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aiko、25年たっても「音楽と恋愛が永遠に自分を振り回す」“若者の恋愛離れ”叫ばれても恋を歌い続ける理由

 1998年デビュー以降、一線で歌い続けるaiko。最近では、TikTokで「花火」や「ボーイフレンド」が注目され、若年層の反響を呼んでいる。今年で25周年を迎えたが、当の本人は「自分ではそんなに長いことやってる感じが全然してないんです」とあっけらかんと話す。自身の誕生日でもある11月22日に発売される「星の降る日に」から、これまでを振り返ってもらった。

楽曲に“星”が多い理由 ヒット作「アンドロメダ」でのback numberとのエピソード

――44枚目のシングルとしてリリースされる新曲「星の降る日に」はどんなところから生まれた曲ですか?

「洗濯ものを干そうと思って、Tシャツのシワを伸ばしていたら、サビの<星の降る日にあなたも降ってきた>っていうのが……まさに、降ってきて(笑)。

そろそろ新曲をいっぱいまとめて、スタッフの方に聴いてもらいたいなっていうモードの時期だったんです。だから、いつもより音楽のことを考えてたのかもしれないんですけど、日常で普通に家事や炊事をしてるときって無になる時間でもあって。そういう時に、ふと降りてくることがあるんですよね」

――どんな思いを込めた曲になりましたか?

「最初からこういう気持ちを曲にしようっていう感覚よりかは、勝手に頭の中で浮かんだメロディと言葉で作っていきました。“あなた”と出会えたことが、このくらい自分にとって、とても大切なことだったっていう。好きな人がたくさんの星と一緒に降ってくる。現実ではありえない、漫画の世界みたいなことですが、それぐらい衝撃的なことだったから。、この言葉が浮かんだんかなって思います」

――「星の降る日に」(2023)や「花火」(1999)だけでなく、aikoさんの楽曲にはたびたび“星”が出てきますよね。aikoさんにとって、“星”はどんなモチーフになっていますか。

「星を見てる時間って、静かやし、暗いし、自分と向き合える時間なのかなって思います。『花火』とか『星の降る日に』はアニメみたいな感じでそのシーンが頭の中に浮かんだりするんですけど、他の曲では、星を見ながらぼうっと考えて、自分の気持ちと向き合いながら、リセットすることができていて。今まで向き合いたくないなって思ってた自分と向き合った瞬間に、『やっぱりこの人のこと好きで、もう1回、会いたいと思ってるんだな』って気づいたりします」
――ほかにも<何億年向こうの星も>というフレーズから始まる「アンドロメダ」(2003)もありますね。

「23歳の時、名古屋のキャンペーンで1日ですごくたくさんの人に会って。キャンペーンが終わって、ホテルに戻るタクシーの中で、ビルの上のネオンを見たときに、初めて疲れ目でちゃんと見えなかったんです。私は視力が2.0ですごくいいんですけど、疲れ目でこんなに見えないってことは、今、好きな人が“交差点”に立ってても見えないなって。当時は、きっと報われないであろう、片想いみたいな感覚で書いたと思います」

――おお! その展開がすごいですよね。疲れ目から<交差点で君が立っていても/もう今は見つけられないかもしれない>という名フレーズが生まれたんですね。

「そうですね。余談ですけど、back numberの清水依与吏くんから、<aikoさん、本当にすいません。迷ったんですけど、新曲のサビの頭で“交差点”を歌わせていただきます>っていうLINEをもらったことがあります。<よかったら、“切りすぎた前髪”も使ってください>って返しましたけど(笑)。嬉しかったですね。『アンドロメダ』も好きな曲なので」

TikTokで若年層から注目「めっちゃ嬉しいけど、今はちょっとそれがプレッシャー」

――最近の若い子はあまり恋愛に興味がなくて、恋愛コンテンツが盛り上がってないという話も聞きますね。

「でも、いずれしますからね。大人になってから、新しい衝撃を受けるのも楽しいから、その時に『aikoが言ってたのはこのことやったんや』って重なったら嬉しいなと思います」

――一方で、aikoさんの「ボーイフレンド」(2000)や「花火」(1999)を使ったTikTok動画がバズり注目を集めました。ライブにも新しいファンの子が増えていますよね。

「そうですね。私の曲を知らなかった方たちがTikTokで知って、ライブ来てくれたりしていて。この前、最前で男の子が見てくれていて。『いくつ?』って聞いたら、20歳で。『お母さんから教えてもらって、そっから好きになって、友達と来た』って言ってくれて嬉しかったです。

TikTokとかでワンフレーズだけを切り取られることに、もどかしい思いをしてるアーティストの方もいると思うんですけど、私は嬉しかったですね。出会えるきっかけができたと思って。さらに、TikTokの動画をちゃんと超えられる歌を歌えるようにしたいなと思ってます。今はちょっとそれがプレッシャーですが、頑張ろうという気持ちでいます」
――ところで、aikoさんは今年の7月にデビュー25周年を迎えました。

「いろんな特番をしていただいたり、皆さんから『おめでとう』って言っていただいたことで、25周年なんだと思うくらいで。自分ではそんなに長いことやってる感じが全然してないです。まだ、中堅の入口に立てたか、立ててないか、ぐらいで。もっとたくさんいろんな曲を作らないと、“変わらずして変わっていくライブ”をすることができないので。まだまだ頑張って、いろんな曲を作りたいなって思ってる最中です」

――以前、テレビ番組で、ターニングポイントになった曲として、2001年にリリースした7枚目のシングル「初恋」を挙げていました。

「東京に上京して、初めて書けた曲だったんです。それまでは、上京することを1ミリも考えてなくて。絶対に環境変わったら駄目になっちゃうっていう変な暗示にかかっていたので、それを乗り越えようと思って書きました。普段、曲を書くっていう行為は勝手に書きたくて書くんですけど、頑張ろうと思って、そこから楽しいを見つけていこうと思って書いたのが『初恋』でした。書けたなって実感できた曲でした」
――その後、「初恋」のように転機となった曲はありましたか。

「シングルで言うと、38thシングル「ストロー」(2018)はライブに来てくれたお客さんと繋がることができたのかもって錯覚してしまうぐらい、会場の空気が変わる曲ですし、39thシングル「青空」(2020)はこういう曲が書けたと思って、自分の中では立ち止まる、すごろくの大きいマスのような曲だったりしますね」

――<君にいいことがあるように>という前向きで希望のある願いを込めた「ストロー」はYouTubeでの踊ってみた動画も話題になりましたし、「青空」はサブスク解禁がスタートした曲で、新しい世代に届いた楽曲でもありました。「青空」の歌詞は晴れてても曇っていても、自分の気持ちがくすんでいると全部灰色に見えてしまうという思いを書いていました。

「最近の曲はいろんな思い出があるかもしれないです。毎回、小さなターニングポイントがあって、そこでちゃんと楽しいと思える道を選ぶことができています。そういうふうに思える自分になったっていうんですかね。『あそこでああすればよかった』っていう感覚が昔より減りました。『風邪引かなきゃよかった』はめっちゃあるんですけど(笑)、音楽に関してはそれがなくなった気がしますね」

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