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Zeppを有効活用した新たな音楽ライブ配信の可能性 「ファンを音楽から遠ざけてはいけない」音楽業界人の想い
Zeppで1日3組のライブを収録、リスクを分散する工夫
同社は9月8日より、ライブハウス「Zepp」を有効活用した有料オンラインライブのサービスを開始する。「Zepp」で1日に3組のアーティストのライブを収録し、それを1アーティストごとに毎週火曜日の夜8時から「60分のライブ映像」+「30分の生配信トーク」として、同社が展開する動画配信サービス「Stagecrowd」にて配信する「Dive/Connect@Zepp Online」である。
通常、ライブハウスでは1日1公演が行われる。それを、公演時間を60分にしたうえで、準備やリハーサル時間をできうる範囲で短縮し、13時半、17時、20時にそれぞれ1組のライブを収録する。ライブでのコストなどの企画運営リスクを極力分散して、厳しい制作環境下で参加のハードルを下げていることが特徴的だ。
同社は音楽レーベルのほかに、ライブハウス運営や配信プラットフォームなど、さまざま事業を展開している。そうした事業を横断し、時代の先を読みながら新たな企画やサービスを立ち上げるのが、同サービスのプロデューサーを務める篠原廣人氏の仕事である。
苦境に立ち向かうなかで立ち上げた心境について、次のように打ち明ける。
「ライブの環境は今後、どうなってしまうんだろうと自問自答していたなか、まずは正常に戻るまでの短期、中期、長期でどういうライブビジネスが起こせるのかを仮想しました。レコード会社として何をすべきか考えたときに、とにかく今は、ファンを音楽から遠ざけてはいけない。我々にはグループ会社にZeppというライブハウスがあるので、短期でやるべきことは、ライブができなくなったアーティストのためにライブパフォーマンスを発信できる環境を作ることだと思い立ったんです。
スタッフはかなりハードになりますが、そこは我々の底力を見せます」(篠原廣人氏:ソニー・ミュージックエンタテインメント、コーポレートビジネスマーケティンググループ、チーフ・ゼネラルマネージャー/以下同)