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ORICON NEWS
北海道「でぶぱん」、ネットも騒然“カロリー度外視”のワケを店長に直撃
「批判は覚悟のうえ」…結果は製造が追いつかないほどの大反響
――非常にユニークなコンセプトのパン屋さんだと思います。「でぶぱん」という店名も“ギリギリ”をいってます(笑)。お店を作る際に、ネーミングの意図やどういった想いで「でぶぱん」ができたのか教えてください。
松本店長地元の方に愛され、札幌の名物パンを作りたかったんです。親しみやすいコッペパンを今風の様々な具材を挟み老若男女問わず大きな口で頬張ってほしいという想いがありました。その為、インパクトのある大きなパンを考案し、それをストレートに表現したのが『でぶぱん』という店名です。でぶっちょで太ったかわいいパンをストレートに表現した店名となります。正直、賛否両論は覚悟していました(笑)。
松本店長営業時間は20時までなのですが、6月5日にオープンしてから1ヶ月近く、売り切れてしまってラストまで営業したことがないです。そのほか、福岡からでぶぱんの写真を撮りに買いに来てくださったご夫婦がいましたし、オープン直後に有名YouTuberの方にも来店いただきました。オープン当初から、予想の2倍の売上で、オープニングスタッフでは足りず、オープン後1週間で募集をかけたりと、反響は実感しています
松本店長通常のパン屋さんの3倍の食材を仕入れていて、1ヶ月でイチゴジャムを133キロ使用したりしましたが、それよりも一番大変なのが“パンの製造”です。パンが大きい分オーブンで焼ける量が通常より少ない為、お客様の購入数に対して製造が負けないように毎日必死です。製造スタッフ全員腕の筋肉がかなりつきました(笑)
――どういうポイントがお客さんの心を掴んでいると思いますか?
松本店長コッペパンという誰もが食べたことがある親しみやすさに加え、キャラクターの愛嬌なども影響しているかと思います。また、コッペパンのしっとり感やふわふわ感も評価いただいています。メニューの種類の多さもリピートに繋がっていると思っています。
糖質制限ブームは意識せず、パン屋さんとして“おいしいコッペパンの形”を追求
松本店長どんな具材にも合うように、また、時間が経っても美味しく食べられるパンにしました。具材の多さはコッペパンを食べた一口目から美味しいさが拡がるように多く入れています。種類に関しては、定番から変わり種をバランスよくいれました。
――ネットでは誉め言葉として「超えちゃいけない一線を超えたパン屋」「糖質制限クソくらえパン屋さん」などと言われておりますが、心境はいかがでしょうか?
松本店長実際に太るのでしょうがないですね…。ただ、太るものはやっぱり美味しいし、幸せになれるので何かのご褒美やチートデイとしてでぶぱんを食べてもらえたら嬉しいです!
――米が主食の日本人にとって炭水化物は非常に大事です。パン屋さんにとっては炭水化物のカットは死活問題だと思います。今の糖質制限、糖質カット、炭水化物=控えたいものという流れについてはパン屋さんとしてどうお考えでしょうか?
松本店長美味しいものをたくさん食べたい方は一定数いらっしゃるのでその方たちが日常食として食べて頂ければなと考えています。もちろん、糖質カットも大事ですが何かの節目や頑張った後などは焼肉や、お寿司、ケーキなどを食べる方が多い中で、このでぶぱんを選択肢の一つとして選んで頂ければと考えています
――今の糖質制限ブームと逆行することについて、不安などはありませんでしたか?
松本店長そこに関しては全く考えてませんでした(笑)。とにかく美味しい焼きたてのコッペパンを多くの人に食べてもらいたいという想いだけですね。
――炊飯器も、ビールも、パンも、色々な食べ物が糖質制限ブームとなっています。それに対してのアンチテーゼという思いはあったのでしょうか?
松本店長そこも全く考えていませんでした。お客様が飽きずにおいしいと思ってもらえるコッペパンを提供することだけを考えていました。他店の調査で小さいコッペパンよりも大きいコッペパンの方が売れるという事例もありました。糖質制限に対する不満というわけではないんです。
行列人気の「でぶぱん」。人気の理由は“ここでしか食べられないおいしいコッペパン”を追求した結果だった。反響を受けて、松本店長いわく他県への進出も考えているとのこと。いつか東京でも食べられる日がやってくる…かもしれない。今後の展開にも期待したい。