数についての基本的なことを解説したところで、つづいてウイスキーのアルコール度数について紹介していく。

一般的なウイスキーのアルコール度数は40度

一般的なウイスキーのアルコール度数は40度前後とされている。
ウイスキーの王道・スコッチをはじめ、アメリカンウイスキー(バーボンなど)やジャパニーズウイスキーなど、生産地や銘柄に関係なく40度ほどで製造されることが多い。

ボトルに入っているウイスキーの4割がアルコールだとすると、アルコール度数はかなり高そうな印象を受けるが、ほかのお酒と比較するとどれほど違うのか?

ほかのお酒との比較

ウイスキーとほかのお酒のアルコール度数はかなり差がある。
たとえばビールは5度前後、日本酒やワインは15度前後であることを考えれば、ウイスキーの40度はかなり高い。

一方で、ウイスキーと同じくらいアルコール度数が高いお酒も存在する。
ウォッカやテキーラ、ブランデーなどが代表的なものだろう。
一口に「お酒」といっても、なぜアルコール度数にこれほどの違いが生まれるのだろうか。

ウイスキーのアルコール度数は高い!その理由とは?

ウイスキーのアルコール度数は40度とかなり高い部類だが、ここからはその高さの理由を簡潔に紹介する。

度数が高くなる製造方法

ウイスキーのアルコール度数が高くなるいちばんの理由は、その製造方法にある。お酒に含まれるアルコール量を増やす方法(調整する方法)は主に以下の二つあり、お酒の生産者やメーカーは製造方法を使い分けて巧みに度数調整しているのだ。

醸造

「醸造」とは原料の穀類や果実などを糖化したうえで、酵素によってアルコール発酵させる方法である。この方法はビールやワイン、日本酒などに採用されており、この方法を用いて製造されるお酒を一般的に「醸造酒」と呼ぶ。

蒸留

「蒸留」とは液体に含まれている揮発性のある成分を分離し、液体を熱した際に発生した蒸気を冷やし固めて液体に戻す方法である。言い換えればアルコールの少ない醸造酒を熱して、発生した蒸気を液体にして回収したものが「蒸留酒」だ。

醸造酒を熱する際にアルコールはほかの成分よりも先に蒸発及び気化するため、その蒸気を回収するとアルコール度数は増加する。このアルコール度数を高めたものが「蒸留酒」であり、その代表的な存在がウイスキーなどである。

なお、ウイスキーやブランデーなどを飲む際に、醸造酒とはまた違った独特な香りを強く感じることがあるだろう。それも蒸留によって香りの成分が強まることに起因しているのだ。

加水と熟成による度数調整

ウイスキーは40度前後の高いアルコール度数で一般市場に出回っているが、実はボトルへ詰める際に度数調整しているのをご存じだろうか。ここで度数調整について簡単に解説する。

熟成

ウイスキーの製造過程で糖化や蒸留の後に「熟成」という大切な工程がある。この熟成は蒸留液を樽に入れて、一定期間寝かせるウイスキー製造には欠かせない部分だ。

この熟成工程では、アルコール度数をはじめ、さまざまな要素が微妙に変化していくとされている。蒸留所のある環境や風土、使用する樽の種類、熟成する年月によって、樽の中のウイスキーのすべてが少しずつ変わっていくのだ。生産者はこの熟成によるアルコール度数やテイストの変化を想定しつつ、最終的な瓶詰めまで行っている。

加水

熟成後の瓶詰め作業の際にも、生産者はひと手間加えて度数調整している。それが「加水」と呼ばれる作業である。通称「仕込み水」とも呼ばれ、各蒸留所の近くで採れる天然水を、瓶詰め前のウイスキーの原酒に加えるというものだ。

この加水作業でウイスキーは40度ほどまで度数調整されて市場に出回るのだが、加水する前の多くは60度ほどであることが多い。この加水を熟成から瓶詰めのどの工程で行うのか、はたまた最後まで加水をするか否かなど、その塩梅(あんばい)は蒸留所によって異なる。

加水するメリットとしては以下のようなものがある。

・ウイスキーそのものの香りを引き立てる
・生産量を増やせる
・流通させる国や地域によって飲みやすさを合わせられる

一方で、加水しないで熟成させたものをそのまま瓶詰めして、アルコール度数60度以上で販売されているボトルも存在している。それらは一般的に「カスクストレングス」と呼ばれ、銘柄問わず流通量は加水済みのものより少ない。レアな存在であるだけでなく、加水なしのウイスキー原酒そのままの香りや味を感じられることもあり、世界中のウイスキー愛飲家に嗜まれ(たしなまれ)ている。

初心者でもOK!ウイスキーのおいしい飲み方

最後にウイスキーのおいしい飲み方を紹介する。度数が高く、楽しむハードルが高いと思われがちなウイスキーだが、自分にマッチした飲み方を選ぶことで、意外と親しみやすいドリンクとして感じられるだろう。

【じっくりと嗜む】オン・ザ・ロック

ロックグラスに大きめの氷を入れてウイスキーを注ぐ、一般にも広く知られた嗜み方だ。氷が徐々に溶けていき、味や香りの変化を楽しめるのが魅力だ。なお、ロックという飲み方をおもいっきり楽しみたい場合は、氷とウイスキーをステアして予め馴染ませるとよい。ほどよく氷とウイスキーが一体化して楽しみやすいのでおすすめだ。

【ウイスキーの持ち味を堪能】トワイスアップ

グラスにウイスキーと水を同量注ぐ飲み方である。水は常温が一般的で、加水による特徴を活かしてウイスキーの香りを楽しむのに最適だ。飲みやすくなるため、初心者がウイスキーの魅力を感じたいときにもおすすめといえる。

【サクッと楽しめる】ハイボール(炭酸割り)

ウイスキーを炭酸で割るハイボールは、いくつかあるウイスキーの嗜み方の中でももっとも飲みやすいスタイルだ。
飲みやすいだけでなく爽快感や清涼感を感じられ、さらにはウイスキーの香りを引き立たせることもできる。サクッとウイスキーを気軽に楽しみたい人におすすめといえる。

【上級者向けの飲み方】ストレート

ウイスキーのもつ魅力をそのまま感じたい場合は、氷や水などを加えずにそのままストレートで嗜んでみてもよいだろう。
ほかの飲み方よりもアルコール感をグッと感じるため、中級者から上級者向けの飲み方になる。飲むペースを間違えると酔いやすいため、チェイサーとして水を用意しておくことも大切だ。

まとめ

ウイスキーは高いアルコール度数を持つお酒だが、その魅力は単に強さだけではない。
製造過程や加水調整によって生み出される複雑な香りと味わいが、多くの愛好家を魅了している。初心者の方も、ロックやハイボールなど自分に合った飲み方を見つけることで、ウイスキーの世界を楽しむことができる。ぜひ様々な飲み方を試し、あなた好みのウイスキーの楽しみ方を見つけてみてはいかがだろうか。
著者プロフィール

タリトネ
東京都内のBarを中心に、日々酔いどれているアラサーのライター・Webディレクター。カクテルとウィスキーをオーセンティックBarで嗜み、日本酒とワインをレストラン・小料理屋にて楽しむ。飲み会・デート前には必ずアペるのがクセ。趣味が高じてウイスキー検定2級取得。自身のブログサイト「20代からのオーセンティックバー(外部サイト)」にてBarやお酒の魅力を発信中!
飲酒は20歳を過ぎてから。飲酒運転は法律で禁止されています。
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