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ORICON NEWS
多様な芸能人とアスリートが作る“新しいサッカー” 東京2020大会でみられた“多様性”が変えるスポーツの未来
“多様性と調和”が輝いた東京2020オリンピック 性別や国境を越えた行動や施策が話題に
水泳の男子シンクロナイズドダイビング10メートル高飛び込みで金メダルを獲得した英国のトム・デイリー選手は、LGBTQ+を公表していた選手の1人。2017年には同性での結婚、2018年には代理母出産で男の子を授かっている。金メダルを獲得した時の会見では、「私はゲイで、金メダリストでもあります、と言えることを信じられないくらい誇りに思います」と語り話題となった。同時に「出自や性的指向などに関係なく、演技によってジャッジされる。スポーツは美しい」ともコメント。今大会のコンセプトを象徴する選手の1人として反響を呼んだ。
選手村でもイスラム教徒のためにハラール料理が用意されたほか、オランダの女子体操チーム、ドイツ男子バスケットボールのヘッドコーチなどは開催国日本への敬意を表し、レオタードに日本語でそれぞれ「オランダ」「ドイツ」と表記。ナショナリズムの高揚の装置であったオリンピックに国境を超えた“調和”が見られた瞬間だった。
東京2020オリンピックののちに行われた東京2020パラリンピックでは、開会式ではるな愛さんが登場。セレモニー冒頭に行われたダンスパフォーマンスに出演した。彼女自身、性同一性障がい を公表しており、LGBTQ+を象徴するタレントとして開会式を大きく盛り上げた。
そして、東京2020パラリンピック期間中に投稿された1枚の写真が、「“多様性と調和”を象徴する写真になった」と話題に。東京2020パラリンピックにて女子トライアスロンに出場した谷真海選手が、ビートルズの有名なアルバム「アビイ・ロード」のジャケット風に横断歩道を渡り、義足や車いす、視覚障がいの選手たちと写っている。「みんなちがって、みんないい」とのコメントを添えてTwitterに投稿された写真には「とても素晴らしい写真」「まさにその通りだと思う」「それぞれのかたちで、同じ場所、同じ道を、同じ目線で歩けるような世界になると良いですね」などといった反響が寄せられていた。
個性が強すぎるメンバーに芽生えた思いやり 互いの違いに気づき、生かし合うことで生まれる楽しさ
イベントでは 、性別・障がい・国籍など背景の異なる参加者が混然一体となったチームを作り、2つのプログラムを行った。前半のプログラムは「インクルーシブ メドレー サッカー」と称された、「アンプティサッカー」「デフサッカー」「目隠しサッカー」という3種の異なるサッカーをトライアスロンのようにメドレー形式でプレーするもの。3種のルールを連続して行うことを通して、さまざまな背景を持った参加者全員が異なる状況において一緒に協力してプレーすることで、想像するだけでなく実感を持ってそれぞれの“違い”に気づくこと、さらに、各選手に自分の長所を生かす場面ができるようにすることを狙いにしたプログラムだ。
続く後半のプログラム「みんなでつくるインクルーシブサッカー」は、前半での3種類の異なるサッカーの体験を元に、年齢や性別、身体的特徴や障がいの有無を問わず、誰もが一緒にサッカーの楽しさを共有できることを目指し、参加者同士で新しいルールを話し合い、皆で楽しめる「インクルーシブなサッカー」を作り出し、自分達で体験するという試みだ。
松岡は「日本は正直、ダイバーシティ(多様性)やインクルーシブに関する認識は、遅れていますが、この『Create Inclusive Sports』は一つのスタートであり、きっかけなので、どんどん挑戦して失敗して、より良い形を作り上げていければ良いと思います」と意気込みを熱く語った。
前半のプログラム「インクルーシブ メドレー サッカー」の最初のゲームでは、主に上肢、下肢の切断障がいをもった選手がプレーする「アンプティサッカー」を体験。慣れない松葉づえを両手にし、さらに片足でサッカーするという経験したことのないスポーツに、参加メンバーたちは悪戦苦闘。お笑いタレント・マテンロウのアントニーは、「松葉づえで自分の身体を支えるのが難しいので、シュートなんてできない。アンプティサッカー選手はすごいとあらためて感じました」とコメント。
