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Netflix映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』の面白さや魅力、楽しみ方
静止してる物体を1コマ(1コマ=1/24秒)ずつ動かして制作されるストップモーションアニメは、とにかく手間がかかる。ギレルモ・デル・トロ監督は2011年から同プロジェクトに取り組んできたそうだ。制作に膨大な時間と努力が重ねられたことはわかりつつも、正直、ストップモーションアニメとは思えない“手作り感”とは別次元の出来栄え。
監督は「とにかく“演技”を大切にした。そして、沈黙や(通常なら)不必要なジェスチャーをアニメーションで描いた。この世界が生きていることが、感じられると思う」と、余分な動きをあえて描いていることを明かしており、それが、キャラクターに親近感を抱かせるのかもしれない。徹底したこだわりが詰め込まれた文字通りの“渾身(こんしん)作”だ。
何よりも人生に本当に大切なものに気付かせてくれるような、せりふの数々がちりばめられたストーリーが素晴らしい。ゼペットが愛する我が子を失った悲しみを癒すため、木で少年の人形を作り上げる、誰もがなじみのある始まりのその前に、愛する我が子を失う経緯を描いているところから、ギレルモ・デル・トロの工夫と思いが込められているように感じた。ピノッキオがこの世に居場所を求めて冒険を繰り広げる姿を通して、人生には苦難も、葛藤も、そして痛みもあること、命には必ず限りがあること、さらには「父性」というテーマも掘り下げられている。語り手となるセバスチャン・J・クリケットが「知ってる話だと思うかもしれない。でも違う」と語っているように、デル・トロ ならではの世界観に引き込まれる。
出演者一覧
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