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「ノーバン」から「本格派」にシフト 芸能人始球式は“ガチ勢”であふれかえる?
武井壮は驚きの理由で始球式を拒否「140キロ超えないとプロのマウンドに立てない」
元陸上競技選手ながら、本気でプロ野球選手を目指していた時期もあるというタレントの武井壮は、始球式のオファーはたくさんものの全部断っていると語る。その理由として「プロが戦うマウンドは140キロ超えないとダメ。オレはまだ本物になってないので」と、これまでの芸能人始球式のように“ただマウンドに上がって投げる”ことを頑なに拒んでいる。本人のTwitterによると、2017年11月の段階で134キロを計測しており、あと6キロの上乗せを目指し、現在もトレーニングを継続している様子だ。
“神スイング”稲村亜美の登場で“ガチ始球式”が一般化
かつて始球式と言えば、ニュースに“ノーバン始球式”の文言が踊る一方(読者に“ノーパン”と見間違えさせることが狙い)、柳沢慎吾のトークが冴え渡る“日本一長い始球式”、壇蜜の“スク水始球式”、そして映画『リング』の貞子の始球式など“ネタ要素”が強かった。その分、開催する球団はエンタメに力を入れていることをアピールでき、登場した芸能人側もそれがメディア露出につながるという、win-winな関係が出来上がる。先に上げた“ガチ始球式勢”のメンディーや樽美酒も、『究極の男は誰だ!?最強スポーツ男子頂上決戦』(TBS系)といったスポーツ系番組に出演するなど、自分のストロングポイントをアピールすることで、新たな仕事のオファーも期待できるのである。
当のプロ野球選手は始球式の“エンタメ化”に警鐘 今後はどう展開する?
今年1月に放送された『ジョブチューン』(TBS系)において、西武ライオンズの中心選手・秋山翔吾は、「正直、普通にやってほしいです」「ボク、1番バッターで集中してバッターボックスに入っているとき、(始球式をするタレントが)首振ったり、けん制球を入れたりと長いときがあって、こっちの駆け引きやってる場合じゃないんで」と語り、“ウケ狙い”にクギをさす一幕があった。始球式に登板する芸能人もそれなりに真剣なら、その直後にプレイをする野球選手もそれ以上に真剣。秋山選手の意見ももっともと言えるだろう。
ちなみに、野球発祥の地、アメリカのメジャーリーグに目を移すと、始球式に招待されるのは “功績を残した球団OB”が多いようで、2016年のヤンキースの本拠地開幕戦の始球式には、OBでもありGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏が登場している。また就任直後の大統領も、首都ワシントンや近郊ボルティモアに本拠地を置く球団の開幕戦の始球式にのぞむことが慣例となっているなど、そこには歴史と伝統が息づいている。
プロ野球における1つの“余興”としてすっかり定着した始球式。そのエンタメ化が多様化してく中で、球速を競う“ガチ始球式”が定着していくのか、メジャーリーグのように伝統化された始球式が増えるのか、はたまた「VR始球式」といったテクノロジーを交えた始球式が増えていくのか、今後の展開に興味がわいてくる。