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昭和・平成・令和 名作ドラマの“飯テロ”、食卓シーンは変わってもウチの食卓は変わらない!?
名作ドラマ=印象的な食卓シーン! 時代によって異なる演出法とは?
さらに食事シーンはドラマ性にも一役買う。例えば、婆ちゃん(故・樹木希林さん)が町内の老人会で温泉へ一晩行った留守中に家族がこっそりとスキヤキを食す。すると突然庭先に婆ちゃんが…。旅館の料理の冷えているのに怒って帰って来てしまったのだ。家族の賑やかな話し声がピタッと止まる。気まずい沈黙の中、スキヤキだけがジュウジュウ…。視聴者はそんなシーンを見て笑い転げたものだった。
一方で『傷だらけの天使』(1974年〜日本テレビ系)に代表されるような都会派作品では、スタイリッシュな食卓シーンが印象的。OPの1カット長回しによる故・萩原健一さんの食事シーンは伝説。演技のすべてはアドリブであり、ラフな食べ方でトマトやコンビーフを食す主人公に多くの若者が憧れた。
そんな時代とは逆を行き、頭角を現したのはアニメ作品の食事シーンだ。とくに故・高畑勲さん、宮崎駿監督らによるジブリ作品の功績が大きく、例えば『天空の城ラピュタ』の食事シーンは公開から30年以上経った今でも色褪せず、目玉焼きを食パンに載せた通称“ラピュタパン”を筆頭にテレビ放送のたびSNSで話題に。『ラピュタ』では、他にも海賊の飛行船であるタイガーモス号のなかで、ヒロインのシータが作った料理をドーラ一家が一斉に声を揃えて「おかわり!」と言うシーンも印象深い。80年代以前も90年代以降も、宮崎作品からは湯気や質感、音、キャラクターの表情、仕草など、“美味しそう”に見せるこだわりが感じられるが、スタジオジブリを決定付けた作品であり、食卓が変化してきた時代に一石を投じるワンシーンだった。
上記の通り、この時代の“ホッとする”食事シーンは“イケイケ”な時代へのアンチテーゼの意味を持っていた。TVCMで故・山口美江さんがバブリーな服を来て帰宅し床に座り込み「柴漬け食べたい…」とつぶやくシーンがウケたのはその証左だろう。
これら90年代的な空気のなかで、とある印象的な食卓シーンで視聴者にインパクトを与える名作も現れた。『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)だ。血のつながらない兄弟たちの絆を食卓シーンで表現するという、ある種70年代ドラマに回帰する傾向。家族で食卓を囲んでアツいあんちゃん(江口洋介)を中心に食事をするシーンは“新たな古臭さ”として視聴者に受け入れられ、物語の面白さも相まって第11話では視聴率37.8%を記録。これは現在もフジテレビドラマの歴代最高記録となっている。
そんななか結婚せずに独身を謳歌する“独身貴族”という言葉も誕生。阿部寛主演の『結婚できない男』(関西テレビ・フジテレビ系)では、偏屈な主人公による豪華な“ひとり飯”が話題に。分厚いステーキに手巻き寿司。すべて阿部寛が一人で楽しそうに食べており、同時にモノローグのシーンとしての重要な要素も担っていた。
スマホを見ながら食べるのも、何も喋らないで食べるのも、自分の分だけ部屋に運んで“孤食”するのも、食卓シーンはどれもその当時の現代風俗を表している。時代は移り変わっても、人間が人間である限り“食”のシーンは続いていき、ますます多様化していくだろう。
テレビを観ていたら…夜中の腹ペコはファミマへ! 令和の時代は「お母さん食堂」で温もりの食事を
※地域によっては価格が異なる場合があり、一部の地域および一部の店舗では取扱いのない商品もあります。
忙しい毎日に、懐かしくてあたたかい商品をお届けする『お母さん食堂』
新TVCM『慎吾母のお母さん食堂 涙の味』では香取慎吾が扮する白い割烹着姿の「慎吾母」が営む定食店が舞台となっており、客席には何故か泣いている女性(ファーストサマーウイカ)が。そんな女性に慎吾母が提供したのは…!? コミカルでヒューマンな内容は、慎吾母のやさしい笑顔、心のあたたかさなどが感じられ、ホッと一息つける作品となっている。
『お母さん食堂』公式サイト(外部サイト)
(文/衣輪晋一)
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