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女装男子からLGBT、王子様キャラまで熱演 志尊淳の需要拡大の理由とは?
戦隊ヒーローで知名度上昇 今では性別を超えた役が増加中
そして今年、『女子的生活』では、トランスジェンダーでレズビアンという複雑な設定の男性を好演。さらに先輩・エイト(山崎賢人)の後輩ホスト・小山内和馬を演じている『トドメの接吻』では先週、エイトのことをずっと好きだったと告白するシーンが放送され、『半分、青い』でも、少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のアシスタントでゲイ役の藤堂誠で出演する。申し合わせたかのように、性別を超えたキャラクターを多く演じているのだ。
年々増加する女装男子と、LGBTを扱う作品 男性俳優が女性役も
もちろん以前にこれらがまったくなかったわけではない。「慎吾ママのおはロック」の香取慎吾、スマホゲーム「キャンディーソーダ」のCMで女子高生の扮装をして“キャンジャニ∞”としてCDデビューまで果たした関ジャニ∞など、片鱗はあった。ほか女性役を男性俳優が演じるパターンでは、舞台『クラウドナイン』の三浦貴大、舞台『ヴェローナの真摯』溝端淳平。男性俳優がトランスジェンダー役を演じるパターンでは、映画『彼らが本気で編むときは、』の生田斗真、ドラマ映画『ハイヒール革命!』の濱田龍臣。
今クールでも、『海月姫』(フジテレビ系)で瀬戸康史が女装男子役を。またWOWOWの『バイバイ、ブラックバード』では城田優が女性の繭美を演じている。これらは昨今の、ジェンダーレス男子の広い活躍や、LGBTへの認知度・理解度の上昇が理由に考えられるだろう。さらに漫画などに登場していた個性的なキャラクターを実写化することが増えたのも要因の一つ。いわゆるBLや“腐女子”というネット発の言葉が世間に浸透するなどしたことも、まったく無関係ではあるまい。性別にとらわれないという個性は今後もっと浸透していくだろう。
性別を問わず真摯に向き合い演じる俳優として成長
これは何も海外に限った話ではなく、日本でも歌舞伎などは、女性役は基本男性。つまり、そもそも男性が女性を演じるのはとくに奇異な現象ではないのだ。坊主頭も来い、女装役も来い、トランスジェンダーも来い…カッコ可愛い容姿もさることながら、寧ろ彼こそ当時のシェイクスピア俳優のような“伝統的な役者”と解釈することも出来る。
女装・ゲイ・トランスジェンダーを演じると、どこかしっくり来てしまうのも彼の強み。トランスジェンダーのみきの役作りの過程について「内に秘めている女性性を探すという作業でもあり、自分とは何か他者とは何かを考えるまでに至りました。今までアタマでしかわかろうとしていなかったことが、実感としてわかったことは大きかったです」と語っている。多様性が世間に認識され始めた今だからこそ、役に真摯に向き合い 「マイノリティでも何でも来い」の志尊淳の活躍に期待したい。
(文/衣輪晋一)