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AbemaTVの“ヒット請負人”インタビュー 日本の女子中高生の3人に1人が「恋愛リアリティーショー」を見るまで
※▼=ハートマーク ※2018年1月〜3月に『オオカミくんには騙されない』、『今日、好きになりました。』、『恋する週末ホームステイ』いずれかの番組を視聴した重複を含まない15歳〜19歳の女性視聴者数を対象とし、2018年3月総務省発表の日本の15歳〜19歳女性人口(2,910,000人)の割合から算出。
エッジのある企画を出すために行われている会議とは
横山弊社で行われている「トンガリスト会議(※)」の中から生まれています。『オオカミくんには騙されない』は、AbemaTVでティーン向けの番組、女性向けの番組が少ないという議題がきっかけでした。その中で、「恋愛リアリティーショー」という案が生まれ、モデル同士のカップルはいつの時代も話題を呼んでいるということから企画が生まれました。
※AbemaTVでは、エッジの立ったコンテンツを生み出すための企画会議として、「トンガリスト会議」が週一回行われている。これは、社長の藤田が主催するもので、テレビ朝日とサイバーエージェントの制作メンバーが一堂に集まり、それぞれがアイデアを持ち寄って決められる。“尖った”企画を出すことでポイントが貯まり、個人の評価にもつながるという仕組みだ。
横山企画では、何かしら“ひっかかり”があることを重要視しています。『オオカミくんには騙されない』では、出演している男子の中に嘘をついている、通称「オオカミくん」が混ざっていることが特徴です。他の恋愛リアリティーショーにおいても同様で、『今日、好きになりました』(以下『今日好き』)では“2泊3日の限られた時間の中で初対面の高校生が本気の恋愛をする”、『恋する週末ホームステイ』(以下『恋ステ』)では“東京に住む高校生と地方に住む高校生が3週間、週末にお互いの街でデートをする”といった従来の恋愛リアリティーショーにはない特徴があります。
――ユニークなコンセプトですが、それこそ放送してみないと反応がわからないところがありますね。
横山企画が出た段階で「世の中の流行りは変わっているけど、恋愛観も変わっているのかな?」という点が気になって、今のリアルな実態を知るために女子高校生を集めてグループインタビューを実施しました。結果、自分が学生だったころから恋愛の価値観はあまり変わっていないことがわかり、「この企画でいけそうだ」と期待が持てましたね。また、女子高生の間でSNSなどで「オオカミは誰なんだろう?」という話題が自然と広がっていくように狙っていました。
キーワードは「親近感」 出演者のイメージも「隣の高校にいそうな美男美女カップル」
玉田担当している『恋ステ』『今日好き』では、SNS運用に力を入れています。たとえばTwitterでは、AbemaTVの公式アカウントから番組に関する投稿をするのですが、番組のことを知らない人のフィード画面にもその投稿が現れるため、「番組を観たことない人に、いかに楽しそうに見せるか」を意識しています。一方Instagramでは各番組のアカウントがあるのですが、番組を知った上でフォローしている人が多いはずです。なので、番組内容を投稿するというよりも、「視聴者とコミュニケーションを取る場」にできるよう心がけています。
杉山出演者選びでも、“隣の高校にいる美男美女カップル”のような距離感になることを意識しています。画面の向こうにはいるけど、近所ですれ違いそう……というイメージです。番組で一般応募も受けつけていて、そこから実際に出演が決まったこともあります。
玉田SNSで見つけてスカウトした出演者もいますね。
杉山毎日のように「Tik Tok」「Instagram」はチェックして、女子中高生から支持を得ている人気ユーザーは知るようにしています。SNS運用について補足すると、出演者の番組内容に関する投稿内容は、私たちがアドバイスをすることもあります。番組の告知をしてもらう際に、宣伝臭さが出てしまうとユーザーが離れていくので、出演者のリアルな日常が反映された自然な投稿にしてもらうようにしています。
番組コラボのカフェは朝6時30分から400人の列
横山もともと『あいのり』『テラスハウス』は好きでしたが、ものすごく詳しいというわけでもありませんでした。ですが、『オオカミくんには騙されない』を担当するにあたって、海外の恋愛リアリティショーは知識を深める意味でも色々と鑑賞しています。過激でドロドロとした人間模様が描かれている作品もあるので(笑)、そのまま番組に反映させるというよりは、知見を広げる意味でチェックしています。
玉田私は田舎育ちで、見たいと思うテレビ番組が少なかったので、『あいのり』はすごくハマっていました。当時、学校で「明日は『あいのり』の話しようね」と友人と話していたぐらいに、放送日を楽しみに毎日生活していました。私が小さい時にそういう文化があったように、今AbemaTVを観てくれている若い視聴者が大人になったときに、学生時代に夢中になった番組を懐かしんでくれたら嬉しいです。
――女子中高生に「届いている」と実感したエピソードはありますか?
杉山地方ロケの際に同行することがあるのですが、その際に「あっ、あれ『恋ステ』じゃない?」と、制服姿の子たちから声が聞こえてきたとき、「番組が認知されているな」と肌で感じました。
玉田あとは『恋好きカフェ』の反響ですかね。今年の8月に3日間原宿にオープンしていた『恋ステ』と『今日好き』のコラボカフェなのですが、朝8時からの開店にも関わらず、6時30分の時点ですでに400人ほど並んでいて、整理券が足りず入れない方もいらっしゃいました。カフェでは番組に出演した高校生メンバーがスタッフとして実際に店頭に立ったこともお客さんに大好評でした。
玉田はい。『今日好き』では、略語が定着するように、毎回番組の冒頭でMCの方に『今日好き!』と、ポーズとセットで言ってもらっています。
Netflixの『テラスハウス』や『あいのり』、Amazonプライムの『バチェラージャパン』など、いまや恋愛リアリティーショーが群雄割拠する中、女子中高生という拡散力、影響力を持った世代をAbemaTVが掴んだのは、「より身近に」「よりリアリティーを持って」というところにこだわったことが大きい。“番組を見ながら視聴者がリアルタイムでコメントを入れられる”という利点も持ったAbemaTVが、今後さらに一歩進んだ番組を提案してくれることを期待したい。
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