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乃木坂46の”聖母”だった深川麻衣、女優として突き進む”今”語る「元アイドルは意識してない」
乃木坂46卒業後、女優としての歩み「濃くて短い期間だった」
しかし実際は、映画、ドラマ、舞台と着実にキャリアを重ね、作品ごとに深川の演技は高く評価されるようになった。こうした現状に「グループを卒業したときには、まったく想像できなかった」と胸の内を明かすと「出会いやタイミングに恵まれた1年でした。いろいろ経験させていただくなかで、『まんぷく』や『日本ボロ宿紀行』から私のことを知っていただいた方もいるんです」と嬉しそうに語る。
では、深川にはどんな魅力があるのだろうか。メガホンをとった今泉監督は、前作の『パンとバスと2度目のハツコイ』で感じた女優としての資質はもちろん、深川のなかに可憐なだけではなく、“負けず嫌い”な部分や、“少し男っぽい”面を見出したという。同じく『パンバス』で共演した三代目 J SOUL BROTHERSの山下健二郎は、以前のインタビューで「良い意味でまったくアイドル的な感じがなく、覚悟をもって女優の仕事に進んだことが感じられた」と評していた。
「アイドル感わからない」意識していないからこそ出せる“自然体の演技”
一方で「アイドル感」という言葉に対しては「自分でもよく考えるけど、わからない。『アイドル感がないよね』とはよく言われるのですが、地味ってことなんですかね」と笑う。
それでも「知っていただけるきっかけが何であれ、純粋に作品を観て評価をしていただけるなら、とても幸せなことだと思います」と語る。
“聖母”と言われるも「怒るし、悔しいと思う負けず嫌いな面もある」
「グループに在籍していたときには『怒るんですか?』と聞かれたり、ニコニコしているイメージがあったりしたと思うんです。でも私も怒ることもあれば、悔しいと思う負けず嫌いな面もあります。そういう部分を今泉監督に見出していただけたと感じています。役の幅を広げられるチャンスという思いは強かったです」。
「期待に応えなければ」という大きなプレッシャーはあったものの、岸井ゆきのや若葉竜也、成田凌ら世代の近い俳優たちとの現場は「とても刺激的」で、目線の動きや表情など細かな表現力や、立ち振る舞いなどを目の当たりにして大きな影響を受けた。特に岸井とは、本作で親友役、連続テレビ小説『まんぷく』では姉妹役と共演が続いた。「短い期間で2度も近しい役でご一緒できるのは驚きましたが、ゆきのちゃんのおかげで『まんぷく』では少し緊張が和らぎました」と感謝していた。
「やりたいことはたくさんあります」と語った深川。それでも先の目標は立てず「いまを頑張る」ことに意識を強く置いているという。目の前の仕事で結果を出すことが、未来につながるという信念のもと、作品に向き合っている。「型にはまらず、偏らず」いろいろなことにチャレンジしていくことを誓っていた。
(取材・文:磯部正和)
映画『愛がなんだ』
4月19日公開
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
監督:今泉力哉 脚本:澤井香織、今泉力哉
出演:岸井ゆきの 成田凌 深川麻衣 若葉竜也 片岡礼子 筒井真理子/江口のりこ
配給:エレファントハウス
(C)2019映画「愛がなんだ」製作委員会
公式サイト:http://aigananda.com/(外部サイト)