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NGT48や『SPA!』騒動の共通点、SNS全盛のいま問題提起する“署名サイト”の意義とは?
NGT48騒動、『週刊SPA!』女性軽視企画、高輪ゲートウェイ…報道のきっかけに
これらエンタテイメントや生活に密着した出来事について、問題提起となったり、一定数の“民意”を示す場となったのが、署名サイト『Change.org』である。上記のキャンペーンで多くの署名が集まったことで、嘆願する相手に提出して意思表示をすることはもちろん、メディアが注目したり、ニュースとして取り上げる際の論拠にもなった。
米国発の署名サイト、セクハラやじ問題やSMAP解散騒動で注目集める
現在、同サイトでは誰もがオンラインで気軽に署名活動のキャンペーンを立ち上げられるサービスを提供している。利用法も簡単で、まず氏名とメールアドレスを入力して専用アカウントを作成。任意で住所や電話番号を登録し、サイトで嘆願内容や署名の提出先などを書き込み賛同者を募ることができる。環境や政治、社会問題などのキャンペーンが張られることが多いが、芸能・エンタテイメントにまつわる問題提起も少なくなく、ここでの運動がメディアに取り上げられた例も多いという。
「とくに注目を集めたのは、2014年の東京都議会セクハラやじ問題です。塩村文夏議員が『自分が早く結婚したらいいじゃないか』などのセクハラやじを受けた騒動で、『女性差別発言をした自民党都議会議員を特定し、厳正に処分するよう強く求めます』というキャンペーンに集まった署名は1週間で9万筆。この署名ページがテレビでも多く流れました。ほか、エンタメ界でいえば、2016年のSMAP解散騒動。グループ存続を願うキャンペーンが2万7千筆ほど集まったほか、同時多発的にいくつもキャンペーンが起ち上がっていました」
一定の“民意”、SNSとの違いは「名前を出して意思表示をすること」
「『Change.org』では、キャンペーンを立ち上げるにも賛同をするにも、基本的には自分の名前を明示します。ネット上で名前を出して意思表示をすることで、覚悟と熱量が込められるんです。また、SNSは直情的な面がありますが、オンライン署名は戦略的。感情に走って独りよがりなキャンペーンを立ち上げても多くの賛同が得られないだけに、“思い”を客観的かつ冷静に形にする人が多いと思います」
「それだけの“名前”が集まったという事実が、嘆願を受け取る側にも説得力として伝わるのではないでしょうか。また、SNSにありがちな、声の大きい匿名の意見に左右されることがないよう、複数のアカウントを持つことはできませんし、スパム対策も行っています」