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『格付けチェック』で一流芸能人を欺いてきた『ほぼカニ』 「だますことが目的ではない」
「夏場にも練りを食べて!」切実な思いから企画が始動 本物のカニを研究し尽くし、試作は100回以上に
そもそも「ほぼカニ」はなぜ生まれたのか。カネテツデリカフーズ経営戦略室の高浦良子氏は2つの狙いがあったと話す。
「弊社のメインである練り製品の需要期は秋冬(おでん)やお正月(かまぼこ)でした。そこで、夏場にも練り製品を食べて頂きたいという思いがあり、シーズンに関わらない商品の開発が望まれていました。また、当時はカニの価格が高騰しており、普段の食事で手に届きにくい存在になりつつありました。このような状況から、これまでにない圧倒的にカニに近い『カニ風味かまぼこ』が開発できれば、お客様の役に立てるのではないか。『これがあれば十分、もうわざわざ高いカニを買ったり食べに行かなくてもよい』と思って頂けるような、本物のカニが悔しがってくれるような商品を作ろうと考えたのが開発のきっかけです」
そして、「世界一ズワイガニに近いカニ風味かまぼこ」を目指して開発に着手。しかし発売までの道のりは簡単ではなく、「味」と「食感」の再現に苦労した。
「カニの味を再現するために、本物のズワイガニのアミノ酸分析を行い、味の研究を行いました。100回以上試作を重ね、本物のカニのアミノ酸値に近づけていきました。そして食感ですが、本物のカニの繊維の向きやほぐれ感を徹底的に研究し、本物に近い食感を再現しました。特に口の中にいれた際の繊維のほどけ方は、従来のカニ風味かまぼこと大きく異なり、『ほぼカニ』と呼ぶにふさわしいものに仕上げることができたと思います」