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【鳥連載】「おまっ、浮いてる!?」スズメの空中浮遊にどこか違和感…仲間スズメもビックリの瞬間とは?
毎日大量にシャッターを切り“奇跡の一枚”をとらえる
こういった動きのある写真を撮影するためのコツは「スズメに毎日会って顔を覚えてもらい、慣れてもらうことですね」と中野さん。走ってくる写真などは腰を落として構えて、自身ができるだけ“スズメ目線”になり撮るそうだ。
「スズメの走り方はぴょんぴょんホッピングしてくるので、浮いてる姿を撮るのが面白いですね」
とはいえ、アクティブな姿は毎回撮れるわけではない。毎日大量にシャッターを切り、奇跡の一枚は生まれる。そして、カメラは高スペックのものを使うのではなく、比較的リーズナブルなカメラ選んでいるという。
「被写体に素早く反応するオートフォーカスではなく、ピントを固定して連射撮影しています。すごい速さでこちらに向かってくるスズメに、ピントがピタっと合った写真が撮れたときはほんとにうれしいです」
常に“スズメ目線”で撮影、そこにストーリーが湧く言葉を添える
「スズメの写真を撮るようになったのも、スズメの群れがまるで“人間社会の縮図”のように見えるからなんです。その見え方や感じ方をみなさんにも伝えたくて、イメージやストーリーが湧くキャプションを考えています」
「例えばケンカしてる場面なども、何が原因でケンカをしているのかを想像して書くんです。『待ち合わせしてたのに3時間も遅れてきたとか』とか…。眠そうなスズメは、何で眠いのかを想像して付け加えたりします。そういう物語にも共感してもらえるととてもうれしいです」
夏も終わり、これから徐々に肌寒くなってくると、羽毛を膨らませ、ふわふわになった姿が見られるようになる。冬の季語「ふくらスズメ(福良スズメ)」や、“スズメボール”という愛称でも親しまれている。中野さんが冬時期に楽しみにしているのは「たくさん並んでくっ付いてるスズメたち」。おしくらまんじゅうのように身を寄せ合ってとまってるシーンが好きだという。
「頭に雪が乗ってたりするのも面白い写真ですね。わたしの住んでる地方は、なかなか雪が降らずそのチャンスが少ないので、雪の日は何よりも優先で撮影に出かけるようにしてますよ」
■中野さとる X(@aerial2009(外部サイト))/Instagram(@onakan_s(外部サイト))