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加熱式たばこもくさい?「においも副流煙もない」たばこは実現するのか…誕生10年の現在地
約3人に1人が「加熱式たばこ」を選択、でも“独特なにおい”を嫌う人も…
一口に“加熱式たばこ”と言っても、実はいろいろと種類がある。まず、におい一つとっても変わってくるので、一度ここで整理してみたい。よく、“電子たばこ”と総称されるが、これは厳密にいうとリキッドタイプのみが該当する。
【高温加熱式たばこ】<アイコス、グロー、プルーム・エックスなど>
特長:たばこ葉の詰まったスティックを「加熱」して吸う。紙巻たばこのように「燃焼」させないためタールは発生しない。独特のにおいはあるが、発生するのは煙でなくたばこ葉由来の成分を含む水蒸気。
【低温加熱式たばこ】<プルーム・テック(現在は販売終了)など>
特長:グリセリンと水などからできたリキッドを「加熱」し、そこから上がる蒸気をたばこカプセルに通過させて吸う。たばこのにおいはほとんどなく、発生するのは煙でなくたばこ葉由来の成分を含む水蒸気。
※フレーバーの付いたリキッドを蒸発させて吸う「ベイプ」は、日本ではニコチンが含まれるものは販売不可であり、「たばこ」ではない。
おおまかにいうと上記のとおりで、いわゆる「加熱式たばこもにおいは気になる」と言われているのは、“高温加熱式たばこ”のことであろう。たしかに、代表的なデバイスであるアイコス、グロー、プルーム・エックスにはそれぞれ独特なにおいがあり、とくにコロナ禍以降、他人のにおいに敏感になった人々から嫌われがちだ。この10年で各社はデバイスを進化させているが、この高温加熱式たばこのにおいは低減できないものなのだろうか。
プルーム・エックスを販売するJTによれば、残念ながらそれは難しいようだ。「紙巻のように燃焼させなくても、機構上たばこ葉を加熱したにおいは出ます」とのことだった。
「副流煙がない」加熱式たばこ、においも健康懸念も大幅に低減した“低温加熱式”に可能性
「健康懸念や周囲へのたばこのにおいの配慮の観点から、加熱式たばこは生まれてきました。黎明期から比べても、現在では健康リスクの低減は当たり前です。ただ、よく誤解されがちなのですが、加熱式たばこは高温加熱式でも低温加熱式でも、燃焼に伴い発生する副流煙はありません。また、紙巻たばこと比べて健康懸念物質は大きく低減しています」
「副流煙がない」加熱式たばこの登場は、たばこを吸わない人にとっても、吸う人にとっても歓迎すべきものだろう。さらに気にすべきは「においが気になる」と言われる高温加熱式たばこの独特のにおいだが、実はここにも突破口はあった。それが、“低温加熱式たばこ”である。
前述のとおり、プルーム・テックに代表される低温加熱式たばこは、リキッドを加熱して蒸気を吸い込むもの。たばこ葉自体を加熱しないため、たばこのにおいはほとんど出ない。このほど、JTが新ブランドを立ち上げて発売したインフューズドたばこ『ウィズ2』は、「においも副流煙もない」との報道に大きな注目が集まった。同社は、高温・低温のわかりにくさを解消するため、低温加熱式たばこを「インフューズドたばこ」として新たに打ち出していくことにしたのだ。
“低温加熱式”なら髪や服にもにおいがつかず、壁紙の着色もないのは本当か?
「健康懸念物質に関しても、『ウィズ2』は紙巻たばこの約95〜99%まで低減しています。プルーム・エックスでも90〜95%は低減しているのですが、さらに低い数字となりました。調査では毎月、定期的にモニタリングを行っています。結果からは、健康リスクを低減できる可能性があると言えるのですが、加熱式たばこは歴史が浅い。まだ研究段階であり、はっきりとした結論に至っていないというのが現状です」