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ORICON NEWS
“たらこキユーピー”CMソング復活、歌っていたのはキグルミではなく元AKBだった
グッズ展開に流行語、レコ大まで生んだ人気CMの裏側に“インパクト”残す工夫
「キユーピー あえるパスタソースたらこ」のCM放映を開始した2004年から、キャラクターや楽曲に反響があり、2006年にはキグルミさんがCDデビューをするなど、ブームとなりました。商品の売れ行きも好調に推移し、その後グッズ展開やお菓子メーカーとのコラボなど、様々な形でお客様にたらこキユーピーの認知が定着しました。現在も、たらこ味は常にパスタソースカテゴリーの売上上位に位置付ける商品です。
――話題となった第1弾のCM『行進篇』ではどんなことを意識されましたか。
「一度見たら忘れられないインパクト」を強く意識しました。当初、CMクリエイターさんの頭の中には、シンプルに一匹のたらこキユーピーが唄いながらカメラに向かって来るというアイデアがあったそうですが、絵コンテにしてみると、可愛いけれども迫力がありませんでした。そこで商品特性の“たらこがタップリ”を伝えるため、たらこが群衆で行進するアイデアを取り入れました。また、BGMは聴いたら忘れられない微妙なマイナー調にするなど、作曲家さんに何回か書き直しをしてもらいました。
――1匹ではなく“たらこ群衆”の撮影は大変だったのでは。
コマ撮りで撮影したので、大変でした。たらこキユーピーの数が多く、人形を吊り下げたピアノ線が絡まったり切れたりして、仕掛けをやり直すなど苦労が多々ありました。
6年ぶりに「たらこ・たらこ・たらこ」ソング復活の理由とは
もともとお子様を持つ家庭がメインターゲットですが、2018年に商品がリニューアルしたことをお伝えする上で、当時のブームを子どもとして体験した方が商品のメインターゲットになっていることに着目し、改めて商品の魅力を伝えようとこの歌を起用しました。
――6年ぶりの当CMソング再起用となりましたが、歌い手はやはりキグルミさんのままなのでしょうか。
実は、話題となった第1弾『行進篇』の音源はキグルミさんではなくて、お2人は動画にも1度も出演したことはないんです。2006年にキグルミさんがリリースした曲は、CMの音源をシングルカットしたのではなく、CD化のためにアレンジして1からレコーディングした新曲でした。現在放送されているCMの歌い手は、元AKB48で現在は朝ドラなどに出演されている女優・加弥乃さん(元AKB48)と近野莉菜さん(元AKB48/元JKT48)です。彼女たちは、ちょうどキグルミさんがCDデビューしたりと話題になったタイミングで放送されていた当時のCMでも歌っていただいており、今回再起用させていただきました。
(※キグルミは声のみ、2006年「宇宙船篇」でCM出演)
放映当初の子供たちは現在大人になって懐かしく、今の子ども達には初めて触れるCMになりますので、“原点回帰”を考えました。構造とトーン・アンド・マナーは基本一緒です。その上で商品のリニューアルを伝えるため、バターがたらこキユーピーの頭に振り注ぐ場面を追加しました。このシーンではコマ撮りに加えて、CG技術を取り入れております。親御さんが子どもに「ママやパパが小さい時に観たのもこんな感じだったよ」と親子間の話題になり、昔からある絵本の1ページを親子仲良く観ているようなCMになっていると思っています。
――長年パスタソースを販売されている中で、時代に合わせて工夫を重ねている点があれば教えてください。
たらこキユーピーのキャラクター自体は変わりませんが、味づくりとお客様とのコミュニケーションに関しては時代とともに変化させています。味づくりに関しては「たらことバターの黄金比」というキーワードをフックに、手作りしたようなたらことバターの絶妙なバランスを追求した品位に改良しています。お客様とのコミュニケーションに関しては、2006年はTVCM放映を中心に進めておりましたが、現在はSNS活用や、たらこ特設サイトでアレンジレシピはもちろん、ダンスや知育ゲームなど家族で楽しんで頂くコンテンツも掲載しております。たらこはパスタソースの中で最も幅広い層に支持されている味なので、今後もたらこキユーピーというキャラクターを通じて商品の美味しさをお伝えしたり、コンテンツをお客様に楽しんで頂きたいと思っております。