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Perfume、コロナ後のエンタメシーンに体現する新時代マルチメディアフェスへの挑戦

 結成20年、メジャーデビュー15周年を迎え、昨年から今年にかけてアニバーサリーにちなんだ活動を継続しているPerfume。9月からは『Perfume 15th&20th anniv with you all』と題し、周年イヤーの締めくくりとなる様々なプロジェクトが予定されている。アニバーサリーイヤーの活動を始め、彼女たちの今後を担うプロジェクトについて迫る。

アニバーサリーイヤーを締めくくるさまざまな企画から見るPerfumeのいま

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 まずは、この1年の活動を振り返っておきたい。2019年9月に初のベストアルバム『Perfume The Best “P Cubed”』をリリース。初週約10万枚を売り上げ、9/30付オリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得。通算8作目の1位となった。さらに10月にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)のこけら落し公演『Reframe2019』を8日に渡って開催。これは通常のコンサートと異なり、デジタル技術を駆使したアートな演出を着席で楽しむシアター系イベント。振り付け・演出のMIKIKO、ライゾマティクスとともにPerfumeの新しい可能性を提示した。

 『第70回NHK紅白歌合戦』に12年連続で出演し、2019年を終えたPerfumeは、2020年2月に初の全国4大ドームツアー『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome』を4都市7公演で開催し、全国のファンを熱狂させた(残念ながら2月26日の東京ドーム公演は、新型コロナウイルスの感染拡大による自粛要請を受け、開場1時間半前に中止)。

 そしてアニバーサリーイヤーを締めくくる『Perfume 15th&20th anniv with you all』の第1弾は、9月2日に発売されるBlu-ray&DVD『Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」。昨年リリースしたベストアルバムを携えて行った東名阪福ドームツアーのライブ映像商品だ。ベストアルバムの収録曲の中からファン投票が行われ、ドーム公演で聴きたい曲を募り、その集計の上位を中心にセットリストが組まれ、「ポリリズム」「TOKYO GIRL」などの代表曲を網羅したセットリスト、過去のライブの演出を取り入れながら、最新鋭のテクノロジーを駆使して、“2020年のPerfume”を体現するステージはまさに圧巻。中田ヤスタカの楽曲、MIKIKOによる振り付けと演出、真鍋大度をはじめとするライゾマティクスのビジュアルと映像、そして、演者であるPerfumeが生み出すケミストリーが、今も進化を続けていることを証明する作品だ。ライブ中のMCでメンバーが、この先もPerfumeを続ける意思を表明したこともファンの間で大きな話題となった。

 さらに9月4日(金)からは2週間限定で音楽ライブ映画『Reframe THEATER EXPERIENCE with you』が劇場公開。本作は前述したLINE CUBE SHIBUYAのこけら落とし公演『Reframe2019』を映像化したもの。副音声上映もが決定し、Perfumeのメンバーによる「おしゃべり副音声 with you」、ライゾマティクスの真鍋大度、石橋素が本作に使用されたテクノロジーについて解説する「技術解説副音声」から選択できる。
 
 第2弾は、9月16日にリリースされるシングル「Time Warp」。約2年半ぶりの新曲となる「Time Warp」は、80‘sのテクノポップを想起させるサウンドとともに、“タイムワープ”をモチーフにしながら、“限られた人生、瞬間瞬間を大切に生きたい”というメッセージを響かせるダンスチューン。音楽性、歌詞の内容を含め、周年に相応しい記念碑的な楽曲に仕上がっている。完全生産限定盤にはミュージックビデオやメイキング映像を収録した特典ディスクと、スペシャルグッズ“特製カセットテープ”が付属。カセットテープの収録内容は、発売日まで解禁されない、“購入者だけのお楽しみ”だ。

新時代のマルチメディアフェスを国内外で開催

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 そして、メジャーデビュー記念日である9月21日には、約7時間にわたってアニバーサリー関連活動のメイン・プロジェクトとも言える『“P.O.P” Festival (Perfume Online Present Festival)』を開催。最新テクノロジーと個性的なコンテンツを共存させた、新時代のマルチメディアフェスだ。

 当日はオンライン上にフェスティバル特設会場が出現。会場内にはヒストリーを観覧できる展示、メンバーが出演するコンテンツ、さらにグッズ販売、フードコート(クックパッドとコラボし、募集したフェスごはんのレシピを紹介)などが登場。さらに、Perfumeのスペシャルステージも。「Reframe」に代表される、Perfumeとライゾマティクスがさまざまな形で行ってきた最先端の演出を堪能できるパフォーマンスが予定されている。来場者はこの特別な1日の時間を同じ場所で体験し、それぞれの感動を共有できる時間とともに、オンラインだからこそできることに新たにチャレンジするPerfumeの魅力を堪能できるフェスになりそうだ。

 コンテンツは無料・有料に別れ、視聴者は各ブースのエントランスをクリックし、入場するシステム。有料コンテンツは、ABEMA、LINE LIVE-VIEWING、ニコニコ動画、U-NEXT、bilibili、Live Fromなどで配信される予定で、アメリカ、中国をはじめ海外にも配信される。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、音楽ライブやフェスが中止されているなか、ライブ配信事業が活発化している現在。『フォートナイト(FRONTINE)』内で行われたトラヴィス・スコットのバーチャルイベント『Astronomical』が世界同時接続者数1230万人を記録。BTSも6月に開催したオンラインコンサートで同時接続者数約75万人を記録するなど、海外では大規模な配信ライブが次々と実現している。日本のオンラインライブは遅れを取っている印象だが、Perfumeの『“P.O.P” Festival』は、複数のコンテンツを横断して楽しめるデザイン、フェス自体の規模を含め、アーティスト主導による国内最大級のオンラインフェスになるはずだ。音楽的なアプローチやデジタルとの融合によるライブ演出をはじめ、これまでもさまざまな挑戦を行ってきた彼女たちだが、コロナ後のエンタテインメントシーンの可能性を提示する、意義深いイベントと言えるだろう。

 また、9月22日からは「リアル脱出ゲーム」とコラボした『Perfumeの隣の部屋からの脱出』が東京ミステリーサーカス(新宿)で開催。液晶ディスプレイの映像に映されるPerfumeと協力しながら脱出に挑戦するイベントで、目の前にいるPerfumeと一緒に謎を解いているようなインタラクティブな体験ができるという。

 最新鋭の映像技術を駆使した未来的なステージ、MCなどで見える親しみやすいキャラクター、そして、『“P.O.P” Festival』からも感じられるファンとのつながりを大切にする姿勢。メジャーデビュー15周年・結成20周年の活動を通し、さらなる進化を続けるPerfumeには今後も大きな注目が集まりそうだ。

(文/森朋之)
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