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(更新: ORICON NEWS

【eggギャル復活】安室奈美恵が残した“ギャル文化”という遺産「突き抜けたギャルから“最先端”は生まれる」

 歌手の安室奈美恵が16日、デビュー26年周年のメモリアルデーを迎え芸能界を引退した。90年代、“ギャルのカリスマ”としてファッションシーンを牽引。伝説のギャル雑誌『egg』などにも多大な影響を与えた。そして今年、奇しくも休刊していた『egg』がWEBで復活。90年代に渋谷を賑わせた“強めギャル”たちが街に舞い戻りつつあるという。そこで、WEB版『egg』モデルの中でも特に“強め”な17歳モデル・きぃりぷにインタビューを実施。ギャルメイクに目覚めたきっかけ、自身を育てた地元への愛、そして“強めギャル”への想いを聞いた。

地方では衰退せずに残っていた“強めギャル”「母親はギャルを“狩ってた”(笑)」

――14年5月に『egg』が休刊し、“強めメイク”をするギャルは少なくなりました。ネットでも「もはや生きる化石」なんて声もあります。いま、“強めメイク”をする理由を教えてください。
きぃりぷ前に比べてメイクが超薄くなったのを、今の子は普通と思ってるじゃないですか。でも私の地元(茨城県)と言うか、環境的にメイクってこういうもんだと思ってました(笑)。
――地元には強めのメイクの人がまだいっぱいいる?
きぃりぷ4年ぐらい前でも茨城の方ではハンパなくいて、d.i.a.を着た人がいっぱいいた。

――メイクをはじめたのはいつ頃から?
きぃりぷ中学1年かな。他の人と同じことをしたくなかったのと、あと目立ちたいって思いもあってちょっとオラつきだした頃で。だから、中学校に入学してすぐに先輩に目をつけられてた(笑)。

――先輩とはどんな絡みがあったんですか?
きぃりぷ挨拶とか人間関係を教わりました。だからその辺の中高生より礼儀はしっかりしてるかも(笑)。

――“強めメイク”も、そういう世界にいたから当たり前みたいな?
きぃりぷですね、中学生のメイクって普通はリップとかから。でも、私はいきなり“つけま”して眉毛をガン剃りみたいな。母親に「見て、メイクしたよ!」って言ったら、「え!…(びっくり)」って引いてた(笑)。

――母親も元はギャル?
きぃりぷ母はギャルを“狩ってた”方(笑)。いわゆる地元でギャルを餌食にするヤンキー。今の時代はギャルとヤンキーが混ざっちゃってるけど、昔はギャルとヤンキーは明確に分かれていて。今はヤンキーがギャルメイクを覚えちゃったみたいな。

ギャルは目をつけられやすい…でも、その分成長出来る

――復活した『egg』モデルは何歳ぐらいの子が多い?
きぃりぷ高校2年生の代が一番多いかな。あとは1、2歳差くらい。
――可愛いギャルが多いけど、きぃりぷみいたいな“強め”は少ないですね。自分から見て、ギャル度が足りないと思ったりする?
きぃりぷそうですね。私はこの生き方じゃないと満足できないので(笑)。

――その理由は?
きぃりぷ他の子のメイクって私から見るとすっぴんみたい。ベースもクソもねーだろって(笑)。

――以前は“強めギャル”が大勢いました。雑誌時代の『egg』は読んだことある?
きぃりぷ知ってたんですけどあんまり雑誌は買ってなかった。むしろ、私は『チャンプロード』(笠倉出版・オートバイ雑誌)を買ってた(笑)。ファッション雑誌は買ったとしても外国のやつで。結局、見たいと思う雑誌がなくて YouTubeとかに走っちゃいました。

――『チャンプロード』といえば有名なヤンキー雑誌ですね。どちらかというと、ヤンキー系の男性が好き?
きぃりぷう〜ん、ファッションどうこうよりも、私は大人な人が好きです。もう遊び終えていて、世話が上手そうな人。

――余裕がある大人って感じ?
きぃりぷ軽に乗りながら「これレクサス」って冗談で言える人がいい。そういう面白みのある人の方が好き。以前は、不良より真面目な人がいいかなって思ってたけど、実際に付き合ってみたら価値観が合わなくて(笑)。私が男前すぎる性格だからか、逆に男を傷つけちゃって、こっちが慰めるみたいな。

――今は男の方が弱いって言いますよね。
きぃりぷ男の方がメソメソしちゃってた。ギャルは切り替えが早いから、「この人は合わない」と見極めるのも早いんです。そういう意味ではギャルってマセてるのかも。

――それはどうして?
きぃりぷいい意味でも悪い意味でも、ギャルって人から目をつけられやすいんです。だから仕事でも厳しくされるし、そのぶん成長するのかも。絡まれるから年上や仲間とのコミュニケーションもうまくなるし(笑)。それに、個性が強い子って、それを気に入ってくれる大人も多い気がします。

失敗と成功の繰り返しから生まれるギャルの「最先端カルチャー」

――今と昔のギャルの違いってなんですか?
きぃりぷ今も昔もギャルって結局はマネっこ。マネしてマネして、足し算引き算が上手いのがギャル。前は足すことが大事だったけど、今のギャルは引き算も上手ですよね。

――以前の『egg』ギャルは“足し算ギャル”が多かったわけですが、きぃりぷの周りのギャル事情は変化しましたか?
きぃりぷ『egg』が復活する前って、地元のドンキに行ってもダイヤモンドラッシュのつけまは全然売れてなかった。だけど、『egg』が復活してからは、何店舗かドンキを回らないと見つからなくなった。それに、ガングロファンデーションの粉も全部売れてる。「マジですか?」と思う流れが来てる。地元の茨城の話だけど(笑)。

――YouTubeを見ててもギャルネタが増えてきた気がします。
きぃりぷパラパラの動画とか増えたし、つけまの付け方の動画なんかも上がってる。YouTubeやインスタを見ても、一周まわって“強めギャル”に興味を持つ人が増えてるんだと思う。

――青山テルマさんのMusic Video『世界の中心〜We are the world〜』ではパラパラのバックダンサーをしてましたよね。動画の反響は大きいですか?
きぃりぷインスタで(視聴者から)メッセージが来て「メイクの真似したら、いつも下がっていたつけまが上がるようになりました」とか、「目がパッチリになりました」と言ってくれて。その子たちはギャルってわけじゃないんだけど、普通の子でもギャルメイクを活用できるんですよね。まつげが上がらないとか、鼻を高く見せたいとか、それって女の子なら誰もが思うこと。ギャルメイクを真似したら改善されたって人も多いんです。

――ギャルメイクは応用が利くんですね。
きぃりぷ清楚な子も、ギャルメイクをポイントで取り入れたらメイクの悩みを克服できたりする。だからギャルって最先端だなと。私は中学生の時につけまを重ね付けして、カラコンも2枚重ねてた。ピアスは画鋲で空けてたし(笑)。そうやってギャルが突き抜けたことをやっていると、失敗も成功もあって、そんなとこからファッションの“最先端”が生まれるかもしれないですよね。

撮影:嘉陽宗也

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