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にーな’sりさーち Vol.5 楽しく飲んでも大丈夫? ドクターに「二日酔い予防法&対応策」を聞いてきた
お酒に強くなると二日酔いにはならない? 鍛えればお酒に強くなれるって本当?
加賀先生「肝臓でアルコールを分解するときにアセトアルデヒドという毒素が生じるんですが、これが頭痛など、二日酔いの原因となります。」
ニーナ「肝臓を鍛えたら強くなるって聞いたこともあるけど、本当ですか?」
加賀先生「中にはお酒一滴でも酔っぱらってしまう人もいますが、そういう方はアルコールによるアセトアルデヒドを分解する酵素自体を持っていないんです。遺伝によるものなので、そういった方は鍛えても強くはなりません」
ニーナ「アルコールを分解する力がない人もいるんですね。肝臓が強い・弱いだけかと思っていました」
加賀先生「これは遺伝によるものなので、どうしようもないですよね。ただ、アルコールが分解される前にさらにお酒を飲んでしまうと、アセトアルデヒドが蓄積されてしまうので、“お酒が強い”と思っている人ほど、飲みすぎて二日酔いになりやすいという傾向もあるので注意が必要です」
ニーナ「なるほど〜。私は二日酔いによくなってしまうので、強い人なのかも(笑)。飲んだ次の日にむくむのもお酒のせいでしょうか?」
加賀先生「むくみというのは、アルコールやアセトアルデヒドが影響して血管の透過性というものが亢進することで起こります。簡単に言えば、血管から水が染み出てきちゃうんです。アルコールを摂取しすぎると、血液中のアルコールの濃度が高くなるので、お酒を飲みすぎるとむくみやすいというのは本当です」
加賀先生「お酒を飲む前に、水を飲むようにしています。500ml〜1Lくらい。でも、お酒を飲んでいるときも、一緒に水分を摂るといいですね。お酒と同じ量の水を飲むといいといわれています」
ニーナ「えー! そんなに飲まないといけないんですね。でも、難しくないですか?」
加賀先生「そうですね、現実的には難しい場合もあると思います。でも、血中のアルコール濃度が薄くなるほうがいいので、飲める場合は飲んだ方が良いです。アルコールには利尿作用があるので、お酒を飲んでいるとお手洗いに行きたくなることも多いと思いますが、お酒と一緒に水を飲むとアルコールを薄めて外に出せるので効率的です。ただ、アルコールを摂取すると、トイレの回数が増えたり、血管の外に水分が逃げたりするため血管の中が脱水状態になりやすく、もっと言うと経口補水液がおすすめです」
ニーナ「経口補水液だと、むくまないんですか?」
加賀先生「経口補水液は体の中の水分の濃度と似ているので血管の中に水分が保たれるためむくみにくいです。アルコールを摂取しすぎた時におこる脱水症状に一番効果がありますので、おすすめです」
お酒の“ちゃんぽん”は二日酔いになりやすいはホント? お酒の噂アレコレを医学的に検証
加賀先生「そう言われているのは聞いたことがありますが、医学的に証明されているものではないんですよね。いろんなお酒を飲む時点でたくさんの量を摂取しているからなのではないかと言われていますね。」
ニーナ「そうなんですか? たくさん飲むときはなるべく同じお酒を飲むように心がけていました。私は赤ワインだけを飲み続けた時は、あまり二日酔いにならない気がするんですよね」
加賀先生「えぇ〜聞いたことないです。それも医学的には証明されていないですね」
ニーナ「ワインだと、1本くらいは平気で飲めるんですけど、適量ってどれくらいなんですか?」
加賀先生「飲みますねぇ…! 体質もあるのでそれぞれ適量ってあると思うのですが、うちの医院では、“適量”というと、“1杯”です」
ニーナ「1杯? 先生は1杯で終わることありますか?」
加賀先生「痛いところをつきますね(笑)。まあ、難しいですけど、お酒は肝機能や尿酸にも影響するし、肝臓に脂肪が沈着しやすくなるなど、いろんな病気の要因になるので、その要因を避ける最小限の量ということですね」
