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ORICON NEWS
YUKI新作アルバム『Terminal』が導く独創的なポップス 20年代音楽シーンにおける“一級品”
常にアップデートするYUKIの音とスタイルを堪能できる13曲
アルバムの後半には、生楽器を軸にした楽曲が収められている。林正樹(Piano)、須川崇志(Ba)、石若駿(Dr)、類家心平(Tp)など、現在のジャズシーンを支える気鋭のミュージシャンが参加した「泣かない女はいない」(ボブ・マーリーの名曲「No Woman, No Cry」をモチーフにした歌詞も絶品)、ニューウェイブとソウルミュージックの邂逅(かいこう)と呼びたくなる「Sunday Service」(作曲とアレンジは、ソロデビュー直後からYUKIの活動を支えてきた白根賢一が担当)など、ジャンルを超えたバンドサウンドを表現している。
“YUKIの音楽だ“とわかるオリジナリティと、“こんなYUKIは聴いたことがない”という斬新さ
アルバムタイトルの『Terminal』という言葉には本来、“終着地”という意味があるが、YUKIは“人と人が行き交う場所・出会う場所”、“出発地点”という解釈でこのタイトルを付けたという。ソロデビューからの時間のなかでYUKIは、様々なクリエイターやミュージシャンとの出会い、自らの音楽性を広げ続けてきた。YUKIという存在を通して多くの人が結びつき、豊かなポップスが生み出される――そのことを踏まえて彼女は、“らしさ”と“新しさ”がバランスよく共存する本作『Terminal』の制作に臨んだのではないか。
耳にした瞬間に“YUKIの音楽だ”とわかるオリジナリティ、そして、“こんなYUKIは聴いたことがない”という斬新さ。この両方を兼ね備えていることこそが『Terminal』の魅力であり、このアルバムによって、彼女は新しい場所に向かって進み始まるのだと思う。
(文/森朋之)
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