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生田斗真×ヤン・イクチュン、互いに刺激を与え合った『告白 コンフェッション』
生田実写映像化する時は、原作へのリスペクトを忘れずに、というのを心がけています。特に漫画は日本の大切な文化の一つですし、漫画の世界にはありとあらゆる物語が存在する。どうすればこんなに面白いストーリーが思いつくんだろう、と思うこともしょっちゅうあります。今回、作画を担当されたかわぐちかいじ先生が現場にいらして、とても満足そうに山小屋のセットをご覧になっている様子を拝見できて、すごくうれしかったです。
ヤン漫画には、漫画としての魅力があると思います。それを原作として実写映画をつくる時は、映画として魅力あるものをつくらなければいけないと思いますし、今回、素晴らしい原作で面白い映画をつくれたというのは、本当に恵まれたことだと思っています。
生田ジヨンの告白を聞いてしまった直後、山小屋に避難することができて、そこで救助隊が来るのを待つわけなんですが、この上なく異様で気まずい空気から、閉ざされた狭い空間で生きるか死ぬかのバトルが始まる。大暴れするジヨンが怖ければ怖いほどなんだか観ている方は笑えてくるんですよね。
山下監督は、ゾンビがものすごい勢いで走ってくるとムチャクチャ怖いけど、なんか笑えるみたいな、サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』みたいな怖さと可笑しさが共存する作品にしたいとおっしゃっていた。ジヨンの階段落ちのシーンとか、不自然な曲がり方をした首をボキポキッと戻すところとか、怖いけどちょっと笑えるところを要所要所に入れていて、そのバランスはまさに山下監督ならではなのかな、と思います。
ヤン山下監督は、外見は穏やかでやさしそうですが、内面はとても強い人だと思います。ワンシーン、ワンシーン、細部に至るまで、自分なりのこだわりが発揮されていて、山下監督ならではのユーモアのある作品に仕上がっていると思います。
生田イクチュンさんがセットをぶっ壊していました。
ヤンあのセットは壊すためにあったんだよ。
生田確かに、そうですね。ジヨンが斧で扉を壊そうとする場面があるんですが、斧が刺さった後の裂け目もリアルだから、生々しくて怖かったですね。大暴れするイクチュンさんの迫力に圧倒されました。
ヤン全部スタッフが仕掛けをしてくれて、うまく壊せるように準備してくださっていたからこそ、こちらも思いっきりセットを壊すことができました。
生田3週間、ほぼ同じセットで撮っていたんですが、1日かけてイクチュンさんが階段を落ちるところまでを撮って、次の日、階段の下まで落ちた状態から続きを撮る、なんてこともあって。昨日と同じテンションで、朝から「アーッ」って叫ぶのは結構大変でした(笑)。
ヤンのどが痛くなりましたね。
生田特にイクチュンさんはね。
ヤン僕は腹式呼吸ではなく、のどを使って叫んでいたので、すぐにのどがかれてしまって痛かったです(笑)。生田さんもせき込む演技をずっとしなければいけなかったので多分痛かったと思います。
今回、生田さんは浅井という一見するとエリートの好青年風ですが、どこかつかみどころのないキャラクター像を演じ、『土竜の唄』シリーズや昨年のヒューマンドラマ『渇水』とはまた違った演技を見せてくださいました。ヤンさんとの共演はいかがでしたか?
生田イクチュンさんと一緒にお芝居して、本番の時の爆発力というか、集中力が本当に素晴らしいなと思っていました。それ以外のオフの時間は、スタッフと談笑したり、冗談で笑わせてくれたり、本人もリラックスしているようでしたし、周りもなごませてくれました。彼には生まれ持った素晴らしい才能、資質もあるけれど、いろいろ経験して、努力して、手に入れたものもたくさんあると感じて、本当に刺激的な毎日でした。いい影響をたくさんもらえたと思います。
ヤン出演オファーも大歓迎ですし、日本で演出もしてみたいと思っています。以前から思っていたことですが、もっと日本と韓国が交流して、お互いの文化が混ざり合ったり、スタッフやキャストが協力し合ったりすれば、シナジー効果が期待できると思うんです。生田さんも機会があったら韓国など海外の作品にも挑戦してもらえたらうれしいです。
生田ありがとう。今回、異なる国で育ち、自分とは異なるバックグラウンドを持つイクチュンさんと共演して、新しいものが自分の中に入ってきた感覚がありました。すごく楽しかったですし、ずっとワクワクしていたんですよ。こういう経験をこれから先もどんどんしていけたらいいな、と思っています。
出演:生田斗真 ヤン・イクチュン 奈緒
監督:山下敦弘
脚本:幸修司 高田亮
主題歌:「殺意vs殺意(共犯:生田斗真)」マキシマム ザ ホルモン
音楽:宅見将典
製作:映画『告白 コンフェッション』製作委員会
製作幹事:日本映画放送 NTTドコモ
制作プロダクション:ギークサイト
配給:ギャガ
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