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小林よしひさが振り返る“よしお兄さん”としての14年 最初から「ありのままの自分」だった
「よしお兄さん」は、ありのままの「小林よしひさ」だった
小林よしひさ「たいそうのお兄さん」としてのイメージを崩さないように14年間やってきましたが、最初から「自分じゃないキャラクターを演じる」というよりは「ありのままの自分を出そう」と思ってやってきたんです。だからあんまり変化はないかもしれないですね。
卒業会見では就任当初を振り返り「世間の皆さんに受け入れてもらえるのか不安な気持ちがすごく大きかった」と語っていたのが印象的だった。
小林よしひさ前任のひろみちお兄さんが、とにかく大人気で……!だからオーディションに受かっても、本当に不安だったんですよ。まずは「与えられたものをしっかりやろう」と思っていました。初収録に入る前に練習をしていましたが、なにせ動きも初めての体操ばかり。「うまく動けるのかな?」と不安でした。子どもたちも僕のことを知らないので、現場で受け入れられるのか心配でしたね。
だが現場に入ってみると、実際にプレッシャーはすぐに消えたという。それは目の前にいる子どもたちとまっすぐ向き合った結果だったようだ。
小林よしひさ案の定、子どもたちから「ひろみちお兄さんはいないの?」と言われたんです。でも、収録がスタートすると、歌や体操を通して、「目の前にいる新しいお姉さんと僕と遊ぶのが楽しい」という気持ちを受け取ることができました。カメラの向こう側には数万人という人がいますが、いま目の前の子に真摯に向き合えば、楽しさが画面の向こうにも伝わると思った瞬間でしたね。
「よく聞かれるけど、あまり生活を犠牲したことはないんです」
小林よしひさまずはしっかり体を鍛えること。食事は、好きなものを好きなだけ食べていたんですが、もともと食の好みが健康志向で、趣味も自炊が基本。それが健康維持になっていたかもしれないですね。スーパーに行って、旬の野菜を買って料理するのが好きなんです。だから無理をすることなく、14年間無遅刻無欠席でした。
もともと健康志向で、「体操のお兄さん」になるべくしてなった小林。生活のために我慢したことは、とくにないという。
小林よしひさよく聞かれるんですけど、あまり生活を犠牲したことはないんです。もちろん、長期休暇を取るのが難しいので、海外旅行はなかなか行けなかったんですけど、その他は普通の生活ですよ。制限をかけたら、仕事って続けられないと思うんです。
そんな彼が唯一犠牲にしたのが、愛車のバイクだったそうだ。それでも、ネガティブな気持ちはなかったという。
小林よしひさデビュー前、体育大学で教授の助手をしていたときに、通勤用のバイクを買ったんですよ。その後すぐに『おかあさんといっしょ』オーディションに合格したので、即売って手放しました。「体操のお兄さん」が、万が一でも交通事故を起こしてしまっては大変ですからね。予想外だったけれど、走行距離が短かったので、高く売れてラッキーでした(笑)。
表情作りで参考にしたのはあのハリウッド俳優
小林よしひさ実は顔をつくるのは、昔からの趣味なんです。映画『マスク』で有名なジム・キャリーがすごく好きで、鏡を見ながら彼の表情を真似していました。でもまさかそれが「体操のお兄さん」に役立つと思わなかったですね。その他にも、声の出し方や色のつけかたは、声優さんから学びましたね。僕の“お友達”の「すりかえかめん」さんは、キャラクターをつくるときは「ばいきんまん」をイメージしながら練習していたそうです。
今後は「声優」にもチャレンジしてみたい
小林よしひさ子どもたちへの体操指導は、引き続き芯を持って取り組みたいですね。それに体操だけではなく、お声がけいただいたことはなんでもチャレンジしていきたいと思っています。友人からはよく「独特な声質をしているね」と言われるので(笑)、声優さんのお仕事もしてみたいです。
認知度も高く、すでにオファーは殺到。バラエティ番組に出演しているのも記憶に新しいが、ここでも努力家の一面が見えた。
小林よしひさアドリブで言葉を返す機会がいままでなかったので苦戦中です。そのために、自宅でいろんなバラエティ番組を観ながら、「自分ならどう答えるか」を考えています。「おかあさんといっしょ」のお仕事で、子どもたちから学んだことを、これからの仕事にも繋げていきたいです。
「よしお兄さん」として日本中の子どもたちから愛された理由は、自然体でありながら努力を継続することができる誠実にあった。
(取材・文/小沢あや 写真/山口真由子)