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オートバックス“2000万円新車”お披露目…強気価格にメディア・関係者驚がくも「ライバルは“別荘”」

GORDON MILLER MOTORS『GMLVAN G-01』 撮影／田中達晃（パッシュ）　（C）oricon ME inc.

GORDON MILLER MOTORS『GMLVAN G-01』
撮影／田中達晃（パッシュ）　（C）oricon ME inc.

　3月5日、オートバックスセブンが展開する「GORDON MILLER」（ゴードンミラー）の旗艦店「GORDON MILLER KURAMAE」で、約１年半ぶりに“新車”が披露された。今回公開されたのは、日産『キャラバン』（4WD）をベースにした『GMLVAN G-01』。１月の発表以降、これまでのキャンピングカーにはないおしゃれなデザインと豪華装備、さらに1870万円という価格が話題になっていた。翌６日の発売を前に、メディア・関係者の前でどのようなことが語られたのか？　ここではその内容と、発表後の反応についてレポートする。

『G』はグリッドレスガレージライフ「場所、時間、日常にしばられることなく、快適に過ごせる車」

　1月22日の発表から1ヵ月半が経過し、最初に発表されたリリースと写真以外追加情報がないなかで迎えたこのメディア発表会。当日は、メディア20社、約60名の関係者が参加したことからもその注目度の高さがうかがえる。会場に入ると、色違いの2台の『GMLVAN G-01』がお出迎え。すでに発表されていたステルスグレーのプロトタイプと、この日初お披露目となるカラー・ヴィンテージエクリュの車体。奥に展示されているトヨタ『ハイエース』をベースにした『GMLVAN V-01』と比較しても、かなり大きく感じる。

　定刻になり、同ブランドPRの宇留間裕実氏が同車の由来から説明した。

「『G-01』の『G』は、この車のコンセプトである『グリッドレスガレージライフ（Gridless Garage Life）』を意味しています。場所、時間、日常にしばられることなく、インフラから離れた場所でも快適にバンライフを過ごせる。そんな車を目指して開発したものになります。また、デザインは『インダストリアル シークレットベース』を掲げ、武骨で、素材感をあえてむき出しのまま使っています」

　その後、カラー展開、丸目４灯、「ベイウインド」など外装の特徴的なポイントを1つずつ説明。内装の説明では、多彩なシートアレンジをすべて実演。簡単にアレンジできる手軽さや、シートの手触りの良さ、快適に過ごせるようにシートの角度にまで工夫が施されるなど、細かなところまで配慮されている様子に、来場者は驚いた様子。記者の隣にいた関係者は、次々と変わるシートアレンジの様子を見て、小声で「欲しい」とつぶやいていた。

オートバックスが掲げる「車で出かける楽しさ」を体現できるモデル

　さまざまな説明があるなかでも、宇留間氏が「この車の“キモ”」と話したのが大容量のバッテリー。さまざまな特許を取得しており、安全性が高く「この車を実現できたのはこのバッテリーがあったから」と言わしめるほどの高性能なモデルだという。

「陸上自衛隊に車載用のバッテリーを収めているプロユースのベネテックス社の物を搭載しています。グリッドレスガレージライフをストレスなく過ごすためのもので、この車に付いている6畳用のクーラーを、連続11時間使うことができます。稼働時間は、一般的なキャンピングカーの倍くらい。ドライヤーや電子レンジなど高出力の電化製品にも対応しています。また、充電に関しても走行しながら蓄電が可能となっています」

　装備や外装など一通り説明を終えると、最後にこの車の“ライバル”について話した。

「我々としてはこの車の競合・ライバルに、ハイクラスなSUVやキャンピングカーを想定しておりません。あえて言うなら、“別荘”でしょうか。決められた場所で季節の移り変わりを楽しむのもいいと思いますが、この車でどこにでも安心して出かけていただき、その場所で快適なバンライフを送れば、まだ見ぬ新たな景色や新たな人々との出会いが生まれるかなと思っております。オートバックスは『車で出かける楽しさを提供できる会社』でありたいと掲げています。このモデルはそれを体現できる車です」

