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現役高校生バンドNo titleがLINEからデビュー、音楽ストリーミング時代の新スターを目指す

 『LINEオーディション2017』で総合グランプリを獲得した青森の高校生バンドNo titleが1月23日にLINEが手掛ける音楽レーベル「LINE RECORDS」からデビュー決定。楽曲はLINE MUSICで独占配信&GReeeeN等を手掛ける音楽プロデューサーJINがプロデュースするということでその期待は高まるばかり。メンバー全員が2001年生まれ、現役の高校1年生という彼らが歩んだ新世代ならではのシンデレラストーリーとは…? バンド結成からデビューに至るまでの心境を彼らに尋ねるとともに、LINE RECORDSのプロデューサーである田中大輔氏を招き3人を総合グランプリに選出した理由についても語ってもらった。
Profile No title
あんべ(Gt)、ほのか(Vo&Gt)、ポチ(ゆうと)(Piano)の3人からなる青森県三沢市出身の現役高校1年生バンド。2017年にLINE社が主催する『LINEオーディション2017』のバンド部門にエントリーし、ファイナリスト25組に選出。同年11月に行われたLINE LIVE『LINEオーディション2017 総合グランプリ発表SP』にてバンド部門最優秀賞、そして総合グランプリを獲得。2018年1月23日にLINE RECORDSよりデビューが決定。プロデューサーにはGReeeeN等を手掛けたJINが就任。

バンドに誘われるまで音楽への知識も、歌やギターにも興味がありませんでした(ほのか)

――『LINEオーディション2017』総合グランプリ&デビュー決定おめでとうございます! 今の率直な気持ちをお聞かせください。
あんべ グランプリを受賞したときは正直すごく夢をみているようなふわふわした気持ちでしたが、レコーディングやジャケット写真の撮影を経験し、デビューするという実感が最近やっと沸いてきました。今いろいろな活動をしているのですが、どれも楽しいです。

ほのか 最終オーディションでは今までで最高の演奏を見せようという気持ちで挑んでたんです。なので、グランプリを獲得したときはこれまでの努力が全部報われてうれしくなったというか、すごくスカッとした気分でした。

ポチ(ゆうと) あんべくんが言ったようにいろんなことが素直に楽しいです。普通の高校生活をしていたら経験できないことが今たくさんできているので。この間、初めてのレコーディングをしたんですが、ずっと緊張してました。

――3人がバンドを始めたきっかけはなんだったのでしょうか?
あんべ 中学3年生の文化祭のイベントでバンドをやりたいと思って、そこでポチ(ゆうと)とほのかを誘ったのがきっかけですね。僕らは小学校・中学校が同じで小学5、6年は一緒のクラスだったんですけど、そのときは接点がなくて、バンドをやり始めてから仲よくなっていきました。

――皆さん現役の高校1年生ということですが、今の高校生世代にとってバンドを組むというのはどんな感覚ですか?
ほのか 第三者から見たらちょっとチャラそうに感じると思います(笑)。実際はまったくそうじゃないんですけどね。地元で他の高校生バンドさんともお会いするんですけど、頭のいい高校に通いながら部活でバンド組んでる人もいるし、純粋にみんな音楽が好きでやってる人ばかりです。

――では、たまたま音楽好きな3人が集まってバンドになった、と。
ほのか そうですね。でも、私はバンドに誘われるまでギターを弾きたいとか思ったことはなくて。本当にバンドを始めてから音楽の知識をつけていったって感じです。歌も誘われて初めて興味を持ったので。
ポチ(ゆうと) 僕も誘われるまではバンドをやりたいとは思ってなかったです。ただ、ピアノだけは5歳のときからずっと習ってました。

デビュー前からLINE MUSICで楽曲公開! …とても不思議な感覚でした(あんべ)

――バンド結成後はどんな活動をされたのでしょうか?
あんべ 『未確認フェスティバル2017』という10代限定の夏フェスに応募して一次審査を通過したり、あとはほのかとポチ(ゆうと)が通ってる高校でほのかが米津玄師さんの『アイネクライネ』をやってそれがけっこうSNSで爆発したりして。そこから徐々にライブのお誘いをいただけるようになりました。

――お話をお伺いしているとバンド結成からエントリーまで、同時進行な印象を受けます。
あんべ 自分たちが完全に無名だったので、とりあえずできることはやるというスタンスでした。わりと身近にエントリーできる環境があったっていうのもラッキーだったと思います。でも、作曲は全然やってなくて本当にギター片手に手探りでいちから試していくって感じでした。最初はコード進行すらわからなったのでだいぶ苦労したのを覚えてます(笑)。
ほのか そうそう、中3の受験期の合い間を縫ってね。私のところにギターだけ弾いたのがポンと送られてきて「歌詞とメロディをつけろ」って突然言われたんです。急いで歌詞とメロディをつけて返しましたけど、今思うと妙なやり方ですよね(笑)。

あんべ で、そのまま『未確認フェスティバル2017』にエントリーって感じでした。

――そこから『LINEオーディション2017』に応募されたきっかけは?
ほのか 『未確認フェスティバル2017』で私たちを見つけてくれた方がいて。その方から「『LINEオーディション2017』出てみない?」と言われてそれで応募しました。

