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滝沢カレン、作家デビューは「私にとって最高のプレゼント」ブレイクのきっかけ四字熟語あだ名“封印”にも言及
小学生時代は好きな男子にからかわれたことで、言語感覚を恥ずかしく感じたことも
滝沢カレン「タイトルをヒントに自由に物語を書いていいですよ」というのは、私にとって最高にうれしいプレゼントでした。一人っ子だった私はお話を読むのが大好きで、だけど集中力がなさすぎて1冊読み終わる前に次のお話が気になってしまうことがよくあったんです。そのうちお話とお話がごちゃ混ぜになっちゃったり、勝手な妄想でお話を繋げたり…そんなことを1人で楽しんでるような子どもだったので、あの頃の自分の頭の中を形にすることができるんだって。
──本書には〈コモロウはタライみたいに笑った〉(「うろんな客」)、〈頭の中が服いっぱいの洗濯機のようにこんがらがる〉(「変身」)など印象的な表現が多数登場しますが、こうした言葉はどんな発想で紡ぎ出されるのでしょうか?
滝沢カレン自分でもうまく説明できないんですけど、小さい頃はきょうだいがいない分、木や洋服や空と会話する時間がいっぱいあったんです。それらはどんな表現も否定しないというか、「その言葉は違うよ」とか言わない。あの小さい頃の自由さを、今も引き連れてこられているのかなと思うことはありますね。
──小さい頃から文章は書かれていたんですか?
滝沢カレン小学校の国語の授業で、提出した詩やコラムの中から選ばれたものが黒板で発表されるという素晴らしいシステムがあったんです。私はいつも張り切って提出していたんですが、あるとき好きだった男子にからかわれたことがあって。頭に浮かんだ言葉をそのまま表現すると笑われちゃうのかなって、急に恥ずかしくなっちゃったんです。それでも文章を書くことは嫌いにはならなかったんですが……。
──本書をはじめ、今や滝沢さんの文才は多くの人を楽しませてくれています。
滝沢カレン『馴染み知らずの物語』は本の情報サイト『好日好書』での連載と書き下ろしをまとめたもので、月イチ連載が始まって5年。少しずつですが「あの表現が面白かった」と言ってくれる人が増えていることが夢みたいです。しかも1冊の本にまでなって、小学生の頃の自分の肩を叩いで「よかったね」って言ってあげたいです。
「まさかこんなことになるとは……」センセーショナルだった四字熟語あだ名“封印”の理由
滝沢カレン当時は、私の人生すべてが四字熟語あだ名に染まっていた時期があったのを覚えていますね。いろんな番組で「四字熟語あだ名をつけてください」と言われるようになって。もともとは漢字って面白いなという興味から、友達の間でたまにやっていた遊びにすぎなかったので、「まさかこんなことになるとは…」と自分が一番びっくりしていました。
──その四字熟語あだ名も1年ほどで“封印”されましたが、なぜだったんですか?
滝沢カレンだんだんよく知らない方からも「四字熟語あだ名を付けてください」と言われるようになったんです。自分の中にその方のイメージもないままに、もしもその方の傷つく漢字が1文字でも入れてしまったら取り返しがつかないことになるじゃないですか。だからもうやめたほうがいいなと思ったのと、あとはこれを“芸”にするのは違うなと思ったんです。
──“芸”にするのは違う、とは?
滝沢カレンバラエティは芸人さんたちのお城で、モデルの私はそこにノックしてお邪魔させていただいている立場。もちろん同じ場所にいさせていただく以上は「モデルだから片手でやります」というのは絶対にダメだけど、それでも芸人さんたちにとって守りたい場所を遊びで染めてしまうのはいけないなって思ったんです。
──芸人さんへのリスペクトがそこにはあったんですね。
滝沢カレン誰しも守りたい場所ってありますよね。私にとってそれはモデル。もしもファッション誌の表紙を毎号のように芸人さんが飾っていたら絶対に悔しいし、負けないように頑張らなくちゃと思います。テレビをはじめ、いろんなお仕事をいただけばいただくほど、モデルとしてちゃんとした仕事をしたいという気持ちは強くなります。