ドラマ&映画 カテゴリ
ORICON NEWS

乃木坂46の”聖母”だった深川麻衣、女優として突き進む”今”語る「元アイドルは意識してない」

 連続テレビ小説『まんぷく』や、地上波連続ドラマ初主演となった『日本ボロ宿紀行』(テレビ東京系)など、女優として大躍進をみせる深川麻衣。新作映画『愛がなんだ』では、これまでのフェミニンなイメージからガラリと変わったさっぱりした女性・葉子を好演している。乃木坂46というアイドルグループから女優へと転身を遂げた深川が“いま”を語った。

乃木坂46卒業後、女優としての歩み「濃くて短い期間だった」

 2016年6月、約5年間在籍した乃木坂46を卒業した深川。女優を芸能活動の中心としてから2年半の歳月が流れたが「濃くて短かった」とこれまでを振り返る。乃木坂46卒業を決心した時点では「お芝居の仕事をしたいと思っていましたが、事務所も決まっていなくて、もしかしたら一般の仕事に戻るのかもしれない」という不安もあったという。
 
 しかし実際は、映画、ドラマ、舞台と着実にキャリアを重ね、作品ごとに深川の演技は高く評価されるようになった。こうした現状に「グループを卒業したときには、まったく想像できなかった」と胸の内を明かすと「出会いやタイミングに恵まれた1年でした。いろいろ経験させていただくなかで、『まんぷく』や『日本ボロ宿紀行』から私のことを知っていただいた方もいるんです」と嬉しそうに語る。
 
 では、深川にはどんな魅力があるのだろうか。メガホンをとった今泉監督は、前作の『パンとバスと2度目のハツコイ』で感じた女優としての資質はもちろん、深川のなかに可憐なだけではなく、“負けず嫌い”な部分や、“少し男っぽい”面を見出したという。同じく『パンバス』で共演した三代目 J SOUL BROTHERSの山下健二郎は、以前のインタビューで「良い意味でまったくアイドル的な感じがなく、覚悟をもって女優の仕事に進んだことが感じられた」と評していた。

「アイドル感わからない」意識していないからこそ出せる“自然体の演技”

 こうした評価に「自分のなかでは、あまり“元アイドル”ということは意識していないんです。いま一人で活動し、事務所も移籍したので、グループの看板に甘えず“深川麻衣”として知っていただけるように頑張っていかなければ。いまはその気持ちが強いですね」と語った深川。

 一方で「アイドル感」という言葉に対しては「自分でもよく考えるけど、わからない。『アイドル感がないよね』とはよく言われるのですが、地味ってことなんですかね」と笑う。
 
 それでも「知っていただけるきっかけが何であれ、純粋に作品を観て評価をしていただけるなら、とても幸せなことだと思います」と語る。

“聖母”と言われるも「怒るし、悔しいと思う負けず嫌いな面もある」

 前述したように、最新作『愛がなんだ』で深川が演じた葉子は、彼女の持つふんわりとしたパブリックイメージとは異なるサバサバした女性を演じている。乃木坂46時代には“聖母”と称され、地方出身の中学生メンバーが東京に慣れるまで毎日学校への送り迎えをしていたというエピソードもあったが――。

「グループに在籍していたときには『怒るんですか?』と聞かれたり、ニコニコしているイメージがあったりしたと思うんです。でも私も怒ることもあれば、悔しいと思う負けず嫌いな面もあります。そういう部分を今泉監督に見出していただけたと感じています。役の幅を広げられるチャンスという思いは強かったです」。
 
 「期待に応えなければ」という大きなプレッシャーはあったものの、岸井ゆきのや若葉竜也、成田凌ら世代の近い俳優たちとの現場は「とても刺激的」で、目線の動きや表情など細かな表現力や、立ち振る舞いなどを目の当たりにして大きな影響を受けた。特に岸井とは、本作で親友役、連続テレビ小説『まんぷく』では姉妹役と共演が続いた。「短い期間で2度も近しい役でご一緒できるのは驚きましたが、ゆきのちゃんのおかげで『まんぷく』では少し緊張が和らぎました」と感謝していた。
 
 「やりたいことはたくさんあります」と語った深川。それでも先の目標は立てず「いまを頑張る」ことに意識を強く置いているという。目の前の仕事で結果を出すことが、未来につながるという信念のもと、作品に向き合っている。「型にはまらず、偏らず」いろいろなことにチャレンジしていくことを誓っていた。
(取材・文:磯部正和)

映画『愛がなんだ』

 主人公・28歳のOLテルコ(岸井)は友人の結婚パーティで偶然出会ったマモル(成田)に一目惚れ。想いは募り、仕事を失いかけても自分の時間のすべてをマモルに捧げ、ようやくデートをする関係にまでこぎつけた。一緒に歯を磨いたり、髪を洗いっこしたり。。夢にまでみた幸せな時間。でも2人の時間を重ねるほど突きつけられる現実は「マモルにとって、テルコは恋人ではなく、ただ都合のいい女でしかない」ということ。そのことをわかっているテルコは今の関係を保ち、嫌われないことに必死で、自分からは一切連絡をしないし、決して「好き」とは伝えない。親友・葉子(深川)に冷たい目でみられても、マモルがいてくれるならテルコはこの上なく幸せだと思っている。そして、そんな葉子も実は、自分にとって都合の良い相手・葉子のことが大好きなナカハラ(若葉)に、マモルと同じような態度を取っているのだ。そんなある日、マモルの態度が急に冷たくなり、連絡が突然途絶えてしまう。3ヶ月が経ったころ、マモルから急に電話がかかってきて、会いにいくと、彼の隣には年上の女性、すみれ(江口)がいたーー。

4月19日公開
原作:角田光代「愛がなんだ」(角川文庫刊)
監督:今泉力哉  脚本:澤井香織、今泉力哉
出演:岸井ゆきの 成田凌 深川麻衣 若葉竜也 片岡礼子 筒井真理子/江口のりこ 
配給:エレファントハウス  
(C)2019映画「愛がなんだ」製作委員会
公式サイト:http://aigananda.com/(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

メニューを閉じる

 を検索