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“炎上系インフルエンサー”滝沢ガレソ、暴露はしても“正義感ゼロ”「どちらかに偏った活動はしたくない」情報拡散の想い
「楽しく暇をつぶししてほしい」アカウント運用の想い
滝沢ガレソこれから知ってもらうきっかけとしては、暴露屋の側面が大きいと思います。だけど個人的には、いろんな情報を発信している中のいちコーナーという意識です。発信している情報は基本的に、みなさんに楽しく暇つぶししてもらえればいいな、というだけのアカウントであり、その一環として暴露ネタも一部やっているという意識です。
――たしかに“暴露”のイメージが強いですが、発信する情報は、事件や社会現象から芸能やエンタメ系など多彩です。ジャンルを意識しているわけでもなさそうですね。
滝沢ガレソそうですね。明確に基準を設けているわけではなく、幅広くやりたいんですよね。暴露ネタのほかに、すでにマスコミが出している情報をかいつまんで2次翻訳的に発信したり、僕が個人的に気に入った商品をレビューしたりすることもあります。PR案件に限らず、みなさんが楽しめそうなものであれば何でもいいんです。ネタ選定の基準は、「みなさんの時間を使っていただく価値があるか」。読んだ人が物申したくなるとか、リアクションしたくなるとか、何かしら感情の起伏に触れるような話題を取り上げるようにしています。
――自分より相手(フォロワー)のため、という意識が軸になるんですね。
滝沢ガレソ僕、“浅い善”が好きなんですよね。自分のリソースをすべて使って、人生をかけて誰かのために尽くすまでの気概はないんですけど、観光している外国人の写真を撮ってあげるくらいの気軽な善は好き。最初はその感覚ではじめました。
――“炎上騒ぎ”のまとめ記事など、滝沢さんの投稿から大きな話題に発展することもあります。社会的な影響力もありそうですが…。
滝沢ガレソ基本的に正義はゼロで、意識して正義感を排除しようと心がけています。どちらかに偏った活動はしたくないんですよ。だから基本的に、意見が偏りがちなネタは賛否両論の声をまとめて、みなさんどう思いますかと投げかけます。一方で、悪事をさらすことはあります。それは自分が悪を裁きたいというわけではなく、みなさんがそれを読んで何かを感じてくれそうだから、というところに尽きます。
ガーシーは「明らかに超えてはいけないラインを超えた」、訴訟リスクも覚悟
滝沢ガレソ困っていたり、怒っていたり、何かしらのトラブルを抱えているから僕に頼ってきているので、できるだけ応えたいのが心情です。一方で、それだけ強い主観が入っているのは、客観が失われていることでもあるので、そこは分けて考えています。客観ベースで事実をしっかり確認して、取り上げるべきか、そこに価値があるかを判断します。ただ、取り上げなかったとしても、相手は貴重な時間を使ってタレコミしてくれているので、なるべく返信することを心がけています。
――滝沢ガレソだから送られてくるフォロワーからのDMは、アカウント活動の命綱でもあるわけですね。
滝沢ガレソ最近多いのは、週刊誌と同時に僕にもタレコミするケースです。あるいは、週刊誌でダメだったのでこっちにとか。ときには、最初からこちらだけというケースもあります。個人で運営するアカウントなので、身近さや敷居の低さがあるみたいで、情報の駆け込み寺として認知されているのを感じます。“ガレソ砲”という言葉も生まれているようで、率直にありがたいです(笑)。記事にできなくても感謝されたりすることがあって、相手にとっては、せめて聞いてくれたということだけでも意味があったのかなと思います。
――暴露系の情報が、世の中を賑わせています。タレコミの数も増えているんですか?
滝沢ガレソアカウントが大きくなるにつれてDMは増えています。だけど、昔と比べて今のほうが、暴露系が世の中を賑わせているかは正直わからないです。ただ、悪事を白日の元にさらそうというムーブメントが世の中的に起きていて、そういう意識が一般的になりつつあることは感じます。社会的弱者の個人でも、誰でも社会に対して情報を拡散できるというのは、ここ最近の新しい文化だと思います。
――一方で、訴訟リスクも考えられますよね。例えば先日、ガーシー容疑者が逮捕されましたが、彼も“暴露系”の立ち位置でした。
滝沢ガレソジャンルとしては似ている部分もあるので、怖いですし、次は下手したら僕だな…という感じです(笑)。ただ、ガーシーさんの場合は逮捕理由が「常習的脅迫」容疑なので、そこでラインを超えてしまったのかなと思います。その一線は、自分も今後より意識していかないといけないと考えています。
――訴訟リスクについては、どう考えていますか?
