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(更新: ORICON NEWS

「たけのこの里」が急成長?“パロディお菓子”に反響、制作する美術の先生が明かすモノ作りの楽しさ

「きのこの山」、「たけのこの里」といった人気のお菓子を分解・改造、「えのきの山」や「えりんぎの丘」として制作した“パロディお菓子”がネットで話題になっている。お菓子の商品コンセプトからパッケージに至るまで、何も言われなければ「こんな新製品が出たんだ!?」と思い込んでしまうほどのクオリティの高さ。中学校の美術の先生が、ただの趣味で作ったということでもバズっているのだが、制作者である橋村政海さんに話を聞いた。

見てびっくり「たきのこの山里」「えのきの山」「なまこの海」

制作にかかる時間は20〜30時間、魅力は「食品サンプルのような造形的な面白さ」

――「パロディお菓子」がネットでバズった感想をお聞かせください。

「SNSの拡散力のスゴさには、ただただ驚いています。閲覧数何百万回とか聞いても、まったくイメージできません(笑)。イメージできないほどたくさんの方に自分の作品を見てもらえて、とっても嬉しくて幸せです」

――バズってからの生活に変化はありましたか?

「バズってからは、作品の制作時間がかなり増えました。作ったものが誰かに見てもらえるって、ものすごくモチベーションが上がりますね。呑みながら制作をすることもあるので、酒量も増えました(笑)」

――作ろうと思ったきっかけは何ですか?

「漫画やイラストを描くことを長年やってきて、描き溜めた作品や新作を載せようと5年前にブログを始めました。2カ月過ぎたころ、ふと『きのこ山って、どの種類のきのこなんだろう?えのきだけだったら面白いなぁ』と思い、絵に描くより本物があるように作るほうが絶対面白いと思って、『えのきの山』をネットにUPしました。好意的なツイートなどの反応が嬉しく、次々と作っていくうちに今のようなことになりました」

――どういうところに「パロディお菓子」の魅力を感じますか?

「身近でわかりやすく、単純に笑えるところや、食品サンプルのような造形的な面白さ、見た人の反応を想像しながら、アイデアを具現化していく楽しさです」

――今までに制作した「パロディお菓子」は何点くらいありますか?

「お菓子は50種類くらいで、ランチパックやソーセージ彫刻などの食品も含めると60種類くらいです」

――パッケージも面白いですが、パロディのアイデアはどこから?

「パロディに限らず、面白いことをいつも考えているので、車の運転中や入浴中などにひらめくことが多いです。スーパーやコンビニのお菓子売り場をうろちょろし、実物のお菓子を見ることでひらめくこともあります」

――制作にかかる時間は?

「作品にもよりますが、アイデアが決まれば20〜30時間くらいでしょうか」

――「食べられる作品」と「食べられない作品」どちらが多いですか?

「食べられるものは初めのころの数点で、ほとんどは粘土などの食べられないものか、PCで合成したものです。最初は食べられることも面白さのひとつにしていたのですが、作品を展示をすることが増えて、粘土で作ることが多くなりました」

――「食べられる作品」として制作する場合とそうでない場合の違いは何ですか?

「『たけのこの里ジャンボ』など、本物を使うことでよりバカバカしくなるようなものは、食べられる食材を使います。逆にフェイクスイーツのように、『これ、ホントに粘土でできてるの?』っていう面白さがあるものや、アイデアを具現化するのに適当なお菓子や食材がない場合は、粘土で作ります」

――「食べられる作品」は制作後、どうしているのでしょうか?

「写真撮影後に、必ずおいしくいただきます。ただひとつ『進撃のソーセー人』だけは、調理しようと冷蔵庫に入れたまま忘れていて、すごい迫力のソーセー人に生まれ変わりました(笑)。今も冷蔵庫で眠っています」

大事なのはもとの商品への“リスペクト”「下品にならないように気をつけています」

――制作時に大変なこと、気をつけていることは何ですか?
「イメージ通りに造形するのが大変で、楽しいところでもあります。もとの商品を下品にしたり、批判的になったりしないように、見た方が不快に感じないように気をつけています」

――美術教師とのことですが、作品を通して子どもたちに伝えたいことはありますか?

「絵を描いたり、モノを作ったりすることは、純粋にそれだけで楽しいです。絵や創作ができることは、どんな仕事に就いても役に立つし、人生が豊かになると思っているので、子どもたちには、私自身が今もモノ作りを楽しんでいることを伝えながら、美術に限らず、自分の好きなことは仕事と結びつけなくてもいいから、ずっと続けると楽しいし、世界が広がるよって話しています。

――生徒たちからはどのようなことを言われますか?

「『本物のお菓子みたい』、『小さくて可愛い』、『細かいところまで作っていてすごい』などの声があります。この1カ月ほどの間に3件のテレビ取材があったので、生徒たちも驚いています」

――自信作はありますか?

「これが一番というものは特にないですが、強いて挙げるなら、地元のキャラをモチーフにした『かわうその里〜しんじょう君の帽子〜』がよくできたと思っています。他には、唯一ブラックユーモアを入れている『べにてんぐたけの山』です。『苺』の影が『毒』になっていたり、『ここらでひといき』が『ここらでむしのいき』になっていたりします」

――今後、挑戦してみたい作品はありますか?

「ポテトチップスのように薄く作ってチョコをつけた『まいたけの山』、特徴の網目をどうやって作ろうかと思案中の『きぬがさたけの山』、おっとっとの形が寿司になっている『すっしっし』、チョコの部分が動物などになっている『ねこの山』、『あざらしの海』など。「〜の山」や「〜の里」、「〜の海」を作ったので、「〜の空」「〜の深海」「〜の街」などへの展開も何となく…。いろいろ思案中です」

――今後の目標などはありますか?

「『実物を見てみたい』というメッセージをよくいただきますし、実際、ちっちゃくて可愛かったりするので、実物を見て欲しいという思いもあります。高知県外でも作品展示をしていただけるように、さらに頑張っていきたいと思っています」

 大阪のカワチ画材店『画人画廊』で、2019年2月16日〜24日(20日定休日)の間、橋村政海さんの作品を見ることが出来る。

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