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SixTONES × King Gnu常田 新たな世界観が爆発するニューシングル「マスカラ」がリリース
“大人すぎず子どもでもない男の儚さ”――常田大希の世界観を表現したSixTONES
そんな“音楽のおもちゃ箱”のような同アルバムは、「オリコン上半期ランキング 2021」の「作品別売上数部門 アルバムランキング」で1位を獲得。どんな音楽ジャンル・楽曲も消化して自分たちの色にしてきた“カラフル”な彼らの次なる楽曲が「マスカラ」だ。作詞作曲はKing Gnu/millennium paradeの常田大希。切なく印象的なアルペジオから始まる同曲はEDMと混じりつつ、歌詞の合間合間にファンクを挿入。「強くなれたならば素直になれるかな」の歌詞からスタートするサビ部分からは一気にゴージャスな演出が花開き、SixTONESの若さとパフォーマンス力とスター性が引き出されていく。
歌詞はアダルトなラブソング。「飾らない笑顔」「ありきたりなキス」「見えすいた完璧なフリはもうやめて」など、キラキラやスイートをとっくに通り過ぎてしまった恋人たちの姿が描かれており、語感一つひとつが“常田節”で刻まれる。切なさと退廃、かすかに見える希望、救いを求める声…これらを囁くように歌うSixTONESの姿は新鮮であり、SixTONESが歌うことによって“常田節”に“大人すぎず子どもでもない男の儚さ”が加味されていく。そもそもSixTONESは高身長の多いグループ。細く長い首筋やうなじ、手足や指から“男の色気”が醸し出されており、これはMVでハッキリと感じとることができる。
舞台はホテルのような一室。AメロBメロではダンスは控えめで憂いある官能的なパフォーマンスが中心。サビからはギターをかき鳴らすようなアクティブな振り付けが入り、AメロBメロとはまた違ったヘルシーな色気を発散する。もちろん彼らは服を着ている。だがそのボイスとパフォーマンスはまるで一糸まとわぬ彼らのありのままが映し出されているようで、SixTONESにとってのnaked(裸の)songになった印象がある。
進化し続けるパフォーマンス 難しい曲調も自分たちのカラーに染める稀有な存在
「マスカラ」通常盤(C)Sony Music Labels Inc.
これに視聴者からは「常田さんらしい曲、いい曲もらったね」のほか「常田節炸裂で鬼難しい。それを歌えているのがすごい」「常田さんらしさとSixTONESらしさを兼ね備えた大人の曲。やはりSixTONESの音楽は無限大」「京本(大我)くんの声がきれい」「松村北斗くんの低音がたまらない」「6人の色気になじむ曲」「田中樹の色気がダダ漏れ」など絶賛の嵐に。
過去にジェシーが「きちんと音楽をつくれば、国境や人種に関係なく心に届くはず」と話していたが、そんな世界進出を目指せる第一歩としては上出来だった。とくにラスト、メンバー一人ひとりがワンフレーズずつカメラ目線で歌うシーンは圧巻。ジャスティン・ビーバーの影響を受けて“自分らしさ”を大切にしている森本慎太郎の独自の憂いを帯びた瞳は印象的で、高地優吾(高ははしごだか)の消え入りそうな儚いボイスも併せて、見どころが盛りだくさんだった。
何度も強調するが、常田による楽曲を歌うことは本当に難しい。彼らも見事、歌いこなせてはいたが、まだまだ完成形ではないようにも思える。つまり、この先がまだあるような“可能性”を感じさせる。松村北斗はSixTONESについて「このグループはファンとともに成長していくグループ」とよく発言しているが、この「マスカラ」もファンと一緒にさらに完成に近づいていくに違いない。大人でもなく子どもでもない──彼らの儚くもろい“未完成”の魅力は“今”しか感じられない。そんな“今”が同シングルには込められている。
どんな時も自分らしくあろうと背中を押してくれるエールソング「フィギュア」
そのMVは、本人たちが登場しないアニメーションでこれは「うやむや」以来のリリックMV。アニメーションは「うやむや」に続き“えむめろ”が担当しており、ラストは、世界中のイラストシーンの最先端を横断・紹介する図録の最新刊『ILLUSTRATION 2021』の表紙を飾ったことでも話題となった香港在住のイラストレーター“リトルサンダー”が務めている。
ファンからは「いい意味でいつも斜め上なので初披露が楽しみで仕方がない」「ボカロ系だからか、私の子どものハートまで掴んだ様子」「落ち込んだ時に聞くと元気が出る」「毎朝、出勤前に聞いている」「他グループ担当だがこれはいい!」「声の混ざり具合が耳にしっくり来る」「後悔のない生き方をしようと思った」など歓迎するコメントが多数。耳馴染みがよく、カラオケでも今後多く歌われそうな楽曲で、「マスカラ」との振り幅に改めて驚かされる。
SixTONESはYOSHIKIプロデュースの「Imitation Rain」を筆頭に様々なクリエイターたちとコラボしてきた。を筆頭に様々なクリエイターたちとコラボしてきた。全編英語の楽曲にもジャニーズのなかでいち早く挑戦していたし、様々なジャンルの楽曲を己がものとしてきた。つまり、彼らは“アイドル”という枠を利用して心地よい音楽をジャンル問わず送り届けてくれる存在だと言える。アクロバットに主戦場を置いていないし、しゃかりきなダンスをウリとしているわけではないかもしれない。だが“魅せる力”はジャニーズでもトップクラス。パフォーマンスすることで大衆を巻き込んで圧倒させてきた、そんな彼らが新たなジャンルと出会うことでどんな化学反応が起こっていくのか?
今後“アイドル”としての在り方をさらに更新していくだろうSixTONESを、我々も妙に気取ったりせず、「マスカラ剥がれたまま」追い続けていきたいと思う。
(文/衣輪晋一)