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“報道離れ”が追い風に? 忖度なしの『ABEMA NEWS』が若者を惹きつける理由「炎上は議論の始まり」
説明責任を果たさないマスメディアに疑問「報道への批判に対して、無視せず議論すべき」
山里亮太&蒼井優の結婚会見、宮迫博之&ロンドンブーツ1号2号田村亮の謝罪会見などのノーカット生中継や、長時間に渡る災害報道、ひろゆき氏や政治家、YouTuberらの忖度なしの弁論等で独自の報道スタイルを貫いているABEMA NEWS。そのコンテンツは、総合プロデュースを務めるABEMAの代表取締役社長・藤田晋氏の“マスメディアを目指す上ではニュースが柱になるべき”という考えから発足された。開局から5年の間で、ユーザーはどのように推移してきたのだろうか。
「いかに予定調和を崩せるか」生放送でも台本にコメンテーターの意見は一切明記なし
速報性、正確性、公平性が常に求められる“報道のあるべき姿”は、世間は諦めつつある。特に若者たちは、台本を読むだけ、求められたコメントを言うだけ、といった地上波の“予定調和”への嫌悪感が顕著だが、ABEMAのマインドはまさにそこにあった。緊急会見が入れば、予定されていた番組内容をすべて変更して、ノーカット生中継を行う。「いかに予定調和を崩して昨日と違うことをしようというマインドを持ち続けられるか」を常に意識しているという郭氏。“報道離れ”した若者たちを惹きつけるのも納得だ。
右派・左派・スポンサーへの忖度もなし「不祥事を起こした人が一発退場でいいのか」
「メディアは簡単には変わらないものだと思われていますが、だからこそ変わることが大事で、実名報道、犯人視報道、決めつけ報道、不倫報道、世間が“何のためにこの報道をしているの?”と感じていることに対して、答えを明確に提示していきたい。これまではメディアが発信を独占していたけれど、もう違う。みんながメディアの時代です。様々な立場の人同士が話し合い、更に視聴者の意見も受けとめて、社会のニーズに応える番組作りが必要なのではないかと」
「番組を見てフラッシュバックしてしまう人がいたり、意図せずとも誰かを傷つけてしまったりすることもあると思います。様々な配慮をして番組を作りましたが、全員を納得させることは難しいです。それでも、事件や不祥事を起こした人について報道で袋叩きにして、一発退場でいいのか?と思うんです。なぜそうしてしまったのか?という議論の場を設けて、セカンドチャンスは絶対あるべきだと思います」(郭氏)
(取材・文=奥村百恵)