　全体のプレゼンテーションが終わると、来場者は2台の車に集結。シートアレンジを体験したり、写真を撮影したり、あるいはバッテリーについての説明を受けるなど、それぞれがこの車についての理解を深めていた。

　では、このメディア発表会を訪れたメディア、あるいは関係者はどのような反応だったのだろうか？　あらためて宇留間氏に話を聞いた。

「多くの方から頂いた反応は、やはり価格のことですね。この価格を打ち出して勝機があるのか、気にしていらっしゃる様子でした」

「高すぎる」マスの声を受け止めつつも「この世界観に共鳴してくださる方はいる」

　この反応は当日訪れたメディア・関係者に限ったことではない。1月の発表以降、メディアの記事に対し「高すぎる」「ありえない」といった価格に対して否定的な意見が多いのも事実。これらの意見はどのように受け止めているのだろうか。

「もちろん、広く一般的に考えれば『高いな』というのは当然の意見。私もサラリーマンですのでその感覚はわかりますし、そういった反応をいただくこともある程度、想定していました。というのも『GORDON MILLER』ではこれまで、トヨタ『ハイエース』をベースにした『GMLVAN V-01』、日産『NV200バネット』ベースの『GMLVAN C-01』、ダイハツ『ハイゼットカーゴクルーズターボ』ベースの『GMLVAN S-01』を発表してきて、その都度同じようなご意見を頂戴してきました。『軽バンに300万円は高すぎる！』と。ただそういう声の一方で、私たちの掲げる世界観に共感してくださる方々もたくさんいらっしゃるおかげで、この3車種は堅調に販売させていただいています」

　多数派である“マス”の意見も受け止めつつ、ブランドが築く世界観の表現は妥協なく突き詰めて商品開発を進める。このビジネスが成立するのは、「日本のマーケットが成熟しているから」だという。

「日本のマーケットは成熟していて、細分化・多様化が進んでいます。そのなかで、一般論やマスで見る価格は、我々のブランド事業規模にとっては、あまり参考にならないと考えています。フラッグシップである『GMLVAN G-01』は、内外装のデザインや、必要な設備を積み上げていった結果としてこの価格になりましたが、千台、万台売るビジネスではありませんので。この車をいいと思って、購入を検討してくださる方は確実にいらっしゃると予測しています」

　実際1月の発表後、すでに購入を前提とした問い合わせが入っていたという。発表会から数日が経過した現在、どのような反応なのだろうか？

「早々にお問い合わせいただき、既に商談に進んでいるお客様もいらっしゃいます。また、購入を前提に商談の予約をされ、今後店舗にお越しになるお客様も何組もいらっしゃいますし、もともと『GORDON MILLER』のファンでいてくれた方や、まったく接点のなかった一般の方からのお問い合せもいただいております。私たちのコンセプトに共鳴してくださる方が多く、大変ありがたいです」
■『GMLVAN G-01』仕様
日産『キャラバン』（4WD）をベースに、大型バッテリー､リアクーラーシステム､冷凍/冷蔵庫､FFヒーターを標準装備。『GORDON MILLER』のアイコンである丸目4灯とテールランプを踏襲しつつ、「ベイウィンド」を装備するなど武骨な世界観を体現した『インダストリアルデザイン』を採用。ボディカラーも共に日産工場によるメーカー塗装となるステルスグレー（純正）と、GORDON MILLERオリジナルカラーのヴィンテージエクリュの2色を展開。

　デザインだけでなく、ボンネット、フロントバンパー、グリル、ヘッドライト、フロントフェンダー周りを刷新しながらも全方位運転支援システム､デイライト、フォグランプを装備し、安全性を確保。フルフラットが可能なベッドモードにもできるシートや、跳ね上げ式リアベンチも備えるなど、実用性にもこだわっている。
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