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わずか4年で“ハマスタ”ライブを実現 Suchmosが音楽シーンに与えた影響とは
海外シーンと重なりながら、既存のJ-POPにはない独自の音楽で後続を牽引
Suchmosが躍進したきっかけは、2016年1月にミュージックビデオが公開された「STAY TUNE」。しなやかなグルーヴとキャッチーなメロディーがひとつになったこの曲は、J-WAVEなどのFM局でヘビィローテーションされ、幅広い音楽ファンに訴求。Honda『VEZEL』のCMに起用されたこともあり、大きな話題を集めた。「STAY TUNE」を含む2ndアルバム『THE KIDS』(2017年1月25日発売)がオリコン週間アルバムランキングで最高2位を記録し、『第59回日本レコード大賞』で最優秀アルバム賞を獲得。この1年間でSuchmosは確実にブレイクのきっかけを掴んだと言っていい。
「STAY TUNE」が発売された2016年前後は、日本の音楽シーンが大きく変化した時期だった。Nulbarichやcero、D.A.N、WONKなどが続々とデビューし、Suchmosと同じく、現在進行形のジャズやブラックミュージックなどを取り入れたアーティストやバンドが新たな潮流を作り出した。その動きは、マーク・ロンソンの世界的ヒット曲「Uptown Funk」(マーク・ロンソンfeat.ブルーノ・マーズ)に象徴されるネオソウル、ファンク・リバイバルとも同期している。海外シーンと重なりながら、既存のJ-POPにはなかった音楽性によって、大きなヒットを生み出す“カッコ良くておしゃれで新しい”という流れの起点になったのがSuchmosであり、「STAY TUNE」なのだ。
自分たちの感性を信じ、やりたい音楽を貫いた結果、メジャーシーンにも浸透
その後Suchmosは、さらに大きなフィールドへと進んでいく。6月に発売されたミニアルバム『THE ASHTRAY』は、アリーナや野外フェスに似合いそうなロックサウンドへと移行。実際、この年には『FUJI ROCK FESTIVAL』のグリーンステージ(約4万人規模のメインステージ)に出演し、11月には神奈川・横浜アリーナでの初ワンマンライブを開催。さらに『第69回NHK紅白歌合戦』に初出場するなど、メジャーシーンへと突き進んだ(「臭くて汚いライブハウスから来ました」と言ったYONCEのコメントも当時話題になった)。それはシティポップ、ネオソウルといった言葉に大乗される日本の音楽シーンの新しい動きが、アンダーグランドとオーバーグランドの壁を越えた出来事だったのだ。