(更新:)
ORICON NEWS
【高橋ダン】「世界恐慌以来の危機」はホント? GDP数値よりも大切な指標とは?
「世界大恐慌以来、最悪の景気に…」のウソが“PMI”数値から見て取れる
それはなぜか? 今から講じていきたいと思います。
コロナ禍で、多くのネガティブなニュースが世間に流れたのは皆さんも御存知の通り。最もインパクトがあったのは「GDPが世界大恐慌以来最悪の低数値をつけるだろう」という予想です。GDP=国内総生産の伸び率が経済成長率に値するわけですから、これはとても恐ろしい言葉です。
しかし実はGDP以外に、私たちが見るべき“指数”が別にあるのです。それはPMI。「購買担当者景気指数」と呼ばれるものです。じゃあPMIって何?具体的にどういうものなのか?
PMIを端的に換言するならば、経済の“世論調査”のようなものです。ISM(米国供給管理協会)が毎月公表している「景気感」をとらえる指標です。日本でも約400社にこの世論調査を行っており、今の景気をどう思っているのか、会社自体がどのような状況なのか、注文指数や在庫、現在の売り上げなどのカテゴリーでレーティング(評価を数値化)しています。
ジャンルは製造業と非製造業(サービス)の2つ。これを毎月行っているわけですから、4〜6月期と一年を四期に分けて出すGDPよりも月ごとの細かい数値の“今”が分かるわけですね。先進国のほとんどがこれを発表している。ではPMIは現在、どうなっているのか?