――その結果、総合グランプリを獲得されますが、オーディションを勝ち進んでいくなかで周囲の反応も変化したのではないでしょうか。
ほのか グランプリを獲ったときから先生たちの間でも話が広まってたみたいで、東京に行くときも先生が「頑張って!」と応援してくれました。あと、お正月に集まった際は親戚中から「おめでとう」って言われたりしました。

ポチ(ゆうと) うん、先生から言われたね。それなりに周りの反応は変わったかなと思います。

あんべ ファイナリストに残った時点でLINE MUSICから自分たちの楽曲が(BGMとして)LINEのプロフィールに設定できるようになったんですが、すごく違和感というか…不思議な感じがしました。でもそれで友達にも知ってもらえて、楽曲に「いいね!」とかしてもらえました。おかげで応援してくれる人たちも増えたのがうれしかったです。学校では同学年で少し騒がれたぐらいですね。そんなキャーキャー言われる感じではなかったです(笑)。

――そして、夏に応募した3人が、年内にはすでにレコーディングをされていたわけですね。ものすごいスピードでプロジェクトが進んでいて、その中心に高校生の自分達がいるのはどういった心境でしょうか。
ほのか 私たちのためにたくさんの方が動いてくださって、段階が進むと関わる方も更に増えていって、日に日に感謝が募っています。

あんべ まだ、バンドを結成して1年なのに…ここまで来ているっていうのがまだ不思議な気持ちです。

――3人は音楽を通してどんなことを表現していきたいと考えていますか?
ほのか 私たちはベースとドラムがいないけれどバンドを名乗っていますが、SEKAI NO OWARIさんもベースがいなかったりして、でもそれが個性にもなっていると思います。自分に足りないことがあっても諦めないで動いたり、なんでもトライしてみて、音楽だけでなくて、私たち自信がそういう活動をして誰かを勇気づけられるようになりたいと思っています。

――プロデューサーの田中さんにお聞きします。デビュー前にも拘らずLINE MUSICで楽曲を公開できたり、LINEのプロフィールに音楽を設定できるというのは今までのオーディションにない試みですよね。
田中大輔 『LINEオーディション2017』はLINE MUSICで楽曲を公開し、その再生回数やお気に入り数、シェア数を競うというオープンな内容でした。その点から申し上げますと3人は再生回数、シェア数、お気に入り数の総合ポイントが優れていたということ、そしてプロデューサーのJINさんから選んでいただいたことも評価に繋がりました。
――“音楽ストリーミング時代の新スターを生み出そう”というコンセプトのもと『LINEオーディション2017』は開催されましたが、新世代のスターに求められる素養とはどんなものとお考えですか?
田中大輔 最近は高価な機材とか使わなくても例えば自宅でも曲を作れたりするので、アーティストを目指す方にはどんどん楽曲を発表してほしいなと思います。とくに今の時代だと自分が手掛けたものを人の目に触れるようにしておくことで、思わぬところからバズッたりするじゃないですか。今までの形式的なやり方ってデビューへの方程式でもなんでもないし、逆に僕らがまったく知らないところから新世代のスターって生まれてくる気がするんです。ユーザーに近いアーティストが僕らの知らない新しいマーケティング手法を知っていて、そうした知見がある人が今後世に出てくるんじゃないのかなと予測しています。

今はまだトークが苦手だけど、いつかMステに出てみたい(ポチ)

――20年前と今とでは音楽の楽しみ方もだいぶ変わってきていると思います。リアル高校生のNo title世代は、どんなふうに音楽を楽しんでいますか?
ほのか ストリーミングはLINE MUSIC然りでとても身近なものですが、周りは今もCDで楽曲を聴きたいって言う子が多いですね。私たちが総合グランプリを獲ったときも周りから「CDはいつ発売するの?」って聞かれました。ストリーミング時代とは言われていますが、今の高校生たちも音楽は“物”でほしいという感覚もやっぱりあるみたいです。

あんべ 僕はストリーミングもCDも両方使います。個人的な印象では音楽は”聴く”だけじゃなく、ライブで”体感する”という楽しみ方をしている中高生も多いと思います。

――音楽は自分を表現するツールでもあると思います。
あんべ LINEのプロフィール画面で好きな音楽を流せたり、プレイリストを共有してユーザー同士が繋がったりもしてると思います。「この人はK-POPが好きなんだな」とか、そういう意味では音楽はリスナー側としてもその人の個性を表していると思いますね。

――最後に皆さんの目標・やりたいことをアピールしてください!
ほのか 地元・青森でワンマンライブをやりたいです! “青森の高校生バンド”と名乗っているので地元を活性化ってほどじゃないけど、盛り上げたいという気持ちはあります。

あんべ 3人で横浜アリーナにライブを観に行ったとき、大きなステージにすごく憧れを持ちました。僕らもいつか横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナみたいな大きな会場で自分たちの楽曲を披露してみたいなと思います。

ポチ(ゆうと) …Mステに出たいです。みんなに「Mステ出ないの?」とけっこう聞かれるので。

ほのか 絶対タモリさんにコメント振られると思うけど、それまでにみんなでトークも頑張ろうね(笑)。

(文/kanako kondo インタビュー写真/Tsubasa Tsutsui)
■LINE MUSIC No title 「rain stops, good-bye」
→楽曲ページはこちら

■LINE RECORDSオフィシャルページhttps://linerecords.me/

■No titleオフィシャルbloghttps://lineblog.me/notitle_official/


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