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城田優、平井堅のカバー曲を配信 ミュージカル経験も活かし「素晴らしい名曲を伝えたい」

 圧巻の歌唱力と表現力でミュージカル俳優としても活躍する城田優が、秋に初のJ-POPカバーアルバム『Mariage』を発売する。同アルバムに先行して平井堅の名曲カバー「even if」の配信がスタート。先日、城田が作詞作曲し、GLAYのTERUが歌唱、HISASHIがギターを担当した配信楽曲「それでも」も大きな話題に。エンタテインメントを届けるひとりとして、城田が考え取り組んできたことや未来への展望について語った。

素晴らしい名曲を伝えたい…ミュージカル経験から学んだことを活かしたカバー曲

  • 城田優

    城田優

──平井堅さんの「even if」のカバーが配信をスタートしました。公式に発表される城田さん初のJ-POPカバーとして、この楽曲を選んだ理由を教えていただけますか?

城田優 「even if」は、15歳の頃からカラオケでよく歌ってきた曲です。大人な曲なので当時は歌詞の意味やシチュエーションも理解できず、それこそ「カシスソーダ」や「バーボン」といった単語も呪文のように歌っていたんですが(笑)、友人からはなぜかめちゃくちゃ褒められました。僭越ながら、僕のカラオケ定番曲としてこの曲を知ったという友人も多かったんです。そのときになんとなくですが、「世の中はたくさん名曲があるけれど、意外に知られてない楽曲もある。僕が歌うことでその素晴らしさが伝われば…」と思っていました。それが当時、カラオケを歌う楽しさや、もっと歌が上手くなりたいというモチベーションに繋がっていったような気がします。

──秋に発売されるカバーアルバムの原点となる想いですね。

城田優 15歳の頃はそこまで深くは考えてはいなかったんですが、その思いをさらに強くしたのは、前作のミュージカルカバーアルバム『a singer』でした。そのアルバムを作った直後から、次はJ-POPのカバーアルバムにしようと計画し、制作がスタートしたのが昨年末くらいです。ところがこのコロナ禍で制作がストップしてしまい、発売も延期になってしまいました。そのなかで完成していた「even if」を、先行配信させていただくことになりました。

──城田さんの艶やかで伸びのいい声質が「even if」ととてもマッチしていて、切なくも甘い大人の恋に酔いしれる感覚を味わわせてくれるステキな1曲になっています。15歳当時とは楽曲に向き合う意識も変わったのでは?

城田優 僕も34歳なので、ある程度の経験を重ねた上で改めて歌詞の意味を考えて歌いました。曲が展開していくにつれてどんどん“男としての自分を認めてもらいたい欲”が出てくる曲だなと思いました。お酒の酔いに任せて本音が出てくる…そんな感情の流れをきちんと表現したくて、今回はなるべく一発録りに近い形でレコーディングをしました。完成度を重視するなら、コマ切れで歌ったフレーズをいいとこ取りで繋ぐという手法もあります。でもこの曲のように、特に物語性を表現したい場合はその手法は合わないんじゃないかと。そこはミュージカルの経験から学んだ部分が大きかったかもしれないですね。

95%をリモートで制作したGLAYとのコラボ曲、新たな音楽制作の可能性を実感

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──「even if」のアレンジを手掛けたのは安室奈美恵や三浦大知、BTSなどの数々の名曲を手掛けてきた音楽プロデューサー・UTAさん。美しく儚いピアノをメインに、時折挟み込まれる華やかなトラックが原曲に現代性をもたらせています。

城田優 UTAくんとは8年ほど前に(東日本大震災のチャリティソングとして城田が制作)「祈りの言霊」という楽曲をアレンジしてもらって以来、一緒に曲作りをしています。今回のカバーアルバムも半分はUTAくんの力を借りたのですが、彼は楽曲の可能性を想像もしていなかった範囲にまで広げてくれる素晴らしい才能の持ち主。僕が作ったメロディーにUTAくんがトラックを乗せてくれたおかげで、歌詞の世界がさらに広がったことが何度もあって。一方的な思いかもしれないけれど、僕の音楽活動に欠かせないパートナーとしてとても信頼している存在です。

──5月29日に配信された城田さんが作詞作曲、GLAYのTERUさんが歌、HISASHIさんがギターという豪華コラボによる楽曲「それでも」。こちらのアレンジを手掛けたのもUTAさんでした。

城田優 「それでも」は4月中下旬くらいから、UTAくんとリモートで作りました。GLAYさんとは『ミュージックステーション』(テレビ朝日系/4月3日放送)で共演させていただいたご縁で、僕のインスタライブにTERUさんが参加してくださって。その時に、「もっと何か一緒にやろうよ」とお声がけいただいたんですね。僕としては願ってもないことで、参考までに「こんな曲を作っていますが…」とお渡ししたらHISASHIさんにも呼びかけてくれて、実現しました。

──エンタテインメントを届ける方々の心意気や使命感を感じる取り組みがたくさんありますが、TERUさんともそんなお話をされたんですか?

城田優 特に深い話はしていないです。きっと向いている方向が同じで、自然と気負うことなくコラボが実現したんじゃないかなと思っていました。たしかに今の状況じゃなかったら、「それから」という楽曲は生まれなかったかもしれない。そういう意味では、「どんな状況でもポジティブに転じられるんだ」と捉えたほうがいいと思いました。「それでも」は、1度スタジオで作業し、95%がリモートで制作しました。離れた場所にいてもあれだけのクオリティを追求できることが証明できたので、この状況をきっかけに音楽制作の可能性がさらに広がったんじゃないかと感じています。

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