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ORICON NEWS
発達障害の夫と離婚…「話が通じない」パートナー相手に心を病んだ妻、その葛藤と決断とは?
離婚後知った症状…問題の本質がようやく知れた“希望の光”
――この漫画を描こうと思ったきっかけを教えてください。
アゴ山さんテーマの通り、私が経験をしたことなのですが、それまで「カサンドラ症候群」はとてもマイナーなものだと思い込んでいたのですが、離婚後にたくさん同じように苦しんでいる人が居るということを知りました。少しでも同じ経験をした方に共感していただけたら、と思い描き始めました。
――発達障害(アスペルガー・ADHD)は、近年メディアで取り上げられることも多く、言葉として浸透してきているかと思いますが、それと対になるはずの「カサンドラ症候群」はまだ聞き慣れないように感じます。アゴ山さんはいつ知りましたか?
アゴ山さん私自身も離婚の直前にようやく知りました。のちに調べたことですがここ数年〜10年の間に認知され始めた言葉のようです。もっと早くに知れたのなら、当時はあそこまで苦しまなかったのかな…? と思いました。
――ご自身が「カサンドラ症候群」だとわかったことで、心境の変化などありましたか?
アゴ山さん初めて分かった時は、何か希望の新しい光を見たような、それくらい衝撃的でした。それまでずっと周りには理解されず、常に自己嫌悪に陥っていたのですが、問題の本質がようやく知れた気がしてとても救われた気持ちになりました。
「好きだったから」すべて受け入れて結婚…子育てが一番つらかった
アゴ山さんもともと友人関係も長いのもあってか、変わった行動や変な性格はすべて「面白い人」とまとめていたこともあります。実家との揉めごとや愚痴などはありましたが、当時は元夫がとても好きだったので多少の短所は受け入れていたからです。
――つわりや出産後の育児でも苦労されていましたね。離婚するまでの間で一番アゴ山さんが精神的に追い詰められたことはどんなことでしたか?
アゴ山さんやはり子どものことで、意見がまったく合わなかったことです。手伝いなどの物理的なものではなく、子どもの気持ちや子育てでの相談事が伝えても伝わらなかったことが悲しかったです。悩み事もいくら話しても話しても伝わらない…。宇宙人と話しているような気持ちで、家族なのに孤独感がたくさんでそれがとてもつらかったです。
――そこから離婚を決意するわけですが、きっかけは?
アゴ山さん単純なのですが、友人が離婚をしたことでした。それまで何故か脳内を縛り付けていたのか、「離婚」の一文字も考え尽きませんでした。
――離婚までに1年〜2年ほどかかったということですが、この選択をして一番よかったと感じることは?
アゴ山さんネタバレにもなるのですが、上の子が元夫を怖がっていたので、たくさん笑うようになってくれたことです。私も話が通じない相手と暮らさなくなったことで、今までの日常がおかしかったなと冷静になれ、とにかく笑える毎日を過ごせていることです。
子どもが私の宝物「マイホームで幸せな家族を築きたい」
アゴ山さんやはり「うちも同じです!」と同じ経験をされている方が予想以上に多かったことが印象的でした。それだけまだカサンドラ症候群という言葉が認知されず、陰で苦しんでいる人がいるということですね。
――共感のコメント以外には?
アゴ山さん「発達障害」というセンシティブなものも絡んだテーマになるので、やはり批判のようなコメントも頂いたこともあり、描き方も注意していかなければなと常に思っています。
――アゴ山さんと同じ経験をしている人へ、アドバイスやメッセージをお願いします。
アゴ山さん私は結果として「離婚」という選択をしましたが、もちろん私と同じような選択をお勧めしているわけではありません。相手の特性を理解しながら、上手く結婚生活を続けている夫婦もたくさんいらっしゃるので、配偶者のアスペルガーや自閉症スペクトラムなどの特性をきちんと理解してあげることが大事なのかな、と思っています。
――お子さんを育てながら離婚を決意し、そこに至るまで大変だったと思います。その中でご自身の心の支えになっていたものは?
アゴ山さんやっぱり子どもたちですね! 子どもが可愛くて私の宝物なので、「この子たちと幸せになりたい…!」と思って踏ん張りました。あと猫2匹飼っているのでその子たちも心の支えです。
――最後に、今後の目標や夢がありましたら、お聞かせください。
アゴ山さん最後の最後で物欲になりますが、やっぱりマイホームが欲しいです!(笑) 小さくてもいいので、マイホームで子どもたちと幸せな家族を築いていきたいです。
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