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ジェニーハイは「世間との距離感を埋めるもの」 川谷絵音らメンバーが個性派バンドを分析
バンド活動はいいものですね……ラップ以外は(新垣隆)
【中嶋イッキュウ】私がtricotのアメリカツアーで5〜6月にかけて日本にいなかったので、帰国した翌日からすぐジェニーハイのレコーディングでした(笑)。でも、tricotだけで忙しくするよりも、別のことがあったほうが息抜きにもなるし、いろいろとフラットに考えられるので良かったなと。アメリカのホテルで深夜にランドリーを回している時に、デモを歌って練習していたのを思い出します。
【新垣隆】自分にとって、理屈抜きに楽しいものを作れる場を持てるということが、嬉しかったです。バンド活動はいいものですね……ラップ以外は。
――新垣さんがラップに挑戦した『ジェニーハイのテーマ』ですね。ラップの楽曲が決まったのは、いつ頃のことですか?
【新垣隆】「ラップをしようかなと思っている」というようなアイデアを今年3月頃には伺っていたんですけど……「まさか!」と。
【小籔千豊】いや今日、取材これで3本目とかですけどね、ガッキー(※新垣隆氏の呼び名)、今の「まさか!」が一番声デカかったですね(笑)。よっぽどの事態やったんでしょうね。
【川谷絵音】“5曲のミニアルバム”だとちょっと少ない感じだけど、6曲だったら結構あるように感じられるかなと。ラップだったらすぐ録れるから追加したんですよ。
――新垣さんは作曲家でもあるので、川谷さんから曲が来た時に、ご自身でアレンジを加えて、というようなことはなかったんですか?
【新垣隆】全く無いですね。自分は、初めてバンドというものに入り、メンバーに寄っかかっているような気持ちでやっていますし、一緒にやっているのがとにかく楽しいという。
【小籔千豊】いや、でもこのクラスの方がバンドに入ってくるっていうのも普通、無いでしょうからねえ。僕ら、だいぶラッキーです。バンドとしての“オンリーワン度”もガッキーがいることにより、だいぶかさ上げされているわけで。
【川谷絵音】正直、まだまだ新垣さんを最大級には活かしきれていないと思うんです。というか、限界点がわからないので「一体どこまでやっていいのやら」というところもあるし。まあ新垣さんのラップの限界点は見えた、と言えるのかもしれませんけど(笑)。ピアノに関してはまだ全然奥行きがあるわけで。
変な5人ですよね。出会いのみでここまで来た(小藪)
【川谷絵音】普通だと“こういう曲をやるバンドです!”みたいな方向性が必要なのかもしれいですけど、ジェニーハイの場合、みんながすでに存分に色があるから、それだけで成り立ってしまう。僕は、ゲスの極み乙女。もそんなバンドだと思ってきたけれど、さらに進化形だなという風に思ってますね。
【小籔千豊】変な5人ですよね。でも、ホンマに流れ流れてというか、出会いのみでここまで来てます。『BAZOOKA!!!』でバンドやろうって言った時は、こんなことになるとは思ってもなかったし。
【川谷絵音】そこに関しては、ここにいるミュージシャン3人(川谷、新垣、イッキュウ)が、意外と似ていることが大きいんじゃないかって思っていて。
――似ている、というと?
【川谷絵音】みんなミュージシャンなのに『BAZOOKA!!!』っていうバラエティ番組に出て、新垣さんは『ダウンタウンDX』も出ていて、「これはやりたくない」みたいな決めつけが全然無い。プライドが高くないっていうか、“面白いと思ったこととりあえずやってみる”ことは、似ているんじゃないかなって。