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ORICON NEWS
オートミール市場、4年で約10倍に伸長、主食化の流れから“第4の米”に注目
ダイエット食から“健康食”へ コロナ禍を機に認知度が急上昇
2020年の前半に、ダイエットにおすすめの商品として次々とSNS上で取り上げられたことから、人気に火が付いたオートミール。その後、ご飯など“主食”の代わりとして「米化オートミールレシピ」なるものも登場し、メディア等で紹介され話題を集めた。売上にして、2019年の6億4000万円から約18億円へと1年で3倍へ伸び、翌21年には49億へ成長。2017年と比べると、実に10倍の急成長だ。コロナ禍での健康志向の高まりなども追い風となって、オートミールへの注目が高まっていったのだ。
2020年の前半に、ダイエットにおすすめの商品として次々とSNS上で取り上げられたことから、人気に火が付いたオートミール。その後、ご飯など“主食”の代わりとして「米化オートミールレシピ」なるものも登場し、メディア等で紹介され話題を集めた。売上にして、2019年の6億4000万円から約18億円へと1年で3倍へ伸び、翌21年には49億へ成長。2017年と比べると、実に10倍の急成長だ。コロナ禍での健康志向の高まりなども追い風となって、オートミールへの注目が高まっていったのだ。
これまで多数の商品を展開してきたケロッグも、「こんなに急激に市場が伸びることがなかなかない」と当時の状況を振り返る。そのタイミングを逃さぬようにと、新商品の開発も急ピッチで進めたという。同社が最初にインスタントのオートミールを発売したのは2021年の4月のことだった。
「これまでシリアルを食べていなかった方にもお召し上がりいただいているので、カテゴリー全体で見ても、重要な変化だったと思います」(マーケティング本部 ブランドマネージャー 西村香里さん/以下同)
同商品でターゲットにしたのは、もともと需要のあった20代のダイエット層。事前調査で、シリアルのように牛乳で食べる人たちは離脱率が高いという結果が出ていたため、話題となっていた「米化」をより多くの人に知ってもらい、ご飯の代わりに「主食として」食べてもらおうと意図していた。
その後の6月、NHKの『あさイチ』でオートミールが特集されると、購買層は大きく変化した。40代、50代にも認知が広がり、「健康にいい」「腸内環境が改善できる」などの健康的な部分が支持されるように。ダイエットに特化したニーズだけではなくなり、認知度もそれ以降徐々に上がって9割まで上昇した。実際に食べたことがある人は1割程度とまだ少ないものの、シリアルやグラノーラと違い、ダイエットだけでなく、健康にいい、食物繊維豊富、糖質もご飯より低いといいった様々な角度からの情報がメディアでも取り上げられ、認知を広める要因になっているようだ。
“主食化”に伴い幅広い層へ浸透 商品名・売り棚にも緻密な戦略
多彩なアレンジができるで、朝食だけでなく、ランチや夕食と、食べるシーンも拡大。オートミールを、“主食”として食べる人が増えた。ご飯の代替としてオートミールを食べて「105kgから65kgにやせた」というツイートが話題になり、健康食、腸活で注目の発酵性食物繊維が豊富な食物として、ブームを加速させていった。
「開発チームが様々な種類のオーツを取り寄せて、配合を研究しました。粒感がしっかりとある食感ともちもちした感じの両方がないとごはんの食感にはならないので、試行錯誤を重ねて黄金比を研究し、商品を完成させました」
同商品のターゲットは、オートミールを知っているけれど、“まだ食べたことのない”層。「おいしくなさそう」や「どうやって食べたらいいかわからない」というネガティブなイメージを払拭すべく、開発を進めた。
さらに、認知拡大のために各店舗での試食販売も昨年から徐々に再開。新たなユーザー獲得には、シリアルではなくお米のコーナーに商品を置くことだった。お米に並んで陳列されたことで、今まで認知されなかった層にも“米化”が強調され、注目されるきっかけづくりとなった。現在では同商品をお米コーナーに置いてある店舗は当初から約25倍に増え、シリアルの壁を越え“主食”として認知されつつある。今までシリアルコーナーには立ち寄らなかったシニア層にも、オートミールの認知が広がっている状況だ。
「リピート率がかなり高いのが特徴で、実際に買っていただいた方に、ご飯の代わりになると実感していただいていることを感じています。食べる頻度が高いからこそ、代替品となることがしっかりこの商品の強みになっていると思います」
白米、玄米、雑穀米に続く“第4の米”「米を食べる文化があるからこそ成り立つ商品」
「パックごはんと同じように1〜2分のレンチンで作れることは、炊飯器で炊くよりも手軽で利便性が高いと言えます。ひとり暮らしの方や、お子さんがいる方など、食べたい時に必要な量だけ作れるのは大きな利点ですよね。最近では、お子さんの食事に活用している方も増えているようです」
現在放送中のCMでも、電子レンジをあえて映像で出し「レンジで90秒!まるでごはん」とテロップもつけることで、簡便さを強調しているという。どんなライフスタイルにも合う食品であることが印象づけられれば、より購買層も広まっていくだろう。
洋食化が進み、米離れが叫ばれる昨今の日本。しかしやはり、日本人の食生活において、米は重要な“主食”だ。だからこそ、オートミールの米化は大きな意味を持つ。
「日本人がお米を食べる文化があるからこそ、この商品は成り立ちますし、主食として定着するきっかけが作れたと思います。海外のオートミールとは取り入れ方が全く異なり、オートミールの米化は日本ならではの現象と言えます」