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日本を飛び越え中国で桁違いの大ブレイクを果たした2人組ユニット・GARNiDELiA「一晩でこんなに人生って変わるんだ」
中国で大注目されているGARNiDELiA
「ネット投票が日本の人口を超えちゃった」中国での大反響に喜びと困惑?
MARiA実は自分の中で何が起こっているのかよくわかっていなくて。全然追いつけないんです。先日は、参加者が持ち回りでリーダーを務めてグループで楽曲を披露する企画で、私がリーダーとなって、いきものがかりさんの「ブルーバード」を歌ったのですが、そのネット投票が1位で今、2億票なんですよ。日本の人口超えちゃってて…(笑)。あまりにも数字が大きすぎて実感はないですけど、重慶でのイベントでは中国の皆さんと交流させてもらい、その人数や熱気で「すごいことが起きている」ということだけはわかっています。
MARiA
Toku元々、bilibili動画やWEIBOのフォロワー数も日本人では上位にあったんですけど、コロナ禍の規制が緩和して当時のファンが再燃してくれているようです。でもやっぱりWEIBOを見ているとメディアやファンの盛り上がり方がちょっと、常軌を逸している? みたいな(笑)。7900万票で、次の2位の方も中国では知らない人はいないタレントさんなんですが、僕も本当によくわからない状況で……。
MARiA他の出演されている方たちってすでに成功されているスーパースターの方たちばかりなんです。日本だけじゃなくアメリカ代表だったり、ドイツ代表だったり海外枠も7人ぐらいあるんですけど、その方たちも自国ですごいスターの方々なんですよ。一方、GARNiDELiAは日本人にいっても「誰?」みたいな存在ですので、そこもまた面白いですよね。だから逆輸入を狙っているんですけど(笑)。
toku
MARiAそれこそが私たちが「乗風2023」で「極楽浄土」を披露した理由です。曲は知っているけど、誰が歌っているのかわからないという方がたくさん中国でいらっしゃる中で、私が番組で私たちの歌だと発表しました。それが一晩でこんなに人生って変わるんだと。何が起きるのかわからないなって。
「極楽浄土」誕生秘話「実は欧米ウケを狙っていた」
toku僕たちは「キルラキル」など、アニメの曲も作らせていただいていたので、アニメの音楽フェスで海外に行かせてもらうこともたくさんありました。そんな中で、アニソンというジャンルに拘らず、日本的な音楽を作って、ライブをしてみたいと思ったんです。かつ、そこにEDMを取り入れたら世界に受けるのでは、と狙って作ったのですが……。
MARiAだからといって最初から中国を狙っていたわけじゃないんですよ。どちらかといえば欧米を狙っていました。だから着物とジャパンカルチャーをミックスさせて。それがまさか中国市場でウケるとは思っていなかったです。
――MARiAさんは10代からジャズや洋楽などを歌われていたこともありました。そういう意味でも国際的な歌い方になっていたということもあるのでしょうか。
MARiA確かに私は実はすでに芸歴20年ですが…。(tokuに向かって)どうですか?
tokuメイリアはアイドルグループ時代もあって。当時、そこにいるのは惜しいなという感じがしたので、一緒にやりませんか、と声をかけました。その頃から、歌もダンスも素敵だったし、さらに成長している感じもしています。
MARiAそこはやはり20年分の下積みがあって今ここにいるなという実感はあります。やっぱり実力の世界ですので、そこで淘汰されるかどうかは自分のパフォーマンス次第。20年頑張ってきた基礎があるからこそ、今のステージに立っているっていうのはすごくあるかもしれないです。ただ私達はアーティストとして売っていますが、中国ではアイドル的な扱いなんです。…正直な話をしますと、私は素の自分が大嫌いなんです。
――それは初耳です!
MARiAだからMARiAというアーティストの鎧をつけて格好良く、素をさらさないでやってきたのですが、同番組では24時間密着のドキュメンタリーのようなこともあったんですよ。そこで寝起きやすっぴんの私、疲れている私、風邪を引きそうな私…すべて晒されてしまった。ところが、その“大嫌いな私”がものすごくウケたみたいです。MARiAってこういう人なんだと中国の皆さんに知ってもらうことによって、それで応援されたのかもしれません。自分に少し自信が持てる瞬間でした。面白いのは、素顔の私の顔を部分的に切り抜いて、皆さんが勝手にスタンプにして使いまくっているんですよ(笑)。
世界を見据えた今後の新たな夢「20年続けてきて、諦めなくて本当によかった」
tokuそうですね。でも実は日本はネットでバズったとしてもそれを動員につなげるのは難しいんです。何億再生してもライブに客が入らないということは当たり前にあることで、ですが、中国で僕たちがイベントを行うと3000人とか集まるんですよね。それはもちろん、人口比率もあるのでしょうが、何か文化が違うのかもしれません。日本もすごいと思うんですけど、やっぱネットのインフラ的に日本は弱いところが一番大きいのかなと。中国だと僕らも同接(リアルタイム視聴)2000万とか余裕でいけるので。
――2000万!?やはり中国の規模の大きさと何かの文化の違いを感じますね。
tokuこれからはこの国ではどんなことができるか、一個一個確かめていくツアーになりそうな感じがしていています。
――最後にメッセージをお願いします。
MARiAまずは私にとって日本の武道館的存在のメルセデスベンツアリーナをワンマンで埋められたらうれしいです。20年続けてきて、諦めなくて本当によかったです。
tokuもっと自分を褒めてあげようよ(笑)。まあ、でも僕たちって基本、控えめな2人なので(笑)。僕たちのバズり方は本当にレアケースですが、ゆくゆくは世界を見つつもアジアを代表するアーティストになれたら一番いいなと思います。
(取材・文/衣輪普一)
女性ボーカリスト・メイリアとコンポーザーtoku の二人によるユニット。
様々なファッションブランドのモデルも務め、同世代の女性から支持を集めるメイリアはGARNiDELiA のアートワークや歌詞を担当。
GARNiDELiA のサウンドプロデュースを担当しているtoku は、数々のアーティストに楽曲提供・プロデュースをおこなっている。
2014 年3 月にTV アニメ「キルラキル」2nd OP テーマとなる『ambiguous』でメジャーデビューを果たし、iTunes Music Store をはじめ、各音楽配信サイトの総合ランキングで軒並み首位を獲得。デビュー以来10 枚のシングル、2 作の配信シングル、5 枚のアルバムをリリース。2016 年に動画共有サイトで発表したダンス動画、「極楽浄土」が中国を中心に世界中爆発的なヒットとなり、動画総再生回数が6,000 万回を突破。” 踊っちゃってみた” と名付けられたダンス動画シリーズは全世界累計4億回再生を超え、全世界で注目を浴びている。多岐に渡るGARNiDELiA の音楽性と、圧倒的なパフォーマンス力が話題となっている。2023年ボーカルのMARiAが中国TOP音楽リアリティ番組に出演、中国国内爆発的に人気急上昇し、一躍国民的歌手として認知された。
公式HP:https://www.garnidelia.com/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/@GARNiDELiA