滝沢ガレソもちろん基本的に訴訟は避けたいですよ。負ければ金銭的なダメージ、勝っても時間的ダメージがあって、いずれにしてもマイナスしかない(笑)。ただ、それは自分目線の考えであって、フォロワー目線で考えると、僕が訴訟を起こされればきっと面白いですよね。なので、もし裁判沙汰になってもその過程をコンテンツとして発信していけば、ツイッターアカウント目線ではプラスになるので、そうなったときは前向きに面白さに変えるしかないと思っています。
――もし裁判になれば個人名が出ますので、会社員人生が危うくなるリスクもあります。
滝沢ガレソそうなれば会社は解雇される可能性が高いですけど、正直クビになってもいいと考えている部分もあります。もともとツイッターで稼げるようになれば、会社員は辞めたいと思っていましたからね。ただ、会社員しながら暴露系インフルエンサーをやっている人って少ないから、これはこれで価値がある。それに、僕は社会不適合者すぎるので、もし会社員を辞めて社会との関わりを断ち切ってしまったら、本当のモンスターになってしまう危惧があって(笑)。世間の感覚を知っておくためにも、会社員であることは続けます。
“家庭より仕事よりTwitter”、200万人のフォロワー抱え「やめるわけにはいかない」
滝沢ガレソツイッターのほうが、家庭よりも仕事よりも大事であり最優先です(きっぱり)。1日100通届くDMを読むだけで数時間かかりますので、ふつうに働いて家庭のことをやっていたら難しいんです。仕事中は、リモートワークをいいことに上司の目を盗んでTwitterのネタ探しをしていますし、家庭はそっちのけで犠牲にしている状況でした。1日のうち6〜7時間を使って、アカウントを運営しているんです。
――ツイッターが原因で離婚されたとか…。
滝沢ガレソ元奥さんから、「家庭かツイッターかどちらか選べ」と迫られて、結果的にツイッターを選んじゃったんですよね(笑)。2年ほど前に、「家庭」を選んでアカウントを手放した時期があったんですけど、3ヵ月もしないうちにいても立ってもいられなくなって、フォローもフォロワーもゼロの鍵アカウントを作ってニュースをこっそり発信していたんです。誰も読んでなんかないのに…もう依存症ですよね。それが妻に見つかったんです。ツイッター優先で生きていきたいというところですかね。
――そこまでして投稿する理由は?
滝沢ガレソみなさんの時間を使ってもらっていることへの自負というか、義務感というか。もう200万人のフォロワーがいるから、僕1人がやめたいからやめられることではないという気がしていました。実際は、全然やめられるんですけどね(笑)。
――独り身になったことで、ツイッターへの向き合い方は変わりましたか?
滝沢ガレソほとんど変わりませんが、自由度は上がりましたね。家庭があって守る人がいることで、いろいろと配慮することはありましたから。それがなくなって、“カセ”が外れた感じです。
――自身のエピソードでいえば、就活の体験談を『就活で嘘をついたら大失敗した話』として漫画化しています。
滝沢ガレソふだんニュースをツイートしていて感じるのは、世の中のニーズがあるのは成功体験より失敗体験。漫画化のお話をいただいたときに、自分の就活失敗の話は、一部の人の役に立つかもしれないし、ひとつの暇つぶしとしても楽しんでもらえるかもしれないと思ったんです。読者から、「ガレソってこんな奴だったんだ…」などと僕自身についての感想がいただけて、今までにない反応で面白かったです。
――今後Twitter以外に、テレビなどメディアでの活動はしないのでしょうか。
滝沢ガレソコメンテーターやパネラーとしての出演依頼はよくいただきますけど、出るメリットをあまり感じていないので断っています。テレビでの継続的な需要があるかはさておき、僕自身がベールに包まれているので、初速のニーズはあるかもしれないですけどね。書籍のお話などもいただくんですけど、本当にめんどくさがりなので…企業などの連絡を無視してフォロワーのDMを優先しちゃうんです。
――では、今後もツイッターのアカウント運営を続けていくと。
滝沢ガレソ昔はフォロワー何万人という定量的な目標があったんですけど、いまはとくになくて。目標がないことは課題ですね。やんわりとした将来のビジョンとしては、末長くやっていきながら、自分的にめちゃくちゃおもしろいニュースと出会って、ひとつでも多くそれを取り上げていくこと。それがネットでしか扱えないニュースだったらよりいいですね。
『就活で嘘ついたら大失敗した話』
原案:滝沢ガレソ/作画:イズー(C)リアコミ
大学時代の就活にまつわる実話を取材して漫画化。色々なバイトが続かず、就活もサボり気味だった滝ガレ。無職回避のために思いついた、起死回生の行動とはー…!?
●エピソード一覧はこちら(外部サイト)
1話目『就活で嘘ついたら大失敗した話』
https://reacomi.com/series/comic0102_01/001
●全話無料の体験談漫画サイト『リアコミ』(外部サイト)