(更新:)
ORICON NEWS
堀米雄斗、マーベル映画最新作『シャン・チー』に期待 「僕はスケボーで、シャン・チーは新しいヒーローとして世界を変えてほしい」
ヒーロー映画はもっと頑張ろうというモチベーションにつながるから好き
「『アイアンマン』は、『アベンジャーズ』がきっかけで好きになりました。自分からどんどん戦っていって、仲間を集めて引っ張っていく、そういうリーダー的存在なところに惹かれました。ヒーロー映画はもっと頑張ろうっていうモチベーションにつながります。アクションもすごく面白いので、友達とよく観に行きます」
そんな堀米選手が、公開を前に、公式HPで公開されている『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の予告編を鑑賞。映画『シャン・チー』は、今までにないアクションも見どころのひとつだが、堀米選手もそこが気になったようで「シャン・チーのアクションを(予告編で)観て、早く本編でちゃんと観たいって思いました。どうやってお父さんを倒していくのかもすごく気になっています」と公開を待ちきれない様子。
また、予告編で一番印象に残ったのは、主人公シャン・チーの父親が手下に「息子には勝てない」と伝えたシーンだと言う。その背景には、シャン・チーの生い立ちと重なる堀米選手自身の体験があるようだ。
シャン・チーは、子どもの頃から父親に苦しい修行を強いられ、犯罪組織の後継者として、誰にも負けない“最強”の存在になるべく厳しく鍛えられた。堀米選手もまた、元スケートボーダーの父親に、小さい頃から鍛えられてきたのだ。
「教えてくれることはうれしかったけど、厳しいこともありました。友達とスケボーをしているときは楽しいけど、お父さんと2人のときはなにか満たされないときもあったので、早くお父さんを追い抜きたいと思っていました。どんどんうまくなって、お父さんと同じ技を練習できるようになって、お父さんを越せたときは、ただうれしかったですね」
堀米選手が15歳で迎えた「自立」シャン・チーの生い立ちと重なる部分も
もちろん、シャン・チーは父親との「決別」、堀米選手は父親からの「自立」と意味合いは大きく異なる。現在、スケボーの本場、アメリカ・ロサンゼルスでプロスケートボーダーとして活躍する堀米選手は、父親に「感謝している」と話す。東京五輪で金メダル獲得時、荒川でサイクリングをしながら結果を待っていたという父とのほっこりした関係性も話題となった。
同作では、父との親子関係の変化が見どころのひとつに。シャン・チーは厳しい修行を受けた過去と決別し、アメリカ・サンフランシスコで平凡なホテルマンとして暮らす。「二度と戦わない」と誓って父親の元で養った“力”を封印するが、悪に染まった“最凶”の父の陰謀に巻き込まれ、一筋縄ではいかない葛藤のドラマが展開していくという。
「シャン・チーは、最後はお父さんと戦うことになると思うんですけど、お父さんのことが嫌でも、倒したくない、殺したくないって気持ちもあると思うんです。でも、シャン・チーには、お父さんを倒して、お父さんの今までの考え方を直してほしい。そして最終的には優しい、いいお父さんに戻ってくれたらいいなと思います」
シャン・チーは過去を捨て、新しい自分として生きるため。堀米選手はプロのスケートボーダーとして活躍するため。状況は違うが、シャン・チーは15歳、堀米選手は15歳でのアメリカ遠征開始を経て、高校卒業後の18歳で、夢を叶えるために単身、アメリカで生活をし始めたところも2人は共通している。
「シャン・チーがお父さんの後継者になりたくないからと、15歳で故郷を捨てて、一人でアメリカに渡ったのはすごいことだと思います。一人で考え、一人で行動できる人なんですよね。僕が大会に出るために初めてアメリカに行ったときは、お母さんが同行してくれて、そのあとはずっと一人で行っていましたけど、大好きなスケートボードを本場のアメリカで頑張りたいっていうただそれだけで、他は何も考えていなかったので(笑)。英語が喋れないとか壁はありましたけど、友達とスケートボードでコミュニケーションをとることができていたので楽しかったですしね。高校卒業後に移住を決めたのも、アメリカでプロにならない限りごはんを食べていけないし、小さい頃から憧れていたプロスケーターはみんなアメリカに住んでいたので、そうなりたいと思ったからです。食事も含めて日本が大好きなんですけど、スケートボードはやはりアメリカが本場なので」
大会で数々の記録を残しながら、さらなる高みを目指して、今もアメリカで、日々、鍛錬を積んでいる堀米選手。スケートボードの世界では、まだ世に出ていない技はたくさんあり、自分で考え、組み合わせれば、まだまだ数えきれないくらいトリックを生み出すことができることから、「それを自分で見つけて、大会で出したり、映像に残したい」と抱負を語る。
“本当の強さ”とは、自分を越えていく“心の強さ”
「自分の心がどれだけ強いかだと思います。自分がどうしたいかとか、自分がやりたいことがちゃんと見えていれば、自分との勝負になってくるし、目標にしているものが高ければ高いほど、達成するためには、自分を越していかないといけないので」
今、トップスケートボーダーとして世界中から注目を集めている堀米選手は、マーベル作品の新しいヒーローとして登場したシャン・チーについて、共にニューヒーローとして、何を期待するのだろう。
「シャン・チーには新しいヒーローとして世界を変えていってほしいと思います。自分自身も、スケートボードってアメリカではすごい知られているけれど、日本ではまだまだだし、世界中どこでもスケートボードを知っているというわけではないので、世界の人たちにもっとスケートボードの楽しさや奥深さを伝えていきたい。世界のスケートボードシーンのレベルを自分が上げられるようにしていきたいです」
3年後のパリ五輪はもちろん、その4年後、小さい頃から夢見ていたスケートボードの聖地・ロサンゼルスで開催される五輪にも出られるように頑張りたいと語る堀米選手。同時に、スケートボードの映像作品を作り、ストリートカルチャーとしてのスケートボードの普及にも努めたいと目を輝かせる。
「最終的な目標は、大会とか最前線で活躍できなくなっても、スケートボードに乗っていたいです。おじいちゃんになっても乗っていたいし、スケートボードにかかわる仕事をやっていたい。あと、スケートボードをやっている小さい子たちが、アメリカでも日本でも頑張れるようサポートもしていきたいです」
取材・文/河上いつ子
インフォメーション
9月3日(金)全国公開
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイトはこちら(外部サイト)
(C)Marvel Studios 2021