加賀先生「それはきっぱりと、ダメです。温めることで血流がよくなって、血中のアルコールが循環してしまうので、お風呂に浸かるのもよくないです。シャワー程度にしておきましょう」
ニーナ「湯船に浸かるとむくまないかと思って、なるべく入るようにしちゃってました…!」
加賀先生「むくみには、アルコールをできるだけ体内から出してから眠るのが良いです。水や経口補水液などをたくさん飲んで、飲んだお酒をできるだけ出すのが効果的ですね。泥酔したまま帰ってすぐ眠るというのも、むくみには良くないです」
二日酔いの予防には、事前の準備と飲んでいる間の食べ物が重要
加賀先生「すきっ腹でお酒を飲むのは胃が荒れる原因になりますし、アルコールをダイレクトに吸収してしまうので、良くないです。実際、前日に飲酒した方に胃カメラの検査をすると胃粘膜が赤く腫れている方もいます。とはいえ、なかなか乾杯前におつまみを食べるタイミングがなかったり、難しいかもしれませんので、最初から一気飲みなどをしなければ、それほど問題ではありませんが、二日酔いには、やっぱり予防が大事なので、できれば飲む前になにか口に入れておくといいですよ」
ニーナ「食べ物を口に入れられなくても、お酒を飲む前に牛乳を飲むと良いって聞いたことがあります」
加賀先生「牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、胃の粘膜を保護して、アルコールから胃を守るともいわれており、すきっ腹よりは事前に摂取する方が効果的でしょう。また、乳酸菌が腸内環境を整えることで肝臓の機能を高めてくれて二日酔いに効果があるというデータがあります」
ニーナ「乳酸菌にそんな効果があるなんて知りませんでした!」
加賀先生「乳酸菌単体ではなくウコンと一緒に摂取することで胃粘膜を保護する力が高まるという報告はあり、アルコールの吸収や胃粘膜の損傷を抑えてくれるようです。ウコンには、肝機能を高めるといわれているクルクミンという成分が含まれているので、お酒を飲む前にウコンと乳酸菌を摂取するのは二日酔いの予防になると思います」
ニーナ「クルクミンってカレー粉に含まれているやつですよね? じゃあヨーグルトとカレーを一緒に食べれば良い…?」
加賀先生「お酒を飲むときは胃がもたれるから、カレーなど脂っこいものはやめたほうがいいかもしれないですね(笑)。ウコン茶とかがいいんじゃないですか?」
ニーナ「どうしよう〜飲むときは揚げ物とかも食べたくなるじゃないですか」
加賀先生「食べ過ぎなければ大丈夫ですが、揚げ物はお酒によく合うので、ついつい食べてしまいがちですよね。脂っこい食事は胃酸などの消化液が増えることで、胸焼けしたり、下痢しやすくなったり、二日酔いになるのを増長させてしまう可能性が高いです。それより良質なたんぱく質や脂質の含まれるナッツ類、枝豆などの豆類をお供にするとアルコールの吸収を遅くし二日酔い予防になるでしょう。ただし、塩分の摂りすぎもむくみの原因になるので、注意してくださいね」
加賀先生「全部を実践するのは誰でも難しいですよ。でも、そのどれかでも、やるかやらないかで変わってくると思います」
ニーナ「二日酔いになってしまったあとの対処法はないんですか?」
加賀先生「あまりに二日酔いがひどくなってしまったら、経口補水液をとにかく飲むのが良いでしょうが、病院を受診するのもありですよ」
ニーナ「二日酔いで病院を受診してもいいんですか?」
加賀先生「もちろんです。アルコールによって体に異常をきたしていますから。それと、眠れるようなら十分に睡眠をとることも有効です。十分な睡眠は、お酒を飲む前の二日酔い予防にも効果的です。二日酔いになるのは、体質もありますので一概に正解は言えないのですが、飲む前に二日酔い予防に有効な成分を取ったり、普段の生活習慣や体調管理を意識したりすることで、違いを感じることができると思いますよ。これからの時季、飲み会が増えると思いますので、ぜひ実践してみてください」
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