ほかヘッドホン(イヤーマフ)を装着して音が聞こえない方々のプレーする気持ちを体験できる「デフサッカー」では、ジェスチャーでパスをつなぎ、積極的にゴールを狙う白熱した展開に。りんごちゃんは「普段、私たちは言葉でコミュニケーションしていますが、本当は当たり前じゃないんだってこのデフサッカーで感じましたね」と感想を話した。
アイマスクをし、目が見えない方々の気持ちでプレーする「目隠しサッカー」では、選手たちは自分の居場所を知らせるために、手に付けた鈴を鳴らし、見えない状況でもパスを繋ごうとアピール。キャプテンを務めた丸山は「特に難しい。一回もボールに触れられなかったんです。試合で一度もボールに触れないなんて……信じられないです」と驚きを言葉に。北澤は「自分がどこにいるか分からなくなる。“耳で見る”という感覚ですよね。声を出し合ってボールをつないでいく。それは自分だけの力ではできないこと」と、協力し合う重要さを伝えた。
この後行われた後半のプログラム「みんなでつくるインクルーシブサッカー」では、「誰もが楽しめるサッカー」をめざし、ゲスト全員がチームごとにどんなルールがあれば誰もが一緒に楽しめるのか、ディスカッションしルールを考えることに。チームごとに様々な意見が活発に交わされ、「ゆっくり動けば、ボールチャンスが平等で、性別も身体的特徴もなくみんなで楽しめる」という理由から「走るのは禁止!歩いてプレーする」といったルールや、「相手チームがゴールを入れたら1分間プレーヤーを追加する」など新しいルールを盛り込んだ「インクルーシブサッカー」が完成。その後、参加者全員によって作り出された新しいルールのもと「インクルーシブサッカー」を実践し、各自がそれぞれの持ち味を生かしたプレーで会場を沸かせた。
「最終的には多様性を含めて“人”を感じること」P&Gが30年近く行ってきた試み
また同社は、2016年に社外啓発組織「P&G ダイバーシティ&インクルージョン啓発プロジェクト」も発足し、独自に開発した研修プログラムの無償提供を軸に、他企業へのレクチャーなども行っており、これまで700社以上に、ノウハウを提供している。
イベントの最後には、松岡が「固定観念にとらわれないこと、そして感じることが大事だと思いました。最終的には多様性を含めて“人”を感じること。サッカーだけじゃなくて、スポーツだけじゃなくて、日本がこれから最も大事にしてほしいことを今日は実現できました」という言葉で締めくくっているが、『Create Inclusive Sports』はこうした今後の社会への期待を感じられたのはもちろん、年齢や性別、身体的特徴や障がいの有無等関係なく、互いを認め合い生かし合うスポーツの未来の可能性を示した。
P&Gの掲げる「平等な機会とインクルーシブな世界の実現(E&I)」が実現すれば、このイベントのように多様な人々が共に参加できるスポーツの祭典も実現するかもしれない。
※P&Gは、2010年7月、国際オリンピック委員会(IOC)と「TOP(The Olympic Partner)プログラム」の契約を締結し、2018年8月より、IOCとのTOPパートナー契約に加え、東京2020との間で「東京2020パラリンピックゴールドパートナー(契約カテゴリー:パーソナルケア及びハウスホールドケア製品)」の契約を締結しました。また、2020年7月、国際オリンピック委員会(IOC)とのオリンピックのワールドワイドパートナーシップを2028年まで延長し、さらに国際パラリンピック委員会(IPC)と2021年以降のワールドワイドパラリンピックパートナーに関して同意しました。
https://www.myrepi.com/family/activities/cpn-know-multibrand-lwl-event-2106/
■ Lead with Love キャンペーンWebサイト
https://olympics.pg.com/tokyo-2020/ja/pg